2013年10月満月

10月19日午前8時39分、白羊宮25度45分の満月で、月蝕を伴います。
天蝎宮ドラゴンヘッドの近くにある天秤宮の太陽と、白羊宮の月がオポジションを作っているところへ、巨蟹宮木星が緩めのスクエアを取り、Tスクエアになっています。白羊宮には天王星もいて、磨羯宮の冥王星とかなりタイトなスクエアを作っているため、大きく見るとグランドクロスの力がかかってきます。
Tスクエアとかグランドクロスとかって、教本によっては凶相とか出てるんですよね。わたくしも最初読んだものはそう出ていたので、自分のチャートのTスクエアに愕然としたものです。
しかも5室の土星が絡んでいるとか、20代初めのうら若き女性にとっては絶望的に見えたものです。
その後いろいろ勉強した結果、これは決して「悪い」と決めつけたものでもないということがわかってきました。
そして、「いい配置だなぁ、これを生かして大物になるぞ」という希望を持つようになりました。今でもその希望は燦然と輝いています。(つまり、まだ何も成し遂げてない)
しかし今回のように、トランシットのグランドクロスで台風26号のように大きな災害がきては、確かに何か厳しいものを感じるというのが一般的な解釈かもしれません。
しかし、わたくしはそうは思いません。というより、そればかりではないと思うのです。
大きな災害や恐ろしい事故は、現代のような社会に生きていては逃れることが難しいものです。しかしそういったことが起こっても、人間というものは必ず立ち上がるようにできています。どんなことがあっても、決して負けないのです。ですからむしろ、こういうハードな状況に遭うということは、それに打ち勝つ強い力が備わっているのだと解釈するのが妥当でしょう。
現実に、実際のチャートでは、ハードなアスペクトばかりで安定的なアスペクトが全くないということはほとんどありません。たいていは、厳然とした星々の壁の側で、何かしらの星が複数、手を繋ぐようにして微笑んでいるのが普通です。
今回も、グランドクロスの一翼をになう木星天蝎宮の水星と、天王星人馬宮の金星と、それぞれトラインを作っていますし、冥王星天蝎宮土星ドラゴンヘッドセクスタイルを作っています。
さらにこのドラゴンヘッドは、双魚宮海王星処女宮に入ったばかりの火星とが作るオポジションを調停しています。つまり、火星とセクスタイル海王星とトラインです。
さらにこのこのドラゴンヘッドは白羊宮の天王星とインコンジャクトという緊張度の高い角度を作っていますが、この天王星海王星セミクインタイルという優しい角度です。
そしてさらに、太陽とセミスクエアの金星は、土星とタイトなセミセクスタイルです。
こうして見てみると、どんなに厳しい壁も、何かしらの優しい手によって、越える手がかり、足がかりが作られていることがわかります。
七転び八起きといいます。
どんなに厳しい状態にあっても、生きている限り、人間は立ち上がれます。あきらめないようにしたいものです。
それよりも、わたくしはむしろ、厳しい角度が少ない状態でイージーアスペクトばかりが目立つ時にこそ、より警戒すべき要素が隠れていると考えます。
安定はとても良いものですし、助けが多いのもうれしいものです。しかし、その状態が続くということは、そこから出られないということでもあります。
間違いは発見されにくく、絡んだ糸は解けにくくなるという、「安定」は、あまりよい結果を生むとは思えません。むしろその逆でしょう。
この満月は、月蝕とともに、厳しい星回りを携えてやってきます。
あなたはこれまで積み重ねてきた努力や苦労を血肉にして、新しい自分のために前に進むことになるでしょう。
そのために、将来にむけてとても厳しい決心をすることになるのかもしれません。
今、満月のチャートから読み取れる厳しさは、多分に意図的で、前進するためにエンジンをかけるようなものかもしれません。あるいは、旅に出るための念入りな準備か。
それらがたとえ厳しくつらいものでも、わざわざあなたはその方向へ行くように思われます。
もちろん、むやみやたらに進もうとしているのではありません。大きな夢を成し遂げるため、豊かな愛を伝えるため、あるいは、深い暗闇から立ち上がるため。
あなたの決意はとても厳粛で、崇高な力を持っています。
どうか、敵を蹴散らすことよりも、遥か遠い目標に近づくことだけを考えてください。外から来る敵は、かわせばよいのです。
おひつじの満月の燃えるような明かりを頼りに、ただ前へむかって、強い一歩を踏み出してください。