前世のこと

前世とか運命とかいろいろ書いているけれど、基本的には、わたくしは前世とかいうものはあまりアテにはしていない。

前世というものがあると思ってはいる。
この「思う」というのは「信じる」とはまた違うものだ。

「信じる」というのは、それが事実または真実であるかどうかの確認が取れていない状態で、そのことを「ある」と思うことである。

わたくしがなぜここで「思う」という言葉を使うかというと、かなり確信に近い状態で前世というものを身近に感じているからである。つまり、「信じる」よりも、より「知っている」に近い感じだからである。

最近になって、いろいろと思い出すことがある。

前世のことである。


実は正直な話、前世とか輪廻とかいうこと自体、あまり興味がなかった。

それは本当のことだと思ってはいるものの、自分が今生きているのはこの人生であり、前世がどうだったからといって、そんなのはあくまで自分の知らない過去のことだからだ。

必要なことなら、この魂に刻まれている。

わざわざ知りに行く必要などない。

そう考えていた。

その考えが変わったのは、昨年のことである。

アカシックレコード」というものについて知ったとき、興味本位で自分の過去世を見てみようと思ったのだ。

しかし、これがなかなかうまくいかない。

うまくいかないが、どうも戦時下に生きていたような気がする。
森の中を、戦って走っていたような気がする。

男だったような気がする。

しかし、どうもそれは、わたくしの長い長い魂の歴史の代表的な状況だったようだ。

ある方と「前世」ということを話しているとき、「火事で家と家族を失ったようだ」とその方に教えていただいた。

それから、だんだん思い出してきた。

また、簡単なヒプノセラピーの講座を受けるチャンスにも恵まれた。

そんな中で、自分の前世に触れるまた別の事柄を知った。

これまで、過去世での体験を今の自分の人生に生かそうと思ったことはない。
生かされるものならすでにこの魂に刻まれているはずだからだ。

今でもその思いは変わらない。

ただ、今は自分が今の人生をよりよく生きるために、前世で自分がどのように生きたのかを知りたいと思う。

「前世のわたくしはこうだったから」と、何かの言い訳に使う気は毛頭ない。
わたくしがやりたいのは、自分の意識の上に過去の記憶を呼び戻し、それを乗り越えてきた強さを思い出すことである。

来世、わたくしはまた女に生まれる予定である。
しかしそれまでに、片付けなければならない問題が山積みだ。

そのための力がほしい。

そのために、自分が乗り越えた苦しい生涯を、もう一度おさらいしようと思うのだ。