2013年12月満月

12月17日18時29分、双児宮25度36分の満月です。
双児宮の月というと、けっこう気もそぞろな気がして落ち着きがないように思えます。その反面、好奇心が旺盛で、思いも寄よらないようなことに興味が湧いたり、広く様々なことに手をつけたりと、行動を広げ、動きを大きく育てるには適しているように思えます。満月ですから、太陽は人馬宮。これまた落ち着きのない…もとい、フットワーク軽く、高く遠くへ手足を伸ばせるサインです。年末のこの時期には必ずある組み合わせです。これを利用して、足元軽く、どんどんとお仕事や遊びのタスクを片付けていきましょう。
幸か不幸か磨羯宮の冥王星と白羊宮の天王星のスクエアは相変わらずぴちぴちで、そこに現在は天秤宮の火星が天王星オポジション冥王星とスクエアという形でめでたくTスクエアを作っています。大きな変化をもたらすには持ってこいの配置ですが、スケールが大きすぎて、個人的な変化よりも、社会や環境の変化からもたらされる影響のほうが強いかもしれません。
それでも、個人的な変化を起こすのは可能です。
自分の外の変化に対応しながら、自分自身をよりスケールアップする方向に舵を切ればよいのです。
そのためにどうすればよいかということですが、これが面白いことに、今太陽と同じサインにある水星が、なかなかの仕事をしそうな気配なのです。満月の位置する双児宮の主星である水星が、巨蟹宮にある木星とインコンジャクトを作っています。緊張度の高い角度と言われますが、わたくしはこれを綱渡りと呼ぶことにしています。
綱渡りは、サーカスの中でも、とてもスリリングなアトラクションです。細い綱の上を歩くだけでも恐ろしいのに、その上で素晴らしい演技を披露するのです。そして、安全に演技を終え、たくさんの観客からの拍手を受けて次のアトラクションに繋ぎます。
つまりインコンジャクトは、一見緊張度が高く、厳しい議論や妥協を強いられる可能性を持ってはいますが、最終的には必ずよりよい形で終了することのできる角度だと、わたくしは思っているわけです。
木星と水星のインコンジャクトは、そういう綱渡りを、コミュニケーションの広がりという面で展開するのだと思います。そして、この満月時のこれらの星の仕事場は、木星が12室、水星が6室です。
これは、ご自分自身、特にその最も深い内側をしっかり見つめ、そこへ下りていくことによってしか得られない言葉によって、より深いコミュニケーションを取ってみましょうということです。
ご自分の深いところでしか得られない言葉とは、どんな言葉でしょうか。
それを見つけるために、満月と他の星がお役に立つと思います。サインは違いますが、実は双児宮の月も、12室にあります。太陽は水星と同じ人馬宮で6室。磨羯宮の冥王星も6室です。
日々の労働がキーになるかもしれません。毎日の仕事や家事といった決して華々しくない仕事、誰がしているのかわからないし、当たり前のように整って快適な状況を作り出している見えない仕事。
それを行っているのは、多くは若い人や女性です。
そしてまた、人の上に立つことや名を成すことが「出世」であり大切なこととされる世の中で、このような仕事は軽視されがちです。
けれど、それがどんなに大切な仕事かは、働く独身女性がおうおうにして、「旦那はいらんけど、お嫁さん欲しいわ」とこぼす一言に象徴されていると思います。
彼女たちは、同じ女性として、お母さんやおばあちゃんが家族にしてくれてきたことをきちんと見て育ったのでしょう。そして自分が社会の中で男性と同じ立ち位置で仕事をしなくてはならなくなったとき、そしてその仕事を社会の中でなくてはならないものと考えたとき、自分を支えてくれるそういう仕事を自分の傍らでしてくれる人の存在を欲するようになったのだと思います。
現代の家族構成や働く人のあり方を考えると、これらのことは一家の主婦一人に委ねられる場合もあれば、家族で分担して行うということもあります。それらは、個々の家族の中でのルールが重んじられるべきであり、家族の中での話し合いが充分になされていればどんな形であってもいいわけです。
