2013年10月新月

10月5日午前9時36分天秤宮11度56分の新月です。
膠着していたことが一気に動きそうな新月ですね。
というのも、この新月は、白羊宮の天王星オポジション天蝎宮の金星とセミスクエアというふうに、動きのある角度を取っています。しかも金星はこの時東の地平線近く、今しも空に上ろうとしているところです。しかも金星は、新月の起こる天秤宮の支配星ですから、今回の新月は、金星の守備範囲のことがらが大きな動きを見せると言っていいでしょう。
金星の守備範囲は、もう皆さんご存知ですね。そうです。愛情とお金です。今回はこの金星、新月との角度だけではなく、獅子宮の火星とスクエア、磨羯宮の冥王星冥王星セミスクエアを作り、とてもダイナミックな力を発揮しそうです。もちろん冥王星天王星とスクエアですから、ここしばらくの揺れが影響するような動きを見せることになるかもしれません。
秋分後最初の新月でもありますし、春から半年の間に足踏みしていたことは、このあたりで結論が出るかもしれません。
その「結論」が、愛情のことかお金のことか、はたまた趣味や芸術か、それはお一人お一人によって違います。皆さんの思い当たることが願い通りに動けばそれに越したことはありませんが、なかなかそううまくは行かないものです。
例えば人物でいえば、金星は若い女性を表します。恋愛や金銭問題よりも、若い女性の後輩との関係だったり、思春期を迎える娘さんとの関係だったり、あるいは20代の半ばまでの女性なら、ご自分自身のアイデンティティーに関わる問題と向き合うことになるのかもしれません。
今回は、先ほども書きましたように金星が東の地平線のすぐ下にあるため、年齢性別は関係なく、自分自身の女性性と向き合うということになるでしょうか。しかも同じ時に火星が天頂近くにあり、この金星を刺激しています。さらにこの火星には、セミクインタイルという角度で巨蟹宮木星が味方についています。他者の、あるいはご自身の精神の高みにある男性性とのぶつかり合いが、より一層意識の上に上がりつつある女性性を意識させるのかもしれません。
これは女性だけでなく、男性も同じです。
そもそも、女性性男性性といっていますが、単に女性的、男性的ということではありません。
女性性は、受動性や柔らかさ、全体を横に繋ぎまとめる力などに表れます。対して男性は、能動的、活力、全体の上にたち、引っ張る力などに表れます。
それらは誰の中にもある能力で、そのバランスによって、力の発揮の仕方が異なります。良し悪しの問題ではなく、性質の違いの問題です。
ですから、今取り上げている女性性と男性性の問題というのは、例えば、「自分も含め、みんな同じ立場で語り合って、より理解を深めながら一つのチームとして機能するように計らう」やり方と、「自分が指揮系統を作り、全体をまとめ上げて一つのチームとして機能させる」やり方の違いだと思っていただければ良いでしょう。
どちらもうまくいけば素晴らしい方法です。しかしたいていの場合は、どちらかのやり方を主として、もう一方のやり方を従として織り交ぜながら行うことが多いでしょう。
わたくしたちの女性性、男性性というのは、日頃はそのように混ざり合って行動や考え方に表れます。それがうまく機能しない時は、自然にバランスを取っていくものなのです。
今回の新月は、あなたの女性性をより強く揺り動かすことになりそうです。
そして、その女性性をよりよく機能させることで、問題解決の妥協点を見出だすことができそうなのです。
大きな波がきても、それを受け入れ、漂うようにそこに身を任せてみる、そういうことで解決できることも少なくないはずです。わたくしたちは、解決というと、男性的に一歩前に出て決断することばかりを考えがちで、起こったことがらを静かに受け入れ、租借し、自分自身の血肉とするということにはあまりなれていません。しかし、この過程を経て解決したものは、問題に切り込んで原因を根絶やしにするよりも、人間の幅を広げることにつながるかもしれません。
是非、そのあたりを注意深く観察なさってみてください。
そして、あなたにとって完璧な解決を求めるのでなく、関係する誰もがおおよそのの満足を得られる妥協点を見つけるようにしてみてください。
最終的には、それが最も完璧な方法であるということがわかるでしょう。
さて、そのほかの星はどうでしょうか。
件の金星とセミスクエアの新月天王星とのオポジション冥王星は、天王星とのスクエアで、これらはかなりタイトなTスクエアを作っています。その頂点になる冥王星は、天蝎宮の水星、ドラゴンヘッド土星の一群(マジョリティ)とセミセクスタイルを作っています。これら天蝎宮のマジョリティは、すこし緩めではありますが、双魚宮海王星とトライン、白羊宮の天王星とインコンジャクトです。この中で土星についていえば、天王星冥王星との角度はかなりタイトになるため、このマジョリティ自体がタイトなアスペクトを組んでいると考えてよいでしょう。
これらのことから、この時期は、より女性的なものの考え方、つまり、論理的な筋立てでなく感覚を多用し、ニオイでかぎ分け、ハートで感じとるという判断の仕方が優位に立つような気がします。天蝎宮にある水星はドラゴンヘッドとの合により、見えないものをより一層感知し、金星はそこに美学を見出だし、土星はそこから学びます。これらを安定的に支えるのが海王星です。夢や、希望や、芸術が、その守備範囲です。この海王星は、白羊宮の天王星セミクインタイルを作り、その力を受け入れています。
天王星は、新月天蝎宮のマジョリティに強い刺激を与えながら、海王星を支えているわけです。
もしこの新月の時に、これまでと違った思いつきや、今までとは全く違った方法論で何かの解決法を見つけたとしたら、そして同時に、「そんな女々しいことできるもんですか」と思ったら、それは天王星の挑戦状にしてプレゼントかもしれません。
時間がかかっても、我慢することが多くても、長いものに巻かれなくてはならなくても、やってみる価値はありそうです。
センターに立って、脚光を浴びるばかりが成功ではありません。ステージに立つ人を動かしているのは、往々にして見えるところには出てこないものですしね。
さて、今日は女性性ということにスポットが当たるという見方のもとに、女性性と男性性について書いてみました。
ここで言う女性性と男性性というのは、女性はこうでなくてはならない、男性はこうでなければならないということではありません。女性性と男性性というのは、二つの真逆なエネルギーの性質に便宜上つけられた呼称だと思っていただければいいと思います。
個人のチャートでは、月や金星が女性性のお仕事、太陽や火星が男性性のお仕事をします。つまり、誰もがその性質を持っているのです。それらの状態で、女性性が大きく出る人、男性性が大きく出る人、等分に出て中性性が大きく出る人、普段は女性的なのに、驚くほど男性的な一面を見せるとか、その逆とか、そういったことが表れます。
誰もがそのバランスを自分で取りながら生きていますし、それによって人間としての成長が促されることもあります。これをパートナーとの関係に置き換えてみると、男性の役割、女性の役割というのは、そのカップルごとに違って当然ですし、その時々によって、うまく噛み合ったり噛み合わなかったりして、その調整を取ることで、カップルとして成長していく一面があります。
この新月の時、ご自分の女性性と向き合うとともに、パートナーとのバランスも、もう一度鍛え直してみるのもいいかもしれません。