2014年4月満月

4151643分、天秤宮2516分の満月です。
しかも月蝕。素晴らしく大きな変化を伴う予感がします。
満月の影響ももちろんですが、ここしばらく続いている盛大なカーディナルクライマックスの影響が、皆様の内外に出ているのではないでしょうか。
「内外」っていうのも変な言い方かもしれませんね。自分自身の内と外。
だいたい「何が起こるのですか?」と問いかけるとき、ほとんどの人は自分以外の誰かや何かが、自分の外から自分に対して影響を与えるものを想定しています。
しかし、本当に大きな変化というのは、外から来るものではなく、自分が自分で起こすものです。
けれどこれをお読みの方の中には、実際の変化は外からやってくるものだとお思いの方もいらっしゃることでしょう。
これは、事故や病気や人事異動、恋人との出会いも別れも、自分の意思とは関係なく、あるいは意思に反して起こるものだという考えでしょう。
ですが、案外そうでもないのです。
自分の中で起こした変化が外からの動きを呼び寄せるというのが順当な流れなのですから。
そんなわけで、この日の満月をきっかけとして、かねてからご自分の中で起こってきた変化がついに外界を動かして、大きな流れとなってあなたに押し寄せてくるかもしれません。その流れに乗るか、押し流されるか、それもまたあなたの意思で決めることができるのです。
さて、今回の満月は人間関係をつかさどる天秤宮です。
なんといっても人間関係というのは生活の中でも最も悩みも多いものです。
この春から新しい学校や職場で頑張ろうと思っていたにもかかわらず、のちの人間関係で行き詰ってその場を去らざるを得ないということさえ起こる可能性があるほどです。
脅かしてごめんなさい。
でも逆に言えば、この人間関係を制すれば、世界を制すことができるわけです。
しかもこの天秤宮のつかさどる人間関係は、一対一。
対等な、あるいは対等でなくとも相手を制する意思をもって向かう関係、または相手と手を携えて生きる関係が専門です。
そしてこの天秤宮に、チャート全体の頭に当たるアセンダントが位置します。そんなわけで、満月が1室、太陽が7室。7室は結婚の部屋ですね。天秤宮の定位置。つまり、この一対一の人間関係、基本は結婚です。
だからといって結婚運が上がるとか、今年こそゴールインとか、それだけの話ではありません。
結婚に象徴されるような、向き合って話し合ったり、並んで目標に向かったりという人間関係全般に関係すると思っていただければいいと思います。
ご自分の大切な人、日々向き合い、あるいは肩を並べてともに人生の大事な時間を過ごしている人との関係をより強固に、より素晴らしいものにしようという意志をもってこの満月を迎えていただければいいなと思います。
さて、そこからさらに拡げてもう少し大きい話を。
この7室、ここに太陽と水星と天王星がいます。水星は情報を扱う星、天王星は変革を扱う星です。満月時にはこの二つの星は白羊宮13度、コンジャンクションです。太陽も25度と、とても近い位置になります。また、ドラゴンヘッドが月のそばにあって天秤宮28度ですから、太陽と月のオポジションは、ドラゴンヘッドとテイルの軸の真上にあるわけです。ドラゴンヘッドとテイルは、月と太陽の軌道の交点。その交点のそばで起こる満月ですから、太陽に照らされた月が地球の影になって暗く見える。これが月蝕の正体ですね。ですからこれが新月の時なら日蝕になります。次回の新月がそうですね。
さて、これだけ書けば、今回の満月がそれだけでしっかりとしたエネルギーを持っていることがおわかりいただけるかと思うのですが、当然それだけでなく、太陽そばの天王星水星の関わるグランドクロスのエネルギーも大きいわけです。天王星水星の真向い、つまり太陽の向かいの月のそばには、天秤宮16度の火星、この向かい合う星たちのそれぞれにスクエアの形で磨羯宮の冥王星巨蟹宮木星が位置し、チャートを書くと、円のど真ん中にバーンと十字架ができているわけです。しかもかなりタイトです。火星は逆行中ですので、ここから一週間かけて3度ほど逆戻り、さらにぴっちぴちにタイトなクロスを作っていきます。ただもう、これだけ近づけば、すでにいろんな影響が出ていると思いますので、何が起こるもへったくれもなさそうですよね。ただ、ここで起こっている物事は、最初に書きましたとおり自分の内側からの変化です。
