2016年5月新月

5月7日午前4時31分、金牛宮16度41分の新月です。
太陽、月、金星、水星の四つの星が一室の金牛宮に集中しています。そして処女宮には木星ドラゴンヘッド、磨羯宮には冥王星が在し、グランドトラインが形成されています。
昔からグランドトラインというのはとても良い星回りと言われてきました。このたびは、地のサインのグランドトラインです。
新月がここに絡んでいますから、この時始める事柄は、安定的で、長く続けられると考えられます。あなたが大好きなこと、これこそ自分自身のアイデンティティーだと思えること、ずっとその夢を追求できること、そういったことを、しゃんと地に足の着いた姿勢でスタートし、そして続けられる。そんな予感がします。
既に大型連休の動きの中で、何か見つけたという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、たぶんそれらは外からやってくるものではなく、すでにあなたの知っていたもの、あなたの内側にあったものがようやくあなたの目に留まったという感じでしょう。なぜなら、現在グランドトラインを作っている三つの頂点にはすべて逆行している惑星があります。このところの逆行祭りの中で、振り返ったり、再開したり、再チャレンジしたり、そんなことの中で見つかった、そう、それがあなたのこれから目指すところです。
長かったですね。とうとう探し当てました。
しかし、お楽しみはこれからですよ。
グランドトラインが絡むと、ことは長いです。しかも逆行祭り。スタートから紆余曲折で、すんなり前に進まないのではないかと思われます。それでも気長にいきましょう。もう、「見つけた」あなたは焦る必要などないのですから。
ところで、連休中はもちろん、この新月期間にも「何も見つからなかったよ」とおっしゃるあなた。
いや、新月はこれからですから、今見つかっていなくても、明日明後日と見つかる楽しみがありますけれど。
それでもやはり見つからないというあなたには、禅の言葉の「喫茶去」という言葉を贈ります。(先だって、京都国立博物館の「禅」という特別展で知ったネタをさっそくご紹介です。)
喫茶は、お茶をいただくこと。(「去」は、強調を表し、それ自体には意味はないということです)
お客様にお茶をお出しして、ゆっくりしていただいたり、ご自分でお茶を楽しんで、こころをなごませたり、お茶でリラックスすることによって、様々な良い知恵がわくこともありますし、力がわいてくることもあります。
どうかお茶でも入れて、ご自身をリラックスさせてみてくださいね。
ところで「喫茶去」という言葉には、もう一つの意味があります。
禅が起こったころにはカフェインなんて言葉はなかったと思いますが少なくともお茶を飲むことで目が覚め、意識がはっきりするというのは経験的に知られていました。何しろ、お茶はお薬だったのですから。
つまりもう一つの意味とは、「お茶でも飲んで目を覚ましてから出直しなさい」ということ。
つまり元の話に戻りますと、いつまでも見つからないと嘆くあなたには、まず「目を覚ましなさい」と申し上げましょう。
毎日毎日のどんなに小さなことも、あなたの人生の先生であり、幸せの種です。
それを見つけるご自身の力を育てるのが第一だと思われます。
あとは自然についてきます。
頑張る必要なんてありません。
一歩後ろに下がって、視野を広げてみましょう。
そして、あなた以外の人の立場に立って、その人自身の目になって物事を見てみましょう。
世界は一変します。

さて、星回りに戻ります。
前述のグランドトラインを形成しているうちの一つである木星が、双魚宮海王星オポジションをつくり、この二つの星とそれぞれスクエアの位置である人馬宮には土星と火星がいて、Tスクエアを形成しています。柔軟宮のTスクエアで、このところ、思いもよらない出来事や突然強いられる方向転換など、あわただしい動きに翻弄される向きがあることでしょう。
どんな物事にも終わりがあります。今翻弄されて大変な目に遭っているという方々は、今しばらくのご辛抱を。
とてもリラックスなどできない状況かもしれませんが、どうか小さな空間と時間を見つけて、心をほぐすようにしていただけたらなと思います。どうかどうか、ご自愛くださいませ。
さて、スクエアといえば、冥王星天王星はどうしたでしょう。この二つの星はだんだんに距離を置き、タイトなスクエアからは遠ざかりつつあります。ここ数年厳しい緊張状態に置かれた方は、これから少しずつその緊張がほぐれていくことでしょう。もうしばらくのご辛抱です。
この緊張の中でご自分の目標を見つけられた方、いまだ探しつつご自身を鍛えていらっしゃる方、この新月の時にこそ、何らかの芽を、その足元に発見されるでしょう。
どうか、息切れなきよう、少しずつ、少しずつ、辛抱を重ねながら前へお進みください。
走れば走るほど、休憩が必要になり、目標は遠のきます。
数歩歩いて深呼吸という程度のすすみぐあいでよいのです。
ゆるゆるお進みくださいませ。