2018年8月満月

8月26日20時57分、双魚宮3度12分の満月です。
処女宮に太陽があり、月が双魚宮です。
太陽は、磨羯宮の土星と、金牛宮天王星とでグランドトラインを作っています。土星天王星は逆行中です。
グランドトラインはとても安定した形です。
三角形は四角形より安定しているのです。
この形のある時に始めたことは長続きします。
安定した状態が続くのですから、よいことかもしれません。
しかし逆に言えば、三すくみのような状態にもなります。
物事を大きく動かすのは、三角形ではなく四角形の仕事です。
そして、この満月の時、正三角形の一角の太陽の真向いにいる満月それ自体が、太陽・土星天王星の作る安定を貫くように、カイトという四角形を作っています。
そんなわけで、この日の満月は、まさしく新しいことを始めたり、古いかたまったものを壊したりするのに適した時と言えるのです。
特に、この三角形の位置からすると、ご自分の得意分野でうまくいっている方々に変化が起きそうですね。
うまくいっているのはいいのですが、閉じてしまって拡がりがないというような閉塞感を感じていらしたら、むしろ一気に外に向けて発信することで、よい広がりが出るかもしれません。
もちろん、今のところは静かに安定の道を行きたいし、広がりはなくてもいいという方もいらっしゃるでしょう。
それでも、なんらかのコミュニティやボランティア活動などに参加したりすることで、気持ちや意識に変化が起こることもあります。
逆に、そのような意識が自然に起こった結果、外に向かって動き始めるということになる場合もあるでしょう。
静かに安定した日々の中にも、きっぱりとした方向が出てくるのではないかと思います。
このグランドトラインは地のサインで起こります。
とても完成度の高いシステムがきちんと動作している感じです。
これは、太陽が処女宮へ移動した23日からその雰囲気が出ている感じがします。
そして、26日には月が太陽の真向いに移動してきたとき、つまり新月の時には、そのきちんと動作しているシステムにある「方向性」が示されるのではないかと思うのです。
これも、ジャストではなくとも、月が双魚宮に入った14時30分ごろからその雰囲気になってくるのではないでしょうか。
一方で、天蝎宮木星と、双魚宮海王星のトラインが、大きくゆったりとした空気を作っています。
木星海王星も、拡張の作用を持った星です。
したがって、どこか緊張感を欠くようなところがあるかもしれません。
しかし、それを引き締める存在もあります。
それが獅子宮の水星です。
この水星は、木星とスクエア、海王星とインコンジャクトです。
先日順行に戻り、ようやく元々の速度が出てきました。
一歩立ち止まって、張り巡らした「知」のアンテナを存分に使ってください。
知のアンテナを使うといっても、考え込むのではありません。
海王星が12室にいますので、考え込むと底なしになりそうです。
この海王星は磨羯宮の火星とセミスクエアです。
ちょっとしたことからコンプレックスを刺激されたり、無闇に自分の限界を感じてしまったりというようなこともあるかもしれません。
心の深い問題から目をそらすことはできませんが、沈むと抜けられないので、しっかりと背筋を伸ばしていてくださいね。
この火星は海王星とのセミスクエアのほかには木星とのクインタイルがあります。
木星が7室なので、相棒からの手助けが期待できそうな気がします。
あるいはあなたの、生きていく目標そのものが、相棒を窮地から救うのかもしれません。
こちらは先のセミスクエアと比べてもかなりタイトです。
また先述したように、木星海王星とはトラインですから、心の痛みや深い深い思いを、パートナーと分かち合うにはとても適した時になります。
そこで、お互いの人生の目標を尊重しあうことができれば、どんなに深い問題に目を向けても、ぐずぐず沈み込むことにはならないでしょう。
もちろんそのような「言葉」を使うことも大切ですが、意識の持ち方のほうが大切です。
言葉に気をつけると、発する言葉全てに心配りが必要ですが、意識の持ち方を変えていくと、そこからすべてが変わります。
言葉も、動作も、全てが変わります。
すると、「意識の持ち方って、どう変えるの?」ということになりますよね。
簡単に言えば人様への敬意を失わないようにするということです。
この人はすごいから尊敬するとか、この人は変な考え方をしているから尊敬できないということではありません。
誰に対しても、敬意を持つのです。なかなか難しいですが。
それを考えるために、今日はまだ登場していない金星と冥王星を見てみましょう。
冥王星は火星と同じく磨羯宮で10室です。
この冥王星は月とセミスクエア、太陽とセスキコードレイトです。
