2014年6月新月

6月27日17時10分、巨蟹宮5度37分の新月です。
巨蟹宮新月ですので、家庭のこと、家族のことに焦点が当たるでしょう。
また月は巨蟹宮の支配星でもあります。新月の力が強いこともあり、この時期、何か特別な事柄をスタートさせる方もいらっしゃるかもしれません。3室、双魚宮海王星とトラインですから、少々理想が高くてもいいと思います。
「絵に描いた餅」という言葉があります。理想が高すぎて実現不可能なもののことをいいます。
しかし、ここで絵に描いた餅は、将来現実に食することができる可能性があります。
ただし心に留めておいていただきたいのは、時間がかかるかもしれないということです。なぜなら、海王星新月と同じ巨蟹宮にいる木星とセスキコードレイトで、さらにこの木星が8室にいるため、理想の実現があなた自身ではないかもしれないのです。あなたがスタートさせ、力を尽くして発展させ、そののちに受け継いだ人が理想を実現するというような道のりをたどる可能性があるということです。気長にいきたいものです。
さて、今回の新月は7室にあります。先ほど、家庭、家族のことに焦点が当たると書きましたが、7室は特に一対一の人の関係をつかさどりますから、生活やお仕事のパートナーとの関わりにも注意を払いたいところです。特に月の力が強いわけですから、女性や母親的な役割の人との関係が豊かになると思われます。
同じ7室に水星もいますので、コミュニケーションを綿密にして、大切な人との関係を深めてください。この水星は5月末にいったん巨蟹宮に入ったのですが、現在は逆行して双児宮に戻ってきています。7月1日の夜に順行に戻りますが、逆行中だからといって水星の威力そのものが衰えるということはありません。逆行中は逆行中の仕事があり、再会、再開、再チャレンジなど、「再」のつくものにスポットが当たるようになっています。
しかも水星は双児宮の支配星ですから、今回、逆行中の仕事はいつもより派手になると思われます。いつもは水星逆行だからといってそれほど大きな影響がなかったという方も、この6月に入ってから、旧友と再会したとか、計画の練り直しとか、かねてから練り直していた計画が通ったとかいう方もいらっしゃるでしょう。今月いっぱい、「再び」の楽しみを十分に味わってくださいね。
ところで、水星と同じ双児宮には、金星がいるのですが、この金星は6室になります。6室は奉仕の部屋。しかも双児宮ですから、身近な人々への奉仕が星の動きにかなった行動になります。水星との関係を考えると、やはり毎日顔を合わせているパートナーに尽くす気持ちが大切になっていきます。
結婚していてもいなくても、恋人がいてもいなくても、仕事や家庭で誰かと「組んで」いれば、その相手がパートナーです。思い当たらなければ、寄付やボランティアなども素敵だと思います。双児宮ですから、インターネットのワンクリック募金などを探していると、きっと素敵な気づきがありますよ。
ところで、まだまだ影響の大きい活動宮のTスクエアですが、この時期、天秤宮の火星と白羊宮の天王星がとてもタイトなオポジションを作ります。そこへ磨羯宮の冥王星がスクエアです。冥王星は4度ほどのずれがありますので少しゆるくはありますが、天王星冥王星の性質から考えて、もうしばらく何らかの動きがあると思われます。特に政治的にはとても目を離せる状態ではありませんので、注視していきたいと思います。
火星については、天王星冥王星との関係のほかに、先ほどの金星とのセスキコードレイトがあります。金星は火星の滞在している天秤宮の支配星でもあります。好きなこと、好きなものに情熱を注ぐことができる時期ではありますが、少しだけ注意しておきたいことがあります。金星のいる双児宮と火星のいる天秤宮は同じ風のサイン同士、つまりサインとサインの関係はトラインです。しかし、金星と火星が今作っているのは、セスキコードレイト(135度)です。最初のほうで書いた月と木星の位置関係もこれです。これは、トライン(120度)のようにぴったりとして安定した角度ではなく、なんとも微妙なすれ違いや緊張感を味わえる角度なのです。
ご自分の意欲や情熱の赴くままに動いているつもりでも、ちょっとだけ不満足であるとか、あともう少し違ったらいいのにとか、そういうささやかなストレスが生じると思われます。また、そういったストレスが、新たな気づきをもたらすことになりますので、見逃さずとらえて、よりよい方向へゆく工夫をしてみてください。特に、火星は天蝎宮土星セミセクスタイルです。好きなことを続けるためには、我慢も努力も必要です。小さな迷いに騙されないようにしてくださいね。
さらにこの土星天王星とインコンジャクトですから、「努力していれば何かいいことがある」なんていうお気楽なものではありませんが、何らかの助けが思いもよらない形で現れるということもあります。その助けが少々納得いかないものでも、ここは乗っておくほうが得策かもしれません。最終的にはおさまるところに収まるものです。
「はじまり」という意味では大きなテンションのかかる新月ですが、何事も完全に準備万端でスタートさせることができるときというのはそうあるものではありません。スタートしてみなければわからないものもありますし、スタートしてみて初めて不具合に気づくものもあります。
そしてそれらを修正し、時には妥協もしながら、スタートさせたものを少しずつ積み上げて完成に導いていくわけです。
今、思うようにいかなくても、必ずいつかあなただけの理想を手にすることができます。
わたくしは以前、落合博満さんがテレビのインタビューに答えていらしたときの言葉を聞いて、はっとしたことがあります。
それは、「僕はプロになってから、一度も野球を楽しいと思ったことがない」というものでした。
プロ野球選手は、好きなことを仕事にしていると思いますよね。
でも、落合さんは、一度も楽しいと思ったことがないそうなのです。もちろん、まったく楽しくないわけではないでしょうが、その裏には、見えない努力や工夫が常にあるわけです。プロ野球は、シーズン中は毎日のように試合があります。今日勝ったからといって手放しで喜んでいるわけにはいかないでしょう。面白おかしくやっているだけでは一流のプロは務まりません。
実は、この新月のスタートはそんな感じがするのです。
理想が高ければ高いほど、努力の量も多いでしょう。
好きで始めたことなのに、思いのほか苦労が多く、実は自分には向いてなかったのではないかと思うこともあるでしょう。
しかし、人間には向き不向きなどありません。
やるかやらないかの二つに一つです。
どうかつまらないエゴに騙されないように、まずは腹を据えて、それから考えましょう。
良いスタートを切ってください。