2019年3月満月

3月21日午前10時44分天秤宮0度09分の満月です。
この日朝7時ごろに太陽が白羊宮に入ります。
前回の満月同様、太陽イングレス直後の満月。
太陽はこの日白羊宮に入ります。
そう、春分です。
占星術では一年の始まりになります。
この満月は、その直後の満月ということになります。
そんなわけで、何らかの物事の結果が、新しいものを呼び起こす雰囲気がすると思います。
この日はまた、磨羯宮の土星冥王星がほぼコンジャンクションで、巨蟹宮ドラゴンヘッドオポジション
ということは土星冥王星ドラゴンテイルが重なっています。
このかたまりから両脇にセミセクスタイル宝瓶宮の金星、人馬宮木星がいます。金星と木星セクスタイルですので、これらがドラゴンヘッドとそれぞれインコンジャクト。つまりヨードができあがります。
この木星ドラゴンヘッドのインコンジャクトにはもう一つヨードが絡みます。
木星金牛宮の火星とインコンジャクト、火星がドラゴンヘッドセミセクスタイル
すなわち、この火星は金星とスクエア、土星冥王星とトラインということになります。
そして先日金牛宮に入った天王星は、月とインコンジャクト、双魚宮海王星セミスクエア。海王星のそばには水星がいてほぼコンジャンクションです。
こうしてみるとインコンジャクトが多くて窮屈というか、緊張感が高いですね。
なんかこう、新しい話がしにくいというか、「昔からこれでやってきてんぞ、何が悪いねん」って言われる感じ。
情は大切にされるけれど、その情のよって立つところが違えば「そんな情はいらん。もっと理屈で話せぇや」と、力でごり押しされる雰囲気があります。
まぁ、この場合の「理屈」はだいたい屁理屈なんですが…。
その屁理屈の中身というか、根っこのとこは、結構本人の物欲やったり、快適な状態を続けたいという甘えやったりする部分も多いようです。
これに対抗する側は、理想論を持ってきます。
本来人間のあるべき姿、持つべき思いやり、人としての自由。
向き合う火星と金星は、利権を握って離さない人たちと、人道的な立場の人たちとの対立とでも言いましょうか。
火星が磨羯宮の土星冥王星と仲良くしているあたりが怪しい…。
物欲と権力欲が絡んで、互いに離さない感じがします。
金星は宝瓶宮で人権と自然保護を語り、自由を愛する木星と手を組みますが、巨蟹宮ドラゴンヘッドに「母性」という名の縄で縛られて身動きできないという状態。
その母性という縄を持つドラゴンヘッドにすり寄るのが金星と対抗する火星という感じですね。
「人が人として在る」
ということがこんなにも難しいのだと、痛感させられる今日この頃です。
昔とは家族の形態も変わり、経済的な状況も変わっています。
人としての原点に立てばわかることなのに、なぜかその原点に立ったつもりの人は、「男はこうあるべき、女はこうあるべき」という、原点から一歩ずれたところからしかものを見ようとしません。
いや、そもそもそれが原点だと思い込んでいるんですね。
じゃあ、原点はどこかというと、
「人が人として在る」
だと思うんです。
「人はこうあるべき」というと、もうどこかの方向に点はずれている。
それぞれがまず「人が人として在る」という点に立ったうえで、それぞれの人の生きやすさ、希望、使命感など、様々な思いを使って自由に生きられる社会を語れたらいいなと思うわけです。
そうすることではじめて、「わたしはこう在りたい」という希望につながり、それが実現されていく社会ができるのではないでしょうか。
現代の日本はどういうわけか、なんでも「自己責任」というものに話を持っていかれてしまう気がしています。
努力はもちろん大切なのですが、たまたま生まれた親や家、性別は、その人の責任でも何でもありません。
「自己責任」とか、「男はこうあるべき、女はこうあるべき」とか、そんな言葉は、「偶然そう生まれた」ことまでをその人の「在り方」に結びつけて、がんじがらめに縛るためのものでしかないと思います。
そんな、「たまたまどう生まれたか」というデコボコは、政治の力で平らにならすことができるはずです。
完全ではないにしろ、向こう側が何も見えなくて前にも横にも後ろにも進めないなどというような状態はなくせるはずです。
これからは、それぞれの人が、人として在るところから自分の道に出発できる社会を目指したいと思うのです。
少なくとも自分の力で変えることのできないものが足を引っ張るような社会は、もうそろそろ卒業したいものです。
この日の満月の図は、とても窮屈で居心地のよくない感じがしたのですが、ここまで書いてみてようやく、これから前に進むための、「今」の状況として、落ち着いて受け入れる気持ちになってきました。
太陽は白羊宮に入りたて。力を発揮したくてうずうずしています。
「人が人として在る」
この満月はその原点に立ってご自身の在り方を見つめてみられてはいかがでしょう。
満月は天秤宮にあるので、人間関係、特にあなたがいま向かい合っている人との関係を照らし出す力があることは言うまでもありません。
ご自身の心の底からあふれるエネルギーを豊かに発揮し、共に歩む人々と、手を携えてゆきましょう。
良い満月をお迎えください。