2014年7月満月

7月12日20時26分磨羯宮20度03分の満月です。
磨羯宮というのは、堅固な城を築くイメージです。
塵も積もれば山となるということわざのとおり、大きな城を築くために、レンガや石組ひとつから丁寧に積み重ねるという行為が磨羯宮の特徴です。
この磨羯宮の満月は、ここしばらく努力してきたあなたの成果が見えるときになるでしょう。ちょうどこの1年ほど巨蟹宮に滞在していた木星が29度という最後の度数に位置します。また先月は逆行で少々お騒がせだった水星が、ただいま双児宮の29度。これから逆行前に入っていた巨蟹宮へ「戻る」ことになります。さらに金星が水星と同じ双児宮の22度、そしてちょうど金星とトラインの位置、天秤宮には火星がいます。
こういう星たちが皆サインの後ろのほうに固まっていて、この満月の後にどんどん次のサインに移っていきます。
来週一週間の間に、水星木星金星が次のサインに移り、さらに次の週には太陽と火星が動きます。
特に火星は2年に一度の半年程度の長期滞在を終えて、天秤宮から天蝎宮に移動します。
したがって、この満月を境に月末へ向かって、様々な状況が一気に変化すると思われます。
ここ1年、あるいは半年、何かに真剣に向き合ってきた人には、新しい地平が開けてくるでしょう。
特に、これまで磨羯宮冥王星と白羊宮冥王星のスクエアと共にグランドクロスを形成していた火星と木星については、角度としてはすでにその形を失ってはいたものの、活動サインに在することで保たれていたその影響が、この移動ですっかり姿を消してゆくと思われます。(ただし、天冥のスクエアはまだまだ続きますが)
サインの移動後は、大きく変化した後のまっさらな状態を迎えることになりますが、今回の満月は、ちょうどその移動直前の、いっぱいに荷物を抱え込んだ感じの満月になると思われます。
「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」
という言葉があります。陰陽の考え方ですが、物事の流れが一方向へ大きく傾いていくと、そのバランスを取ろうとしてもう一方の方向に揺り戻しがあると言えばよいでしょうか。
今はちょうどそれに似て、一つの方向に極まった状態のように見えるのです。
このところの雰囲気に息苦しさを感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、この満月は、その息苦しさが最後の頂点に達するのだと思っていただければいいと思います。
さて、この満月の位置する磨羯宮の支配星、つまり家主さんは土星です。また、この時の東の地平線は、宝瓶宮に位置し、支配星は天王星です。が、この宝瓶宮、歴史の中で家主さんが変わっちゃったんですね。しかも元の家主さんは土星。しかもその土星の位置しているのが天蝎宮で、この時の天頂も天蝎宮に位置しています。土星の入っているのは9室になりますから、哲学、精神世界、高等教育、外国などに影響を及ぼします。そしてここ、天頂近くに土星がいるということは、この満月全体の目標を表すわけです。しかもちょっとゆるいですけど、太陽と月のオポジションを調停する位置にいたりもします。
こうしてみると、実に土星の力の強い満月です。
さらに、この土星は白羊宮の天王星とタイトなインコンジャクト。もちろんこの天王星はいまだ冥王星とのスクエアを保ちながら、双児宮の水星とはセミスクエアです。で、この水星が土星とセスキコードレイトということで、話が土星に戻ってきました。
さらにこの土星は、ゆるめながら双児宮の金星とインコンジャクト。金星は月とインコンジャクト。したがって土星と月がセクスタイルでこれら三つの星がヨードを作っています。
金星は天秤宮の火星、ドラゴンヘッドとトラインを作っています。火星とドラゴンヘッドコンジャンクションです。そしてこの火星、ドラゴンヘッド双魚宮海王星とセスキコードレイトです。
こういう細かい材料を取り上げていくと、この満月の時期は、きわめて緊張度の高い、あるいは居心地のよくない空気が満ちていると感じられます。
特に、あなた自身の在り方が今のままではいられない不安定さを醸すことさえあるかもしれません。いえ、もうそういう状態はずっと続いているはずです。
感情的には安定していて、それはそれでいいのかもしれません。しかし、これがご自身の理想とはどこか違う、そういうふうに薄ら薄らお気づきではありませんか?
「このままではいけない」
そう思ってきたのではありませんか?
その居心地の悪さが、この満月にはピークに達すると思われます。
そして、それを打開する策が土星にあるわけです。
土星は辛抱我慢の星です。努力すればするだけ、ご褒美をくれる星でもあります。
ここでは、土星は9室に位置しています。
あなたは理想の人に出会うかもしれません。
それはよく言われる、恋人としての「タイプ」の人ではありません。一生涯目標とするような素晴らしい人、努力して近づこうという憧れの人ということです。
そういう精神的な師と仰ぐ人との出会いがあるかもしれないのです。
それが恋愛対象として可能な状況の人であれば、少しそういった憧れを持つかもしれません。しかし、違います。早まって恋愛対象などと思うと、余計なストレスを抱え込みます。
(それが楽しいなら別ですが。)
あるいは人ではなく物事かもしれません。
これから長く続けてゆくべき仕事に出会うとか、生きてゆくうえで柱になるような思想に出会うとか、そういうことかもしれません。それは趣味や楽しみの場で見つけることになるかもしれませんが、遊びのレベルではなくなる可能性が高いのです。
仕事以外のことなら、遊びかもしれません。しかし、ただ楽しく、息抜きや暇つぶしにちょうど良いというような趣味ではないのです。ずっとずっと努力を続けるような趣味です。
もちろん、そういう方面でずっと努力を続けてきた人もいらっしゃるでしょう。そういう人には、新たな目標が生まれます。
きらきらと華やかなというわけではありません。
新たな頑張りどころです。
今どんなに居心地が悪くとも、それは星の作る場のエネルギーです。あなたはご自分のするべき努力を淡々とこなすだけでよいのです。その道の先に、理想があります。
打開のために、新しいアイデアを絞り出す必要はありません。
あともう少しだけ、今の努力を続けてください。すぐに、「頑張ったかいがあった。」と、実感されることでしょう。
良い満月をお過ごしください。