2014年5月新月

5月29日、午前3時41分、双児宮7度21分の新月です。
東の地平線に太陽と月が一緒に近づいて行っているような感じで、夜明け前の暗い暗い時間帯、今しも新しい一日の始まりを告げる場所に、この新月はあります。
チャートでいえば、第1室。
東の地平線、アセンダント金牛宮に位置し、その支配星である金星は白羊宮の29度。もう金牛宮にきわきわのところにいます。だからボイドっていうわけでもないんですよ。というのが。新月の起こる双児宮の支配星である水星が、これまたそのホームである双児宮の29度、きわきわのところにいます。この二つの星はタイトなセクスタイルのため、ともにきわきわにいながらこの時点ではボイドにならないわけです。このあと金星がお昼前に、水星が夕方にそれぞれ次のサインに移りますので、この間の7時間ほどが、水星のボイドになりそうです。この日一日のことですが、午後のお仕事は少しゆったり目に、大切な決断や大量の処理を伴う作業は慎重に行うことで、のちの仕事をやりやすくするでしょう。
水星のボイドですから、うっかりするとかそういうことではなく、策士策に溺れるというような心配のほうが大きい気がします。ですから、慎重に仕事を行うのはもちろんですが、知に走って本質を見誤らないように気をつけたいものです。
とはいえ、この時点ではこれらはボイドではなく、さらに、水星は天秤宮ドラゴンヘッドとトライン、金星は同じくドラゴンヘッドオポジションという配置です。
あなたの琴線に触れる何か、インスピレーションを刺激するもの、そういったものがキラリと頭の中に、あるいはハートにきらめくことでしょう。
神経質になる必要はありません。ご自分の求めていることと照らして受け入れたり却下したりしていると、大切な情報を見逃します。どんなに小さなことでも、とりあえず何でも受け入れておくことです。
何がどこでどう役に立つか、それが役にたつ場面に出くわすまで、わたくしたちにはわかりません。
将来を見通して、役に立ちそうなものだけを集めていても、その将来のビジョンが変わればすべておじゃんです。
感動やひらめきなどの心の働きは、物質とは違って荷物にはなりません。受け止めて、大切に心にしまっておきましょう。もちろんすぐに実行に移せるものはそうすればよいのです。
効率的なことが必ず良いとは限りません。非効率的なことが、最終的にはきわめて合理的であるという場合もあります。必ずおさまるところにおさまります。
しかも、この金星は新月セミクインタイル。ここで得られるインスピレーションが、新しく始まる何かに大きな力を与えてくれるというわけです。
そしてまたこの新月天秤宮の火星とトライン、双魚宮海王星とはタイトなスクエア、したがってこの海王星と火星はインコンジャクトになります。火星はもうこの頃ではおなじみのグランドクロスの一角をなしています。20日まで逆行していてかなり緩くなっていたのですが、今は順行に戻ってまたこれから冥王星天王星に絡みにいくというわけです。7月中旬に冥王星とのスクエア、下旬に天王星とのオポジションがそれぞれとてもタイトになるときがあり、エネルギーを要することでこの春までにやり残したことがあれば、このあたり、次の新月のころまでにはすっかり片付くような気がします。木星はもうかなり緩くなってはいますが、まだ7月の中ごろまで巨蟹宮にいますので、まだ影響力はあるとみていいでしょう。さらに新月とはセミスクエア、天蝎宮土星とタイトなトラインを作っていて、小さな階段を一段一段上りながらはるか頂上を目指すというような、大きな時間の流れの中で物事を進めるには絶好の時期になっていると思います。特に身近な人とのコミュニケーションは、温かく力強いものになるでしょう。
この新月からしばらくの間、毎日のお仕事や家事、交友関係も含めて日々の生活に関することについてはそれほど大きな支障もなく流れていくと思います。
しかし、水面下では大きな動きがあります。敏感に察知している人々の中には、日々の生活をそこに合わせながら調整しているという方もいらっしゃるでしょう。
今はちょうど、干ばつの大地に根を張った樹木が花を咲かせ実をならせているような状態です。
水脈に届くところに根を張ろうとしているか、あるいは枝葉の受ける風の匂いから雨の時期を予測しているのか。
樹木は干ばつの大地に長らえるために、ありとあらゆる知恵と感受性を使って生き延びようとしています。
もし今あなたが、物事がうまく運んでいて何の問題もないという状況にあるならば、大きな物事に移る前に、もう一度よくご自分の思いを確かめてください。
サクサクと進んでいるように見えるこの物事が、ご自分自身の理想や、本当に大切にすべきものと上手に共存できているか。
もし、少し、ほんの少し違和感があるのならそれは正解だと思います。
これからそこをすり合わせ、よりよいものに育てることができるはずです。
もし何の疑問も違和感もないとしたら、すでにどこかでその調整がすんでいるか、何か見落としがあるか、あるいはその違和感を無視しても気にならないかのどれかです。
いずれにせよ、一度見直してみるということ自体は悪いことではないと思います。
どうかほんの少しだけご自分自身のためにお時間を取ってくださいませ。