2015年1月満月

皆様、明けましておめでとうございます。
いつも「月よ月よのお話」をお読みいただきありがとうございます。
本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。
では、今年初の「月よ月よのお話」です。
2015年1月5日13時54分、巨蟹宮14度31分の満月です。
月は巨蟹宮、太陽は磨羯宮。そしてその太陽と重なるような位置に冥王星
そのオポジションのラインを真っ二つに区切って白羊宮の天王星天秤宮ドラゴンヘッドと、こちらもオポジション。どの星も各サインの12から14度付近にあり、比較的タイトなグランドクロスを形成します。
ガツンとした満月になりそうですね。
いや、もうここへ来るまでにだいぶガツンガツンとやられてるよという方もいらっしゃるでしょうね。
どうもお疲れ様です。
そのガツンガツンはここでひとつの終息を迎えるかもしれません。
特に長期で抱えてきたものについては、一気に抜けそうな気がします。そのために何かを失ったり、誰かにご自分の大切なものを譲り渡すことになったりするかもしれません。
または人間関係の位置づけのシフトが起こるかもしれません。
いずれにせよ、これまで一所懸命温存してきたものをいとも簡単に捨て去り、新しいものに手を伸ばすでしょう。
せっかくここまで持ってきたものを捨て去るのはもったいないと思われるかもしれませんが、たぶんこの満月の時期には、子どもがおもちゃに飽きるように、あっさり手放せると思います。ここで捨てるものへのもとの執着が大きければ大きいほど、その「抜け感」は大きいと思います。
ですから、不安も恐れも必要ありません。安心して捨て去りましょう。
これと別口で、宝瓶宮の火星と獅子宮木星オポジション。この木星と太陽・冥王星がバイクインタイル、したがって木星と月はセミクインタイルですね。
自己の変革を感じながら、同時に公私にわたってめまぐるしい活躍を要求されるという厳しい状況になりそうです。
つまりこれは、あなたの家庭での在り方、社会とのかかわりなど、人としてある基本の場所における大きな働きを要求されていると思ってください。それは、生活基盤を強化しながら、社会へ向かっていく意欲を増すというような動きになりそうです。しかも、自分自身の変革を進めれば進めるほど、その勢いは増すと思われます。
進むしかありません。
ここで立ち止まっても、結局何かで変革せざるを得ないのです。どうせやるなら大きく出ましょう。
ぐずぐずしていて、いい変化を逃したくはありませんからね。
さて満月は、このグランドクロスセミクインタイルのほかに、人馬宮土星とセスキコードレイトを持っています。したがって土星と、太陽・冥王星、またドラゴンヘッドセミスクエアになります。さらに、宝瓶宮で重なるように隣り合った水星・金星が、この土星セクスタイルをつくります。
この時期、物事を動かすためにはコミュニケーション力が必須となります。しかもそれは近しいおしゃべりというよりも、未知の世界の人々に、自分の心のありようをしっかりと伝えるという感じでしょうか。
金星・水星が宝瓶宮にいて、白羊宮の天王星とクインタイルですから、インターネットなどを介して発信する形をとると似つかわしいかもしれません。さらに土星の力を借りたいと思うなら、しっかりと考え、丁寧に発信していくといいと思います。
もちろん、どんな時でもそういう姿勢は必要です。この機会に、そういった力を培ってみるということも、挑戦しがいのあるテーマです。
土星は昨年の暮れに人馬宮に移動して、いよいよこれから『いて座土星』の約三年間が始まります。この土星人馬宮を出て磨羯宮に入るのは、2017年12月20日
この間、サインとしての人馬宮の持つテーマが土星による厳しい教育を受けることになります。
先ほど、「しっかりと考え、丁寧に発信していく」と書きました。
人馬宮のテーマは「自由」です。
新しい世界へ向けてロケットが発射されるように飛んでいくのです。
それはより高く、より遠くへ向かう力で、行きつく先は、これまで行ったこともない場所だと言えます。
それは、身体を運べる場所では外国であり、体の枠を超える場所では深遠な思想、高い宗教性ということになります。
これらの事柄がこれからの三年間、土星の教育を受けることになります。
