2015年6月満月

2015年6月3日午前1時20分人馬宮11度49分の満月です。
この満月の軸に、双魚宮海王星がスクエアを作っています。柔軟宮のTスクエアです。
Tスクエアやグランドクロスは、衝撃や圧力といった強い力を示しますが、起こっているのが柔軟宮なので、硬いものや重いものというイメージとは結び付きません。
何か芯のない、あたり処のない衝撃を思い浮かべます。
自分から動く活動宮や、何があっても動かない不動宮と違って、柔軟宮は、周囲の動きに従って動く感じです。
相手の動きに従って自分の動きを決定し、その中で自身の要求を通していくことになります。
活動宮や不動宮と違って、動きがストレートに要求につながるようには見えないのですが、必ず要求を通す方向に動きます。
そんなわけで、この満月の時期は、ストレートに自分の要求を通す方向に動くのをやめて、周囲の状況をゆるく受け入れる方向でいってみてはいかがでしょうか。
流れに逆らって舟をこぐ活動宮のスタイル、どんなに激しい流れにも流されずとどまる不動宮のスタイル、それらのように大きな力を振るわずに、ゆらゆらと流れに流されて目的地にたどり着く柔軟宮のスタイルを使うとよいということです。
こう書くと、とても楽なことを勧めているようですが、そうでもありません。
流されて目的地にたどり着くということは、自分の目的地がどこかということがはっきりわかっていなければなりませんし、そこに近づいたら岸のほうに体を寄せるように、流れてくる水の力を利用しなければなりません。
ただただ流されていては、目的地を見過ごし、結局どこへ行くのかわからない状態になります。また、目的地を見つけても、早目に察知してそちらへ舵を切らないと、みすみす逃してしまうことにもなりかねません。
舵を切るについても、急激に向きを変えて流れに逆らうような形になるより、流れの力を利用して動けるような形でないと、この時期は余分に力がかかってしまいそうです。そのためには、アンテナを張り巡らして、自分の外側のあらゆる力を利用して動くことが大切です。
しかし、「自力で前に進む」「誰の助けも借りない」ということをモットーにしている方の中には、周囲の力を借りたり、それに流されてうまく動いたりというと「ずるい」と考える方もいらっしゃるようです。
特に、前向きに一所懸命お仕事や家事や育児をこなしていらっしゃる方、成果を上げるための努力を惜しまない方、コネや根回しなどを頼りにせずに、自力で進もうとしている方は、そのように思われることが多いようです。
そのような立場にいらっしゃる方にこそ、今回の満月ではぜひ、周りの力にうまく流されてみる経験をお持ちになっていただきたいと思うのです。
人様の力に乗っかって、周囲の流れを読んで動くことは、ずるいことでも何でもありません。むしろ、他と協調し、よりよい仕事を目指していける素晴らしい方法です。この時期は、そのような力の使い方をするのにたいへん適した時期です。ぜひ、このチャンスにお試しください。
さて、この満月は、人馬宮の月と双児宮の太陽のオポジションからなっています。そしてこの太陽のそば、同じ双児宮には火星と水星がいます。近いところにいるのでこれらの星も、Tスクエアに参加することになります。とても威力のあるTスクエアだということがわかりますね。
さらに、火星は獅子宮木星セクスタイルで、この木星とともに磨羯宮の冥王星とインコンジャクトで、ヨードを形成します。太陽や水星もここに参加しているとみていいでしょう。太陽火星3室、木星5室、冥王星10室ですから、楽しみのレベルでの個人的な動きが、仕事や保護者からの圧がかかって動きづらくなるといった感じでしょうか。逆に、楽しいこと、面白いこと、人との交流をご自分のお仕事やキャリアアップにつなげる場合は、何らかの着地点が見えてくる可能性があります。いずれにせよ、むやみやたらな動きは遮られますので、話し合いと妥協を大切にし、緊張感を持って動くように心がけてみましょう。
また、水星は双児宮の支配星ですので、通信や連絡については本来事情がよくなるはずなのですが、この期間は逆行です。再度連絡を行うとか、再開、再会といった「再」のつく事柄が効力を発揮します。
何度も連絡してつながらなかった人には、この期間ならつながる可能性大かもしれません。勇気を出して、もう一度連絡してみましょう。
また、獅子宮木星巨蟹宮の金星が5室にいますので、恋愛に関しては、少しロマンチックな展開があるかもしれません。しかし、先ほど書きましたように、木星はヨードを作っていますし、その上白羊宮の天王星とトラインです。金星は満月の太陽とセミスクエア、月とセスキコードレイトという緊張感のある角度を持っています。
ゆるくまったりした関係は、転換期を迫られるかもしれませんが、より緊張感のある良い関係に発展する可能性を秘めています。
また、何かとぴったりいかないけれども離れられない不思議な二人は、何らかの答えが出るかもしれません。お互いにどういう方向に行こうとしているのか、よく観察してみてくださいね。
さて、現在人馬宮で逆行中の土星は、次の新月の前日に天蝎宮に移動します。
昨年の年末までにやり残したことがあれば、このあたりからその宿題を片付けることができそうです。
土星が次に人馬宮に戻るのは今年の9月中旬。昨年までにしておきたかったこと、解決しかかっていたのに棚上げになっている問題があれば、この夏が勝負です。次の新月(6月16日)あたりからそろそろ初めてみられてはいかがでしょうか。
慌てる必要はありませんが、この2週間ほどのあいだに、いろいろ思い出しておくといいかもしれません。これもまた周りの力を借りながら、ゆるゆるいきましょう。
どうかよい満月をお迎えくださいませ。