「自分には何もないのに、会社とかでいろいろ起こってめんどくさい」なんていう方もいらっしゃるとは思うのですが、失礼ながらそれは、ご自身が変化を起こそうというエネルギーを出さずに、外から起こる変化によってご自身が変わらざるを得ないようになってしまっているのです。(こういう状態をわたくしは「自分で設定している」と言っています。)
ご自分で「変わろう」「成長しよう」という意欲を強く持たれる方は、会社からの無理難題も、恋人や配偶者のわがままも、すべてご自分に対するプレゼントだという受け止め方ができます。
「これを乗り越えたら、自分は一回り大きくなれる。」
そういう思いでいることができるのです。
こんなふうに言いますと、「考え方ひとつですね。」「気の持ちようですね。」というふうにおっしゃる方もいらっしゃいますが、たいていそうおっしゃる方は、心の中で、「それですんだら楽なもんやわ。」とも思っていらっしゃるようです。
残念ながら、ただの「考え方の問題」ではありません。
生きていく気合いの問題です。
人生を、自分の意思で生きていくか、そうならざるを得ないという生き方をするかの違いだと思います。
自分の意思で、自分に変革を起こして生きているつもりでも、人間のすることですから、甘い部分はあります。そこに運命は、修正を入れるために、試練を持ち込みます。これが先ほど書いた「プレゼント」です。
今回は、長い期間にわたって用意されたプレゼントの全貌が明らかになって、いよいよ最後の頂上に向かうところまで来ているようです。
あなたのエネルギーは、その壁の高さに比例するかのように高まります。
このグランドクロスの一角をなす木星はこの時天頂のすぐそばにあり、双魚宮6室の金星、5室の海王星と美しいトラインを作ります。少しゆるくなりますが、天蝎宮土星ともトラインで、サイン同士のふんわりとしたグランドトラインを作っているのです。
あなたの持つ想像力、人へ向ける愛情、奉仕の気持ちが豊かに花開くことでしょう。
特に海王星は、5室とはいえ6室のカスプと1度も差がありません。(AMATERU、プラシーダス)5室の仕事から6室の仕事への橋渡しをしてくれるに違いありません。
5室は喜びの部屋、6室は奉仕の部屋ですから、あなたの胸に咲いた美しい愛の花は、大切な人に、その人への奉仕の心とともに、捧げられるのではないかと思います。
特に、長い時間をかけて育ててこられたものほど、その花の大きさ、美しさ、香りの高さは増すことでしょう。
そして、芸術的なお仕事や趣味をお持ちの方には、文字通り大きなチャレンジが用意されていると思います。あるいはすでにそのチャレンジを乗り越えて、この満月あたりで結果が見えてきているという方もいらっしゃるのではないかと思われます。とても楽しみなことですね。
人と人との関係も、芸術も、時間をかけて育てるものは必ず何らかの実を結ぶとわたくしは考えます。
この日木星や金星、海王星と緩やかなトラインを作る天蝎宮土星は、天王星や水星とはタイトなバイクインタイルを作っています。今こそ、時間をかけて練りに練り上げたものの存在が人々に知られる時が来たといえるでしょう。ワクワクしますね。
わたくしはいつも書道教室で、「時間と努力はうそをつかない」と言っています。
良い結果というのは、コンクールで賞を取るとか、試合に勝つとか、そういう結果だけではありません。時間をかけて培った技術や、何よりも時間をかけるというエネルギーの使い方ができる自分自身の力そのものが、その人の人生の中で大きな役に立つのだとわたくしは信じています。
もちろん役に立つというのは、その人がその人自身の力で人生を生き抜くための助けになるということです。多くの場合、時間をかけて培うということに慣れていくと、腹が据わり、より大きなエネルギーを生み出し、コントロールすることができるようになるからです。
それだけ、その人のスケールが大きくなるということですね。
どうか、皆様がこれまで時間と努力を傾けてこられたことが美しい花を咲かせ、実を結ぶ時となりますように。
よい満月をお迎えください。