その様子はどんなかというと、これは例えですが、行きたいところへどこへでも行っていた人が急にフットワークが重くなるという感じを想像していただくといいでしょう。
これまで他の事情や状況をふり捨ててでもできていたことが急にやりにくくなるのです。
それは一人一人の状況によるとは思いますが、家族の問題であったり、仕事の問題であったり、他の人では代われないような自分の責任が増加していくことで、自由な外への動きが制限される形になるのです。
こういった状況に陥るとわたくしたちは「ついてない」「不運だ」などの言葉ですべてを総括しがちになります。
実際、「不運な時はじっとして動かないこと」という考え方もあり、それはそれで一つの対処だと思いますが、西洋占星術ではそういう考え方にはなりません。
殊に、土星が入ってきたときの対処は、「そのことについて何かの学びを得る」というのが一番手っ取り早くて運気を上げていく方法になるのです。家族のために責任を負って自分の自由がないと感じるのであれば、その責任に黙々と従うのではなく、その状況下でいかにして心の自由を得るかとか、いかにして責任の中に新しい希望を見出すかとか、そういう「学び」を自分の中から拾い上げていくことが大切になるわけです。
これは自分の力で行わなければなりません。よく、勉強中の子どもが親に向かって、「ねぇ、何か問題出して」とか言いますが、ここで土星の教育を受けるわたくしたちは、そんな態度ではなにも学べません。何もないと思える日常、単なる日々の連続からでも学びを得る姿勢が運気をあげます。
あ、もちろん、運気が上がったからと言って、たちどころに足かせが取れて自由になるというのではありません。むしろその逆で、運気が上がれば上がるほど、学びは増えます。なぜなら、運気が上がるということは土星の力にかなうということだからです。
そしてどんどんグレードが上がり、厳しい状態を克服できる力がついた頃、土星の教育は次のテーマにうつります。それが2017年の暮れです。
昨年までの「さそり座土星」の時に、わたくしたちは土星の教育により、一つの「生まれ変わり」を体験しました。この生まれ変わりには大きな足枷がかかっていたと思います。
しかし、その足枷の中でも、日々の生活の表面に出てこないご自分の最も深いところから生まれる欲求を探し当て、ご自分の本来の在り方をもう一度見直したという方もいらっしゃると思います。さらにその中で、ご自分の役割を他の方に譲り渡し、新しい自由を得るべくこの新年を迎えたという方もいらっしゃると思います。
そのような形で得ていく自由には、必ず大きな足枷がかかり、そのおかげでより強く大きな自由を得る力が得られるのです。
三年後のあなたの姿は、今よりももっとグレードアップした基盤を持ち、しっかりとした基地からより大きなロケットを飛ばせるようになっていると思います。
というわけで、この一年はこれまでと勝手が違うことになると思います。
ですからこの満月の時間を利用して、新しいテーマに慣れるためにも、いらないものを捨て去る気持ちをもってみてもいいかもしれません。
さて最後に海王星のことを少し。双魚宮にある海王星は、件の土星と、少しゆるいスクエアを作っています。この海王星は、水星・金星とセミクインタイルです。水星・金星と天王星がクインタイルなので、海王星天王星もまたセミクインタイルになりますね。
この時期の変革には、多少「夢から覚める」という感じが伴うかもしれません。
夢幻と、希望や野望は違います。
希望や野望は夢幻と違って、実現のための材料を必要とします。
しかし、希望や野望の前に夢がなければ、何も始まりません。
たとえそれが雲をつかむような夢幻であっても、一つ一つの材料を集め、そこへ至る道を探せば、その夢はやがて現実のものとなります。
今回の「夢から覚める」は、そういった感じです。
思い描いていた雲をつかむような話が、いよいよはっきりとしてきて、実現可能になった時、「これは夢ではない」と気づくあの感じです。
もちろん、これは本当に必要なことについてです。
ここで夢破れる感じがしたのなら、その夢は夢で終わらせるいいチャンスということになります。
どうか見誤らず、しっかりと判断してください。
一年の初めでもあり、今年の抱負を語る時期でもあるでしょう。
より大きな目標を、遠いところから実現可能な範囲に取り込んでいかれますように。
そしてご自分自身の手で、大きな幸運をつかまれますようにお祈り申し上げます。