2014年11月新月

11月22日21時33分、人馬宮0度07分の新月です。
太陽はこの日の18時40分ごろ、月は太陽と重なる直前の21時20分ごろに人馬宮に入っています。
イングレスしたてほやほやの新月です。
始まり感も大きいでしょう。
さらにこの人馬宮の支配星が木星で、それがこのチャートの第1室にあります。このことから、今回の新月木星の力をたいへん多く受けることになるでしょう。
木星は昔から吉星とされています。
保護と拡大の星、ジュピターです。
新月自体は4室の最後のほうにあり、家庭や母親との関係にスポットが当たるわけですが、5室のすぐ手前にあるということから考えても、家の窓から外の楽しい風景を眺めているような、母に甘える生活を卒業して、新しいパートナーを見つけて前に進もうとしているとか、自分自身が母になるとか、そういう内から外へ出ていこうとしている、そんな感じがします。
同じ人馬宮にある金星は5室にいて、新しい遊びやロマンスの匂いを漂わせています。
しかし、同じ4室にある水星と土星はそろって天蝎宮にいて、イングレスの直前です。まだまだ、家の中で、あるいは保護された中で積まなければならない経験や修行があるのでしょうか。それは、目には見えないけれどあなたはご自分の身をもってご存じのはず。あと少しだけ残った宿題を片付けながら、うまく前に進んでいきましょう。この宿題が片付かなければ、ギヤをあげることはできません。
なぜならこの宿題は、一見すると前の段階での宿題のように見えるのですが、ここでしっかりと片付けることによって、次の段階の起爆剤となるからです。おろそかにならないよう、今一度ご確認ください。
さてまた、今回鍵になる木星は、獅子宮にいて、天蝎宮の水星とタイトなスクエアを作っています。この水星は磨羯宮の火星と、これもまたタイトなセクスタイルを作っています。火星はもちろん木星とインコンジャクトになります。セクスタイルはイージーアスペクトと言われますが、わたくしは、物事を動かすのに適した角度とは思っていません。むしろ、動かせるのに動かさない感じ。動かせないのではなく動かさない感じです。対してスクエアはハードアスペクトと言われますが、これは新しく物事を始めるために必須の起爆力を作り出します。またインコンジャクトは、熟練のパフォーマーの披露する綱渡りのようなもので、きちんと行う限り失敗のない角度だと思っています。しかしそこに伴う緊張は、相当ハードなものです。
ですからこの新月、あなたは新しいことを始めるに際して、ブレーキを踏みながらアクセルも踏み、そのうえハンドル操作をきわめて繊細に行うことで、うまく前に進むということができるという暗示がここから読み取れるのです。
さて、さらにこの火星は、8室双魚宮海王星セミスクエアです。この海王星天秤宮ドラゴンヘッドとセスキコードレイトで、金星とスクエア。
ロマンチックな人間関係のカギは、天界の約束にありそうです。
海王星もまた拡大の星。木星が地面を開墾して広げるようなイメージなのに対し、海王星は霧がもわもわと広がるようなイメージ。
手で触ることのできない世界の力が、あなたを助けてくれるでしょう。
しかし、都合のよい答えばかりを期待してもうまくはいきません。
神様もご先祖様も、いい選択肢をたくさん用意してくれていますが、あなた自身が、日ごろの行動に見合った選択しかできないようになっています。
たくさん用意された贈り物を、みんなみんな受け取るには、それだけの日々のすごしかたがあるのですね。
さて、新月の起こる4室には、天蝎宮がすっぽりとはまり込んでいます。この天蝎宮の支配星は冥王星。火星と同じ磨羯宮にいて、このところずっと白羊宮の天王星とスクエアですね。また、磨羯宮の支配星は土星ですので、またお話が天蝎宮に戻ってきました。土星天王星とセスキコードレイトです。つまり、冥王星とスクエア。土星はここしばらく天蝎宮にいましたから、そもそも冥王星とはホームを入れ替えっこしているミューチャルレセプションになっているわけで、これが冥王星天王星のスクエアの時期に重ってきたため、ここ2年ほどはよりタフな生活を強いられてきている人も少なくないと思われます。しかし来月、クリスマスごろにはこの土星人馬宮に移動しますので、頑張ってきた方には、ようやく一息つけるという状況になることもお伝えしておきましょう。
明けない夜はありません。
今の厳しい状態をより深く、より丁寧に味わっておきましょう。
そうしたら何かいいことがあるかというと、そういうことではありません。
ただ、わたくしたちはこの世に生まれているのですから、ここで経験する様々なことを味わうことそのものが大切なことなのです。
喜びや楽しさはもちろんですが、悲しみも苦しみも、わたくしたちは生きているからこそ味わうことができるのです。
で、味わったらよくなるとか悪くなるとかいうことではありません。ただ、味わうだけです。
そうすれば、人生がより深く楽しめるのだと思うのです。
悲しみをうんと味わうことと人生をより楽しむことが同じなんて、ちょっと考えにくいかもしれませんが、でも、本当はそういうことなのです。
それがわかるようになれば、生きることそのものが、もっといとおしいものになると思います。
この新月をきっかけに、そんなとっかかりを見つけていただけたらいいなと思っています。
どうか、よい新月を。