そして、天秤宮の金星とはスクエアで、どれもとてもタイトです。
そして、この金星はホームである天秤宮にいて、とても豊かな力を発揮します。
月とはセスキコードレイト、太陽とはセミスクエアで、これらもとてもタイトな角度です。
緊張感もあり、自由に思いを発揮しづらいという感じがするかもしれません。
しかし、せっかく金星が自分のホームにいるのですから、その力を借りたいと思います。
金星は6室です。
ここは、病を癒したり、自他を大切にお世話したりという、奉仕の働きについて語るところです。
しかしこの奉仕は、現代では使い捨てにされることが多くあります。
使い捨てにするほうにとっては、これらは奉仕ではありません。
安い労働力であり、無料のアイテムです。
しかし、災害時のボランティアなど、その働きが限りない感謝と敬意をもって迎えられる時、それらは人々への奉仕として輝き始めます。
その力の大きさは、誰しもが認めることでしょう。
さて一方、東京オリンピックパラリンピックのボランティア募集の件がずいぶん取りざたされています。
世界中からたくさんのアスリートやお客様を迎えるにあたって、お手伝いしてくれる人を募集しますということですね。
これは、とても素敵なことだと思います。
世界中から多くの人が集まり、日本の素晴らしさを広く知ってもらうのに、本当に願ってもないチャンスです。
しかし、
しかし、
しかしですよ。
そこだけ切り取れば、確かに実に素晴らしいことです。
実際に、そのお手伝いをしようと様々な勉強をして、スキルを身につけ、楽しみにしていらっしゃる方も多いと思います。
ボランティアに行く側にとっては、この大きなイベントで人様のお役に立てる素晴らしいチャンスで、とても素敵なことなのです。
にもかかわらず、こんなに批判が集まるのはどうしてでしょう。
ツイッターなどで見ていると、(もちろんツイッターですから、わたくしのタイムラインにはわたくしの考えが反映されるので、本当の全体はみえません。)参加しようとしている人への批判はなく、主催者である都やIOCへの批判がとても大きいのです。
これはやはり、主催側の態度にボランティアの働きを「あてこむ」考えが透けて見えるからではないでしょうか。
主催者側は、参加してくれるボランティアの皆さんに、本当に感謝と敬意を持っているのでしょうか。
「無料で使える労働力」という考えは一切ないと、胸を張って言えるでしょうか。
いや、言えるのでしょうね。
心と言葉が一致していない政治家を、こうも毎日見せられていれば、その行いから推察するより仕方ありません。
行為は、必ず心を反映します。
どんなに慎重にふるまっても、言葉では嘘八百を並べても、小さなところで襤褸が出ます。
そして、必ず誰かがそれを見つけ、その心の在り方を見抜くのです。
お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、わたくし自身、政治的な話になるとどうしても怒りの気持ちを持ってしまい、敬意を失った話し方になってしまっています。
ですからここに書いていることはたいてい自戒です。
皆様に読んでいただきながら、へこたれているというわけです。
しかし、だからといってへこたれてばかりいてはいけないのです。
(わりと簡単に甦る)
わたくしたちは、賢くあらねばなりません。
それは、何もやたらめったら本を読むとか、情報通になるとかいうことではありません。
自分自身の本当の欲求に静かに耳を傾け、自分自身を磨くのです。そのうえで、自分に向かって流れてくる情報を静かに受け止め、磨きぬいた心がどのように反応するかを確かめるのです。
(前半で書いた「知のアンテナを張り巡らす」という行為がこれです。)
少なくとも、そうしていれば、人様に対して攻撃的になることなどないでしょう。
ましてや、自分の主張はそっちのけで人様のあげ足を取ることで勝った気になるなどという貧しい態度になることも防げます。
人様を攻撃的に批判するのではなく、互いの意見に敬意を持ち、よりよい未来を築こうという態度があれば、多くの難局は乗り切れます。
意見が通る通らないは、勝ち負けではありません。
実りある議論を経て最終的にできた方向性には、そこに加わったすべての人の思いが凝縮されるのです。
人生はテーマパークなのです。
勝ち負けは、その中で行われるスポーツのスコアだけで十分です。
どんなときにも、人様への敬意を失わず、真摯に向き合うことで、そのテーマパークを楽しみつくすことができるのではないかと思います。
考えがなかなかまとまらず、長くなってしまいました。
お付き合いくださった皆様、ありがとうございました。
どうか、素晴らしい満月をお迎えくださいませ。