2014年5月満月

2014年5月15日午前4時17分天蝎宮23度55分の満月です。
この満月のすぐそばには土星がいて、そろって7室です。満月ですから、太陽はお向かいの1室、金牛宮です。
このところ、何かにつけて対人関係とか目の前にいる人とか、パートナーとか、そんな話を書いてきたように思うのですが、今回もまた書くことになっています。(そういう満月の場所です)
結婚、またはそれに類する関係に大きな祝福があると、わたくしは考えます。
(もっと広げて「向き合う大切な人との関係」と考えていただいてもいいです。思い当たる方との関係を想定してくださいませ。)
土星なのに?
そう、土星なのに、です。
本当は、土星だから、でしょうか。
満月は、実りを表します。土星は教師、時間、忍耐。
二人の関係、長い長い時間によって培われ、時には我慢もし、高めあってきたその関係が、一つの節目を迎えるのではないかと思うのです。
何かが起こるというより、心からの納得、実感という形で、それはやってくると思います。
例えば、洗濯物を畳むパートナーの背中を見て、「ああ、ありがたいなぁ」という、言い知れない感謝の思いが沸き起こるとか。
眠れなくて寝返りを打っていると、そっと手を握ってくれて、そのあとはゆっくり休めたとか。
「それやったら、いつもといっしょやん」
というような方には拍子抜けかもしれませんが、これがもし、このところぎくしゃくして行き違いが多くなっているパートナーとの間のことだったらどうでしょう?
感謝と愛情が、じんわりと、そして強くあなたの胸にわきおこるでしょう。
幸せの中にいるとき、わたくしたちは幸せを感じるのがとても難しいということは、どなたもご存じだと思います。
そして残念なことに、幸せを知るために幸せでない状況を想定して、それとの比較でご自分の幸せを知ろうとすることも多々あるのです。
それが、この満月時には違うのです。
ただ、あなたが幸せの中にいて、幸せを知っている状態になる。
そのように書いておきます。
もちろん観察力は必要です。
ご注意願いたいのは、幸せというものを、今のご自分の「願い」で勝手に塗り替えてしまわないことです。
謙虚に、丁寧に、ご自分の心を観察してみてください。
どれほど愛すべき、感謝に満ちた世界に生きているかがおわかりになるでしょう。
また、この満月の時には、かねてからわたくしたちに影響を及ぼしているグランドクロスに、金星が加わります。
磨羯宮の冥王星巨蟹宮木星オポジションに、白羊宮の天王星がスクエア、その天王星に、若干ゆるくなってきた逆行中の火星がオポジションという、あのグランドクロス、その天王星に金星が寄り添っています。
このグランドクロスの力強いエネルギーが、わたくしたちの喜びや富を得る力に直接降りてきます。
言葉というのは面白いもので、ここの表現を、「このグランドクロスの破壊的な力が、わたくしたちの喜びや富を得る力に直接影響を与えます。」と書くと、あまりよくないことが起こりそうですよね。
実際にはどちらが正しいのかはわかりません。起こる事柄は良し悪しとは関係ありません。それを決定するのは人間の感情です。
もし、この満月の時に、長く付き合ってきた恋人と別れることになったとしても、それを新しい人生のスタートとみるか世界の終わりとみるか、それはその人の思い一つにかかっています。
逆に、長く付き合ってきた恋人と結婚する、あるいは同居するということになったとき、それを幸せのゴールインととらえるか、人生の墓場ととらえるかも、その人の思いにかかっているのです。
そしてさらに、この天王星と金星のコンジャンクション、7室の土星と月のコンジャンクションが、二人の別れを暗示するのか、結婚や同居を暗示するのか、小さな生活の節目を暗示するのか、それもわからないわけです。
だいたい、後になって、「そうきたか!」とか「そっちのパターン?」というご報告を受けることになるのですが、起こり方はバラバラです。
ここで本当にわかっていただきたいのは、
「何が起こっても、本当はあなたは幸せなのですよ。」
ということなのです。
ものの見方とか、考え方とか、そういう表面的なことからスタートしてもかまいませんよ。角度を変えるのもいいです、方向を変えるのもいいです。でも最終的には、一歩、二歩、後ろへさがって大きな視点から物事を見られるようになさってください。さがればさがるほど、視野は広くなり、些末な物事は見えにくくなります。それが大切なのです。

他の星を見てみましょう。
金牛宮の太陽は1室にあり、向かい合った土星と月から良い訓練を受けます。ご自分に値打ちが感じられなくなるようなこともあるかもしれませんが、脳みそで考えるのをやめて、下腹にしっかり重石を入れて、そこで考えるようにすればすべて解決です。金星とノヴァイルなので、策を弄するより、自然の流れに逆らわないのが一番です。
双児宮の水星は、冥王星とインコンジャクト。木星セミクインタイルです。白羊宮の天王星、金星とセクスタイル天秤宮の火星とトラインです。天王星・金星と火星のオポジションを調停しているわけです。どんな小さなメッセージも見逃さないように。それはとても深く、高いところからやってきます。そして、あなたの感覚器官そのものによって得られます。先ほどお伝えした観察力がここでものを言います。
また、少しゆるめですが、この水星は双魚宮海王星とスクエアを作っています。海王星は火星とインコンジャクト、金星・天王星セミクインタイルのため、思いと言葉がきれいに一体化されない可能性があります。しかし、持っている思いの美しさはそれに損なわれることなく、必ず何らかの形で相手に伝わるか、今後のあなたの活躍の見えない鍵になっていくでしょう。(鍵は錠前かもしれませんし、それを開けるキーかもしれません。)
グランドクロスの一角をなす木星は、(このところずっと)土星とトライン。月も土星との関連で影響します。満杯に保っているものが、いいのか悪いのか、もちろん人それぞれですが、表面張力で保っているグラスの縁からツーッと一滴、涙の流れ落ちる気配があります。しかし、それだけです。
慌てて動かして、グラスを倒さないように。

見方によれば小さい事柄が、今後のあなたの人生を大きく変えることになるかもしれません。
あるいは、とても耐えられないと思うような大きなことが起こって、あなたの生活を一変させるのかもしれません。(しかしそれは、他者から見ると人生の一コマに過ぎないような小さなことです。)
事柄自体には、大きい小さい、良し悪しはありません。それらはすべて人の感情で決められることです。
それよりもわたくしがあなたに知っておいていただきたいのは、何が起こってもそれがあなたの美しい思いを損なうことはなく、むしろ生きる上での必要な糧になるのだという、ごく「当たり前の」ことです。
それが実感されるようなことを、この満月時にあなた自身が、あなたとパートナー(あるいは大切に思うごく身近な人)との間で発見されるのではないかと思うわけです。