2016年3月新月

3月9日午前10時56分、双魚宮18度56分の新月です。
今回は皆既日蝕を伴います。
日本からは、部分日蝕が観測されるそうで、天文ファンのみならず、楽しみにしていらっしゃる方も多いかと思います。わたくしも、しまい込んだ日蝕グラスを探さなくてはならないのですが、探している間に終わりそうです(爆)
いろんな解説が国立天文台のサイトに出ています。ご参考にどうぞ。
http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2016/03-topics02.html
さて、蝕を伴うというのはドラゴンヘッド、またはドラゴンテイルに近いところで満月または新月が起こるということです。満月の場合は月蝕が、新月の場合は日蝕が起こります。
今回はドラゴンテイルとほぼ重なった場所での新月で、皆既日食となるわけです。先ほどの国立天文台の説明によりますと、皆既食はインドネシアあたりで観測されるそうです。晴れるといいですね。
さてさて。
先ほど書きましたが、この新月双魚宮でドラゴンテイルとコンジャンクション
ということは処女宮のドラゴンテヘッドとオポジション。さらにこのところ逆行でドラゴンヘッドとランデブー中の木星ともオポジション、そこに、人馬宮土星がスクエアで絡んで、Tスクエアを形成しています。
天に新月、踏みしめた大地のずっと下のほうに木星、西の地平線のかなたに土星。というイメージですね。
ここらへんで、本当に一度、「抜けて」みましょうか。
何をやってもうまくいかないとか、どこに勤めても思う仕事ができないとか、誰と付き合っても実りがないとか。
そんなふうな人は、たぶんご自身で「運が悪い」と思ってらっしゃるかもしれません。
確かに、どこへ行っても無理難題を押し付けてくる上司がいるとか、せっかく合コンイベントに参加してもなかなか素敵なお相手に出会わないとか、そういうふうに嘆いていらっしゃる方は結構いらして、お話を伺うと実に「不運」でいらっしゃる。
しかし今回の新月は、そこから抜ける素晴らしいチャンスが巡ってくるのです。
といっても、別に突然素晴らしいプロジェクトのメンバーに抜擢されるわけでもなければ、角を曲がると素晴らしく素敵な人とぶつかって恋に落ちるわけでもありません。
あ、あるかもしれません。でも、残念ながら、抜けられない方は、新しく命じられた仕事はありきたりな営業であったり、角を曲がってぶつかった人は、ただの通行人だったりするのです。そのありきたりな営業でどんな評価が下されるのか、ただの通行人がどんなに素敵な人なのか、わからないままに日々の生活の一部として生活してしまうのです。つまり、「不運な」人は、どんなに素晴らしいチャンスが来ても、十分に生かせないということです。
しかしそれは、決して運が悪いからではありません。
「不運な」人は、チャンスというものが向こうから来るものであって、運がよければ素晴らしい「チャンス」に出会えるに違いないと思っているからです。
残念ながら、どんなに運のいい人が歩いていても、向こうからやってくるのはただの物事です。あるいはただの人です。それがいかに素晴らしい物事なのか、素晴らしい人なのかを発見するのは自分自身です。運のいい人というのは、そのただの物事や通行人の、素晴らしいところを発見することができるということなのです。つまり、チャンスというものは自分で作るものなのです。
どんなに素晴らしい物事が向こうからやってきても、その素晴らしさを発見できなければ、それはただの物事です。その素晴らしさを発見して、ただの物事を大きなチャンスにするのはあなた自身なのです。
実際、自分が「抜ける」「変わる」きっかけなんて、ものすごい小さなことです。
実はわたくし、若いころ、しょっちゅうめまいを起こしていまして、道でしゃがみこんだり、立ちくらみがしたり、寝ていても天井が揺れて見えるというようなことが続いておりました。病院に行くと、血圧が安定していないという診断を受けまして、自律神経のお薬やらビタミン剤やら、1日3回、毎食後1回につき5錠も6錠もお薬を飲むということになりました。
まぁ、早く治したいがために、若い身空でそのたくさんの薬をおとなしく飲んでいたわけなんですが、そんなある日、職場でお弁当の後、そのお薬を飲もうとして、ふと手のひらに乗ったたくさんのお薬を見たんです。そら見ますわなぁ、口に入れなあかんのですから。しかし、その瞬間思ったわけです。
「アタシ、これからずっとこのお薬飲まなあかんのやろか。このお薬がなかったら生きられへんのやろか。」
そして、その次に思ったのです。
「それはいやや」と。
思った次の瞬間、手のひらの上の薬を、ばらばらとごみ箱に捨てていました。
そしてその日、仕事が終わって家に帰ると、残ったお薬を、袋ごと捨てました。
そしてなんとその日から、めまいがなくなり、道でしゃがみこんだり、寝てるのに天井が揺れたりということがなくなりました。当然、病院には行かなくなりました。
