2017年11月満月

11月4日14時24分、金牛宮11度59分の満月です。
月が金牛宮、太陽が天蝎宮。そこへ、海王星双魚宮にいて調停しています。太陽とトライン、月とセクスタイルです。
物質的なやり取りの中に、「どうしてもこれだけは大切にしたい」という感情的な豊かさが加わることになりそうです。
特に、大切なお道具を次世代の人に譲り渡し、自分がなし得なかった望みを後進にゆだねるとか、大切な財産をご先祖様のお世話とともに受け渡すとか、そんな感じです。
あくまでも比喩ではあるんですが、その通りのことが起こるかもしれません。
あなたが譲り渡す側か、受け取る側か、それがどちらかはわかりませんが。
また、太陽のすぐそばには木星がいて、この木星は磨羯宮の冥王星とクインタイル。冥王星は月とトラインです。
冥王星は太陽とはゆるいセクスタイルですので、この冥王星もまた、月と太陽を調停しているといえるでしょう。
現実的に何かの受け渡しを行うのであれば、それがお仕事や、ご自分で築かれた財産と深い関わりがあり、ご自分で培ったスキルや人間関係が、その役に立つということが言えそうです。
さて、太陽と月のオポジションのすぐ隣にもう一つのオポジションがあります。天秤宮の金星と、白羊宮の天王星です。そして、ここにも調停する星がいて、それは人馬宮土星です。
土星は、金星とセクスタイル天王星とトラインです。金星は7室と8室の間くらいに、天王星は1室と2室の間くらいにいます。そしてこの天王星は、天蝎宮の水星とインコンジャクトです。
わたくしたちはよく、自分のやりたいことと、周りの人のやりたいこととの間で悩むことがあるのですが、今回の満月では、お互いの求めることが対立する中で、どうやったら、両方ともかなえられるかを考えようとする動きになるのではないかと思います。
どうすれば相手が喜ぶか、自分の考えをどう変えたらお互いがともに好きなことを好きなようにやっていけるのかを考えるようになりそうです。
この満月は、単に自分が我慢するというのではなく、「我慢とは何か」「自由とは何か」を深く考えながら、共によりよい地点を目指して進もうとする出発点になりそうです。
また、その金星とセスキコードレイト、天王星セミスクエアの位置にあるのが前出の海王星です。この海王星は、アセンダント近くの12室で、こっそりとあなたの心を見張っているのです。
感情というのはとても大切なものだと思います。
その感情をきちんと見つめて、どうすればよりよく生きられるのかを考えることができれば、何も言うことはないと思います。
しかし、わたくしたちは、自分の感情を押し殺し、時には、自分でもその感情に気づかないふりをして生きていくことがあります。
今回の満月では、そういう隠した感情が、表に出ている考え方や行動に、大きな影響を与えそうな気がします。
そのお手伝いをしているのが海王星だと思います。
その感情というのは、毎日の生活の小さな心の動きではなく、そういう心の動きをすべて支配する、あなたの中の隠された大きな願いだと思います。
この海王星は先ほど書きましたように、満月とはセクスタイルですが、同時に、天秤宮の火星とゆるいインコンジャクトでもあります。
つまり、月も火星とはゆるいインコンジャクトで、ヨードになっています。
火星は7室です。出したくても出せない感情は、相手があってのこととも言えますが、逆に、そのことによってしか得られない心の成長がある場合もあります。
今まで歩いてきた道のりを振り返ると、そこでしか学べなかった何かがあるという場所や物事があるはずです。
ちょうど、天王星土星のトラインが、獅子宮ドラゴンヘッドを伴ってグランドトラインを作っています。
わたくしたちは、自分の好みに合った場所でじっと固まったままの状態を「安定」と言い、そうでない場所でかたまったままの状態は「窮屈」と言います。
たぶん、トラインは安定で、ヨードは窮屈だと思われますが、結局大切なのは、それを自分にどう生かしていくかだと思います。
たとえ身動きが取れなくても、取れない中でどのように動くか、安定した物事の中で、どれだけ成長を促すか。
自然や星の流れに逆らう必要はありません。
常に「その中」で、いかにその流れに沿って新しい自分を見つけ、より豊かな生き方を探すか、どんな星の並びの中でも問われているのはそのことだと思います。
今この時、何らかの窮屈な思いに縛られているという方がいらしたら、そんなことを思いの片隅に入れていただければと思います。