2015年5月満月

5月4日12時43分、天蝎宮13度23分の満月です。
この満月は天蝎宮の月と金牛宮の太陽のオポジションです。そしてそこにこれらの星とスクエアの位置関係になる獅子宮木星が絡んでTスクエアができています。このTスクエアは不動宮によって構成されています。
近頃ずっと話題になっている活動宮のスクエアのように、がんがん動く形で衝突するスクエアではなく、突然ぶち当たる壁のようなスクエアです。
動かそうとしてもなかなか動かない困難が、わたくしたちを待っています。
とはいえ、関係している星が太陽と月と木星ですから、あなたが長くかかわってきたもので、時々頭をもたげるものという種類の困難だと思ってください。
また、一方では冥王星が太陽と月を調停する形になっていますから、そうそう目に見える簡単な形の解決策はない代わりに、必ずや強い力でもって出口を見いだせるものとなっているはずです。
この満月は天蝎宮にあり、東の地平線は獅子宮の終わりのほうにあり、1室の大部分は処女宮です。獅子宮の支配星は太陽で金牛宮にあり9室ですし、処女宮の支配星は水星で双児宮にあり10室にいます。水星は双児宮の支配星でもありますから、強い力を発揮しそうですね。
そんなわけで、動かしがたい人や物事も、一歩中に入ると意外に柔らかく、手のつけようもないと思っていることも、実際に着手してみると非常に理路整然としているかもしれません。そしてさらにその理論の中身がどうかは、そこからさらに奥に進まなければわからないかもしれません。しかしこの星回りなら、それはきっとあなたの向かうべき道、夢や目標につながっているのではないかとわたくしは思います。
そうすると問題は、この動かしがたい人や物事の中身にどうやって触れるのかということになります。
ヒントは、水星と同じ双児宮で10室の金星、太陽と同じ金牛宮で9室の火星にあると思われます。
金星は愛とお金の星、様々な喜びごとや好きなものを表します。火星は意欲と情熱の星です。
9室は学問の部屋、10室は職業の部屋。
もちろんそんなに簡単な言葉ばかりで表せるわけではありませんが、学問の部屋に意欲と情熱の火星が、職業の部屋に愛とお金の星が入っていると考えるだけで、少しうれしくなりませんか?
好きなことをしていていいのです。
あなたが意欲を燃やせるものについて学び、大好きなことでお金を稼ぐことができると考えてください。
だいたいわたくしたちは、「自分のため」に物事をすることについては罪悪感を持ちがちです。
対して、「人のため」に物事をすることはとても大切だと教えられてきたということもあるでしょうけれど、割合積極的に動けます。
(これらのことに関しては最近ずっと書いていますので、初めてお読みの方は前回前々回の新月満月の項をお読みいただけたらありがたく存じます。)
しかしすでにおわかりの方は、人のために何かするというより、本当にご自分にとって大切なことを行おうと考えていらっしゃるはずです。そういう人にこそ、今回の満月と木星のTスクエアの壁は大きく強く感じられるでしょう。なぜならこの壁は、あなた自身によって作られた、あなたの可能性の限界だからです。
この時、拡大の星木星獅子宮で12室にいて、あなたが隠している苦手意識を刺激します。同時に5室で磨羯宮にある冥王星とインコンジャクトを作り、その苦手意識を引きずったまま自分が楽しいと思う方向への動きを制限しようと試みます。がちっとホールドされるわけではなく、楽しいことをしていると微妙に居心地が悪いというような感じでしょうか。
けれどこの冥王星は太陽と月を調停しているわけで、その微妙な居心地の悪さをよくよく見つめると、実に自分自身の在りたかった姿(太陽)と、自分の感情の豊かさ(月)に気づくことができるのです。
どうか、好きなことをしているときに何か居心地の悪さや微細な罪悪感を見つけたら、まずはご自身の感覚をよく見つめてみてください。
一見単純なように見えても、掘り下げれば複雑な仕組みが見えてくるかもしれません。
そしてその作業が割合面白いということになるかもしれません。
なんでも楽しんだほうがやりやすいですよね。積極的に進めてみましょう。
ところで、先ほど出てきました水星とちょうど真向いの4室、人馬宮には土星がいます。この土星は8室で白羊宮の天王星とセスキコードレイト。
周辺で相続問題に関する話題が多いのはこの辺も関係があるのかしらと思うのですが、現実的にそのような問題にぶつかっている人はどうか短気を起こさないように。ここはしっかりと家族できちんと向き合うことが大切です。
もしそういう問題が現在出ていないという方は、これを機会に長期的な貯蓄や不動産の計画を見直してみるのもいいかもしれません。いずれにしても短気は禁物。ここはよく考えて動きましょう。
パートナーとの関係もしかりです。
好きな仕事をしたい、心の赴くままに勉強や調べ物をしたい、そんなふうに思っても、プライベートや仕事のパートナーがいる場合、簡単にそちらに舵を切れないことがあります。ここでもどうか短気を起こさず、どちらにもちょうど良い着地点を探してください。
お互いに譲らず、窮屈な思いになったとしても、必ずちょうど良い場所が見つかります。
あなたにも好きなことや大切なことがあるように、お相手にもまた、大切なことがあります。ともにそれを大切にできるよう、その着地点を探してみてください。
この満月には、あなたが自分で自分にかけている制限を洗い出し、共に暮らす人、仕事する人、助け合う人の制限をもまた洗い出すことになるでしょう。
それがこの先のよりよい暮らしにつながりますように、お祈り申し上げます。
どうか、よい満月をお迎えください。