2014年10月新月

10月24日午前6時58分天蝎宮0度25分の新月です。
それにしてもずいぶん派手な新月になりそうですね。太陽は前日の夜に、月は太陽と重なる直前の6時過ぎに天蝎宮入りしています。天蝎宮に入るや否やの新月です。さらに今回は金星が新月の1時間ほど前に天蝎宮に入り、太陽、月、金星が同じ位置に重なっています。そしてそのすぐ近く、天秤宮19度にドラゴンヘッド、17度に水星がいます。
そしてこれらの感受点は東の地平線のすぐ上、ハウスでいえば12室にいます。人には見せたくない、秘密の何かがこの新月のテーマになるでしょう。
秘密と言ってもいろいろあるわけですが、意図的に隠しているものもあれば、何らかの加減で隠れて見えないものもあります。上ったばかりの太陽に照らされて、そういったことどもが、慌てて隠れていこうとしているような感じがします。
でも、ちょっと遅いですね。
しっぽをつかまれそうです。
あるいは尻尾を捕まえることができるかもしれません。
何かの秘密を知りたいと思っていらっしゃる方は、このチャンスに動くことで、何らかの情報が得られるかもしれませんが、秘密を知るということは、必ずしもうれしい結果に結びつくとは限らないということも知っておきましょう。
逆に、知らず知らずのうちにあなたの秘密があらわになるかもしれません。
へそくりが見つかったり、役立ったり、陰練(かげれん)の成果があらわれたりってとこでしょうか。
「陰練」って、言いますよね?
一人でこっそり練習すること。
大っぴらに「毎日素振りとランニングをしている」とか言わないで、人に知らせず何もしてないふりをして練習することです。
そう、この期間は、黙って努力を続けてきた人の、その成果があらわれるときなのです。
特に今回キーワードになる「秘密」は、言い換えればこの「陰練」かもしれません。
もちろん、秘密になんてしてなくて、ごく普通にしてきた目立たない努力が実を結ぶって場合もあります。
でもたぶん、この時期に頭角を現すのは、見えないところで頑張ってきた人たちや、まさかこれが役立つとは思わなかったというようなものを大切にしてきた人たちなのではないでしょうか。
新月と同じ天蝎宮には土星がいます。これはハウスでいえば1室になります。これもまた、今回の新月のテーマになります。前述の「努力」という言葉はここからきています。この土星が天頂近くにいる木星とスクエア、水星、火星とそれぞれセミクインタイルで、地道に続けていることが言葉や行動にあらわれてくるときかもしれません。この言葉と行動をきちんと連動させることで、より成果が出やすくなると思われます。
具体的な何についてかということではなく、これを機会に言行一致ということを意識してみることで、これから先、生きやすくなるのではないかと思います。
ちょうど双魚宮海王星が4室にいて、ドラゴンヘッドとセスキコードレイト、新月とゆるいトラインです。何かと遠い世界からの呼び出しにこだわりそうな時ですが、わたくしたちが生きているのは現実の世界です。ご自分の足がちゃんと地についているか、足元を確かめて、堅実な動きを心掛けてください。
とはいえ、新月ですから、新しいことを何もするなというわけにはいきませんね。ちょうど水星も逆行していますから、今までチャレンジしてできなかったことや、考えてはいたけれどなかなか実行に移せなかったことなどに、思い切ってチャレンジしてはいかがでしょうか。「再チャレンジ」という考えでいくと、この時期は実現しやすくなりますよ。
特に何かの楽しみごと、恋愛などについては、白羊宮の天王星が5室の端っこのほうから応援してくれています。
この天王星は、磨羯宮の冥王星とはスクエア、ドラゴンヘッド・水星とはオポジションでTスクエア、木星とトライン、木星はさらにドラゴンヘッド・水星とセクスタイルですので、木星天王星ドラゴンヘッド・水星を調停していることになります。
ちょっと驚くようなことになるかもしれませんが、きっと物事を刷新するのによいチャンスになると思います。