よそ様の家庭の形態に首を突っ込んで、「専業主婦は気楽でいい」とか、「子どもが小さい間は家庭にいるべき」等と「意見を述べる」のは、自分の意見を持っていて自己主張できる人のように見えますが、単に妬みの裏返しのようにわたくしには思えてしまいます。少し意地悪な見方かもしれませんが。
さて、話を戻しましょう。
こういった表には見えないけれども誰かがきちんと行うことで物事がうまく運んでいくような仕事に従事することは、それがお金に換算されるもの(職業)でも、通常はお金には換算されないもの(家事労働)でも、とても大切なことであり、それを積み重ねておこなうことで、その人個人が大きくこなれて強くなっていくことが期待されます。
それは、我慢することがよいことだと言っているわけではありません。
どんな奉仕も労働も、一所懸命行うことによって、なんらかの結果が生まれます。
そして、それが目的だというわけでもありません。
このブログではいつも書いていることですが、すべての行為は行為そのものが目的なのです。
どのような行為も、その行為そのものを楽しんで一所懸命行えれば、すでに行為の目的を達しているのです。
この満月では、そういった行為そのものに自分自身の奥深くからスポットが当たるような感覚があるのではないかと思うのです。もちろんそのスポットライトの光源はご自分自身です。
ご自身で、その行為の尊さを実感してください。
苦汁も煮え湯も飲まされるでしょう。
「やってられへん!」と、投げ出したくもなるでしょう。
けれど、それを乗り越えてこそ、一段高くへ上がれる力が得られるのです。
そしてまた、その一段高いところでのそういった行為自体が、すべてを語る強い言葉になるということにもなるのです。
さて、この時期若い方には恋の行方が気になるところですが、やはり先程のことから考えても、奉仕の気持ちを大切にということになるでしょうか。さらに言えば、ここで関わっている木星は、天蝎宮土星とトライン。水星はこの土星セミセクスタイルです。土星の位置するのは5室。恋愛と楽しみごとの部屋です。この期間、せっかくのクリスマスですが、楽しいだけの恋はお預け。しっかりと、発展的で真剣な話し合いをしておきましょう。
発展的で真剣なって、わかりますよね。
わからない人にヒント。
愛の星金星は、この時磨羯宮で7室、結婚の部屋です。そして太陽とセミセクスタイル双魚宮海王星セミクインタイル。海王星天王星ともセミクインタイル。なので、金星と天王星がクインタイル。この時海王星天蝎宮ドラゴンヘッドとトライン。4室は家庭、母親の部屋。
ここには天秤宮の火星も位置しています。
ドラゴンヘッド天王星とインコンジャクト、冥王星セクスタイル
ですから、ここで動かないものは、時期ではないか見込がないかのどちらかです。
ちなみに土星が綺麗に絡んでいますから、時期でなければ時間をかけることになるでしょうが、それならそのような動きになるでしょう。
しかしお願いですから、クリスマスイブにロマンチックなプロポーズがあるということかな、とか考えないでくださいね。
この時期に、将来を見据えた真剣な人生設計を立ててくださいって言ってるんですよ。
結婚は、ゴールではありません。生涯をかけて一つの家族を作っていく、大切な人生の営みなのです。
互いの努力によってしか成立しない、なかなか厳しいものなのです。
恋愛から結婚だけの話ではありません。
あらゆる交渉事、一対一の関係や、家庭に関すること、あるいは仕事のホームに関わること、そういったことがターゲットになります。後一歩踏み込んで手応えがない場合は、今までのやり方を全く変えてしまうか、相手を変えてしまうか、そういう決断も必要になるでしょう。
そして、その決断の材料は、すべてあなたの手中にあります。
どうか、じっくりと、あなた自身を見つめ、相手を見つめ、心の深くからのコミュニケーションを心掛けてください。
そうして出した答えは、必ずやあなたのよりよい変化を助けてくれることになるでしょう。
よい満月をお過ごしください。