それまでのめまいは何だったのかというくらい、すっきりしてしまったのです。
もちろんわたくしは、皆様にお薬を捨てなさいと言っているわけではありません。このエピソードは、苦しみから抜け出すきっかけなんて本当に小さいこと(手のひらのお薬を見て何か思ったということ)だと言いたいために書いただけです。
努々、お薬を捨てたら健康になるなどという解釈はなさらないでくださいませ。
さて、星の話に戻りましょう。
このように、小さな事柄、または事柄とも呼べないほど小さな心の動きや行動ですら、自分が変わるきっかけになるのです。
この時期は、そういうことに気づきやすい時であると言えます。
しかも、6日のお昼前頃に人馬宮入りした火星が、ここ2カ月ほどの天蝎宮生活で噴出した問題を置き去りにして、急に元気が加速する様相を呈しています。
もともと火星は天蝎宮の支配星ですから、天蝎宮では白羊宮にいるときと同様、火星の威力が十分に発揮されます。しかしそれは白羊宮にいる時とは違い、内へ内へ、より深い感情や情念の勢いを増す働きをすると言えます。今まで隠していた思いや見ることを避けていた心の動きがあらわになったり、目に見える形で噴出したりしてきたのではないかと思われます。
そんなわけで、今年に入ってから、今まで経験したことがないような厳しい事柄に出会った方もいらっしゃると思います。
それがこの新月前くらいから急に明るい兆しを見せ、もうこのままこの問題を忘れてしまえるのではないかという感じになってきたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは火星が人馬宮入りすることで、その元々の力が軽くなり、問題視していた事柄の影が薄まったように見えるためだと思われます。
なかには、「この問題片付いてないねんけど、この流れでいくとほったらかしになりそうで怖い」という方もいらっしゃるでしょうね。
しかし、そういう方はご安心を。この火星は4月の満月前には逆行に転じ、5月の末にはまた天蝎宮に舞い戻ります。置き去りにされた問題は、7月いっぱいかけてまた噴出してきますので、その時に片付けてくださいね。
うまく片付いてきているという方も、そんなわけで、同じころにぶり返すかもしれません。そんなときは、恐れず、慌てず、「あ、来たのね」ってなぐあいに受け止めていただくと、どんな物事もうまく乗り切れます。避けられるわけではありませんから、どうせあることとして楽観的に受け止めたほうが、うまくいきます。
だからといって、おふざけはよろしくないと思われます。
楽観的であるというのと、不真面目とは全く違うものです。
昨年から人馬宮入りしてこの火星を迎える土星が、楽観的にこつこつと前進する姿勢を応援しています。どんな事柄もまじめに、そして楽観的に受け止め、進めたいものです。
ところで、新月のある双魚宮には、海王星、水星も共にいて、あなたが出会うべき本当のあなたとのコンタクトを取るお手伝いをしています。また、宝瓶宮の金星はMCに近く、好きなことを極めるように、あなたの前に道を拓きます。もし、それがあなたの先生や大切な方から授けていただくお免状のようなものの形をとるなら、迷わずその道に進まれることでしょう。磨羯宮の冥王星が、そのお手伝いをします。
この冥王星は、新月木星ドラゴンヘッドオポジションを調停し、天王星とのスクエア、木星とのトライン、土星とのセミセクスタイル、火星とのセミスクエアなど、たくさんの星と協力して、皆さんが前に進むために、見えない世界の力を現実の力につなぐお仕事をしてくれます。もちろんそれは、あなたの目には見えないものです。これから先、あなたが素晴らしい成功を手にしたときに、「ああ、あの時こんな人が助けてくださった。」「あのときあのお店に行ってなかったら、いまのわたしはないかも」などと思ったら、星たちの力を感じて、お世話になった方々への感謝の気持ちに浸りましょう。
今、あなたはそのような成功のための鍵を手にしているのです。
しかしその鍵は、あなたが「開けたい」と思う扉に合うかどうかはわかりません。むしろ、「開けたい扉」ではなく「開く扉」を開けて、前に進むようにしてください。
どんなに開けたい扉であっても、合わない鍵をガチャガチャ鳴らして、「やっぱり私は運が悪いんだ」などと、自分を慰める暇があったら、片っ端から鍵の合う扉を探して回ったほうがましです。
むしろ、開かない扉はさっさとあきらめて、「なんでもいいや、とにかく開く扉をさがそう!」と決断したら、次に鍵をさした扉がすんなりと開くものです。
あなたがどうしても欲しいと思っても手に入らないものは、いっそあっさりあきらめましょう。手に入らないものを求めるから苦しいのです。
無闇な欲は捨てたほうが、簡単に苦しい状態から抜け出すことができるのです。
どうか立ち上がって、前に進んでください。あなたの鍵に合う扉を開けて、素晴らしい未来を手に入れてください。
この新月が、あなたの新しい出発の日になりますように。心から願ってやみません。