ところで、今回のチャートを見ていると、地に足着いた日々の生活と、肉体から離れた見えない世界、つまり一般的には現実的でないと思われている世界との関係が気になります。
こういった哲学や宗教に関する事柄は、9室の状態で見るのですが、今回の新月では9室には惑星は入っていなくて、カスプが巨蟹宮です。巨蟹宮の主星は月。天蝎宮で12室にいます。
また、本来9室は人馬宮の性質を持っているものです。そう思って人馬宮の様子を見ると、2室のカスプがあり、火星が滞在しています。そして主星である木星獅子宮、10室で天頂近くにいます。
これらの状況を見て感じたことを、少し書いてみたいと思います。
わたくしたちは常にどこか、精神世界というものを身近に感じ、それを慕うのだと思うのですが、この新月の時、その影響は見えないところに隠されて、にもかかわらず強い力でわたくしたちを捕まえるのではないかと思うのです。その力はきっといつもより強く、何らかの形でわたくしたちが物質世界だけではない「もう一つの世界」の住人でもあるということを実感させられることがあるかもしれないと思っています。
しかし、そうは言うものの、実際にわたくしたちが生きているのは現実にある物質世界です。人との関係も、自分自身の在り方も、「ここ」で成り立っています。「ここ」を離れて物事を考えていたのでは、わたくしたちは「ここ」で生きていくことはできません。そして、「ここ」もまた、精神世界からすれば一つの在り方です。今、わたくしたちが肉体をもってこの物質社会で生きているということは、「ここ」でしかできないことをするためです。
それは何なのかということになりますよね。
「使命」とか「天命」とか、大仰なことをいう人もいますが、そんなことではありません。
そんなことではなく、大切な根柢の事柄は「生きる」ということです。
わたくしたちは、死ぬまで生きます。
それが、この物質社会でしかできない唯一のことです。
これをおろそかにしては、「ここ」にいる意味がぐらついてしまいます。夢や目標はすべてその上に立脚することです。
これを、当たり前のことだと言い捨てることもできます。
が、しかし、その意識の薄い人が増えているということもまた一つの現実です。
では、精神世界のことを意識する必要はないのか、と問われそうですが、そういうわけではありません。
わたくしたちはもともとが見えない世界の住人です。その基盤があってこの物質世界にいます。故郷を恋い慕うように、わたくしたちは見えない世界に惹かれます。
しかし、旅行中に家のことばかり考えていては旅行を楽しめないのと同じで、この世界にいる限り、故郷のことは時折思い出すだけで十分なのです。
それだけでなく、旅行に出れば、旅先で一生を過ごす人もいますが、わたくしたちは未来永劫この世に存在することはできません。
わたくしたちは必ず「そこ」に返っていきます。
いえ、本当は「ここ」は「そこ」の一部なのですから、わたくしたちは「ここ」にいながら「そこ」にもまたいるのです。
死ぬときは、「ここ」の縛りが外れるだけです。
そして生きている間は、この縛りがなくてはできないことをするのです。旅行に行けば、その土地でなければできないことをするでしょう?
そういうことです。
この新月、それを少し意識してみていただければ、何かが見つかるのではないかと思います。
物質社会に生きていれば、この仕事に就けるのか、この恋は実るのかということで悩みます。そしてそういうことを考えるのはとても大切です。しかしその前に、ご自分がきちんと生きているかということをまず考えてみてください。
その際具体的な行動が思い浮かばなければ、前のほうで書いた「言行一致」ということを意識してみてください。
言葉は言霊です。あなたの魂の顕れです。
それが現実の行いと一致していれば、実は何もかもうまくいくのです。
ほんとうは、そういうことなのです。
そういう、簡単なことなのです。

今日は少し長くなってしまいました。
削る体力がなくて、冗漫になりましたが、どうかご容赦くださいませ。
ではみなさま、よい新月をお迎えくださいませ。