2014年 2月満月

2月15日午前8時54分、獅子宮26度13分の満月です。
満月ですから、月と太陽オポジションです。太陽は宝瓶宮、月が獅子宮です。それを調停するのが天秤宮の火星です。この火星は太陽とトライン、月とセクスタイルです。しかもきわめてタイトです。
獅子宮の満月ですから、力強く華やかなエネルギーを持っているのですが、さらにそれが火星の情熱によって赤々と燃え上がる炎のように、あなたを包み、かきたてるでしょう。
太陽の側には水星がいて、コンジャンクション圏内です。 この水星は太陽と同じく火星とトラインですから、思いきって何か表現したり伝えたりということをしてみてもいいかと思います。
前日がバレンタインデーですので、このあたりでキメる人はキメるかもしれませんね。ご健闘をお祈りします。
太陽と水星が天蝎宮土星とスクエアのため、これまで時間をかけてきたこと、ぐっと耐えてきたことについては、何かしらの答が出るでしょう。あわせて、この土星が磨羯宮の冥王星とセプタイルですから、出会うべくして出会った人との関係が、大きく変化することになりそうです。冥王星のそばには金星もいますので、本当に離れられない人とは何があっても離れることはないと思います。ここで離れる関係は、既にもう必要ない関係です。さっさと手放して、もっと素晴らしい関係を得る準備に取り掛かりましょう。
冥王星は太陽、水星とセミスクエア、金星は、太陽、水星とノヴァイル、その向こうにある双魚宮海王星と、ちょっと緩いですがセミスクエアになります。
やっぱり、何か伝えなきゃ!な感じですね。
しかもこのあたり、けっこう人生の重大な局面に関係するかもしれませんから、慎重にやってくださいね。
そうですね、ざっと見たかぎりでは恋愛とか結婚とか気になるところですし、友達関係、お仕事にいろんな力が加わってくるのだと思います。
しかしですね、ギュッと考えたいのは、ご自分自身の脱皮ですよ。
確かに、満月が起こるのは獅子宮で、5室ですし、太陽が11室。それを調停している火星は7室と、恋愛やら結婚やら周囲の人間関係やらと、賑やかで楽しそうな様子ではあります。なにしろこの満月時の東の地平線は白羊宮。その支配星が火星ですから、7室の火星のテンションが高くなってるんじゃないかと思います。しかも天秤にありますから、結婚相手、仕事のパートナー、特にお仕事や趣味でのライバルに対する意識はかなり気合いの入ったものになるのではないかと思われます。いい形でやる気に火が着けば、素晴らしい結果が出せるのではないかと思われます。その結果が勝ちか負けかは、この際問題ではありません。共に切磋琢磨して、力をつけていくということです。
そうは言っても、勝ちにこだわる、あるいは結果にこだわるというのはあるかもしれません。
わたくしはそのこと自体に重きを置いてはいませんし、実際大した問題ではありません。
そこで今回着目したいのが、先ほど書きました「脱皮」ということです。
たぶん今、西洋占星術に関する記事の多くには、磨羯宮の冥王星巨蟹宮木星オポジション、それらに対する白羊宮の天王星のスクエア、つまりこの三つの星の作るTスクエアについてのことが書かれていると思います。
わたくしはいつもだいたいプラシーダスを使っていますが、この分け方によりますと、この満月時には、冥王星が10室、木星が4室で、天王星は12室に入っています。天王星が1室でしたら、もっと目に見えてわかるような大きな変化になるように思われますが、12室ですので、自分でも自覚しないような深いレベルでの脱皮ということになるのではないかと思われます。
例えば、わたしは自宅で書道教室をやっていますが、実際毎週毎週お稽古に通ってこられても、そう目に見えて突然上達されるということはないわけです。ところがある時、これまで小さな歩みではあるものの、ずっと上達してこられたというのが「わかる日」が来るわけです。
ところが、それがわかるのは、お教えしているわたくしのほうで、実際にお稽古なさっている生徒さんはそのことに気づいてはおられません。
一定期間習っていただいた生徒さんは、注意して拝見していれば、わたくしのほうでは、日々随所にそういう上達の姿を発見することができます。
そういう中で、わたくしのほうは日々感動しながらお教えしているわけですが、生徒さんのほうは「なかなか上手にならない」と悩んでいらっしゃることも少なくありません。それでもある日ふと、「あ、こんなふうに書けるようになった」という発見をしていただけるようになるのです。ご自身の目に、上達が見える瞬間を迎えるというわけです。
この満月に起こる「脱皮」は、ご自身でわかるほうではなく、ご自身ではまだ気づかれないほうの「上達」のようなものです。
ご自分ではまだ感じられない大きな変化がご自身の中で起こっていて、それはご自分自身よりも周りのほうが先に気づいているかもしれません。または、ご自分で自覚できるような大きな変化の前の準備段階であるのかもしれません。いずれにせよ、ここで起こる変化はステージが一つ上がる大切な変化です。ご自身でお気づきになろうとなるまいと、その変化は確実に起こっています。
そして、あるとき、すっかり変身して新しいステージに立っているご自分自身を発見されることでしょう。
ですから、今は何も見えなくても大丈夫です。
我慢して歩き続けてください。いつか地平線の向こうに、小さな点のように、明るい希望が見えてきます。それに気づいたときには、あなたは既に新しい靴を履いて、新しい服装に身を包んで、これまでよりも大股に、早足で進んでいることでしょう。その着替えや歩調の変化こそ、あなたが気づいていない今の変化なのです。
数年後には、この時の変化の中身がよく見えるようになっているはずです。
今は慌てることはありません。当たり前の着替えも、当たり前の歩調の変化も、すべては大きな到達点へ至るための大切な準備です。
どうか焦らず、着実な歩みを進めてください。それが夢への最も早い近道です。