2013年4月満月

4月26日午前4時58分天蝎宮5度46分の満月です。
今回は天蝎宮にあるドラゴンヘッドのそばで起こる満月ですので、月蝕を伴います。
天蝎宮で満月が起こるということは、太陽は金牛宮です。
しかも、太陽が東の地平線から上がろうとするまさにその時、満月が西の地平に沈もうとするのが見えるかもしれません。万葉の歌人柿本人麻呂の歌を思い出しますね。
「ひむかしの野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ」
東の空を見ると、太陽の上る直前の光が輝き始め、振り返ると西の空には今しも月が沈もうとしている。
というような意味でしょうか。
この歌の季節は冬のことですし、昔のことでもありますから、空の色も、空気の感触も違うかもしれませんが、太陽や月に対する憧れは、古代も今も変わらないと思います。もし満月の時刻に早朝のお散歩を楽しまれる方は、ちょっと思い出して、万葉の気分を味わうのもいいかもしれませんね。
さて、今回の満月の様子ですが、テーマは「愛」でしょうか。
なにしろ、この満月のそばには土星が寄り添い、向き合う太陽のそばには金星と火星が寄り添っています。太陽も金星も火星も東の地平線のそば。このときのホロスコープでは第1宮に位置します。しかもこの太陽と金星と火星が位置するのは金牛宮。金星は金牛宮の支配星ですから、その力は遺憾なく発揮されます。
火星はアセンダントをはさんで太陽と非常に近い位置にいます。つまり第12宮の終わりあたり。意識しない欲望や意欲が今まさに姿を現そうとしているかのようです。
これは悪いことではありません。よりよい生活、よりよい自分を求めるために「こうありたい」と願うことは、人間にとっては当たり前のことです。
しかし何事もそうなんですが、そういった願いをかなえるために、全く何の問題もなしに、誰もが完全に満足する答えを見出すことは、毎日の生活の中ではなかなか難しいことです。
しかしそれでも、これなら妥協できる、これくらいなら譲ってもいいよ、というような、互いに自分の利益をある程度守りながらでも相手の利益を尊重しようとする態度が取れる場面に出会えることがあります。今回の満月もそんな感じで、それが、身近な人間関係、特にパートナーとの間で起こるのではないかと思われるのです。
自分の中のわがままや、自分自身がこうありたいという強い欲望を感じたときに、生活のパートナー、仕事の相手先などと、ひょっとしたらぶつかるようなことが起こるのかもしれません。
どうしても通したい案がある、どうしても訴えたいことがある、そういう自分の「どうしても」は、あなた一人のわがままでしょうか。
もしそれが心からの願いで、自分だけでなく相手も周囲も、全体がよくなることを目指してのことなら、それはわがままなのではなく、「一案」です。
相手のことや周囲のことをよく考えて、きちんと提案してみましょう。あなたの熱意で通せるかもしれません。同時にそれは、相手も周囲も幸せになる事柄のはずです。
しかし、もしどう考えても自分だけの満足のための「わがまま」なら、もう一度考え直すのもいいでしょう。
自分だけが幸せというような「真の幸せ」は存在しません。一見よさそうに見えても、自分自身に跳ね返ってくるものが大きくなる可能性があります。
磨羯宮の冥王星が、金牛宮の金星や太陽とトラインであるこのとき、自分の気持ちと、本来願うべきことが一致しやすくなります。いえむしろ、本来の願いに通じた願いに気づきやすいと言うべきでしょうか。しかもこの冥王星天蝎宮土星セクスタイル
「努力に勝る天才なし」って、誰が言ったんでしたっけ?
賛否はあるとは思いますが、少なくとも普通の人の中では、努力を続けている人とそうでないで人は、時間が経てば決定的な違いが出てくるのは明らかです。
ましてや、人間関係などでは、本当の意味で努力をしているかどうかでお互いの関係性は必ず変わります。
この際、時間をかけてがんばってみることにしてはいかがでしょうか。
この満月のとき、木星と水星がセクスタイルで、ドラゴンヘッド、ドラゴンテイルの軸を中心にブーメランになっています。
木星ドラゴンヘッドはとてもタイトなインコンジャクトです。(真値を使用しています。平均値の暦、ホロスコープソフトとは2~3度のずれがあります。)
注意してください。
自分の思いを通すことが、本当に今のあなたに必要なのか、本当に全ての人の幸せにつながるのか、自分自身に静かに問いかければ、必ず答えが出る星回りです。そしてさらに、白羊宮の水星がヒントをくれるでしょう。
たぶんそれは「少し待ちなさい」というものかもしれません。
白羊宮の水星はフライングの名人です。そのフライングの名人と、大風呂敷の名人である双児宮木星が、ご先祖様や前世からつながるエネルギーにストップをかけられて、顔を見合わせているのです。
真の答えは、あなたの魂が知っています。そこからのメッセージが来るのを待ちなさいというのが、この木星と水星があなたに与えてくれるヒントです。
それだけではありません。この水星は、双児宮海王星からセミスクエアの応援も受けています。
イマジネーションを拡げてみましょう。この海王星は、太陽と火星にセクスタイル、月と土星にトラインです。あなたの中には、大きな大きな世界が眠っています。ちっぽけな欲望に振り回されて、その素晴らしい宝を見逃していませんか?そこに至ったときに、きっと本当にかなえるべき願いが見つかるはずです。
あせらず静かに見つめてみましょう。
長くなりましたが、後一つ、天王星です。
白羊宮にいて、このところずっと冥王星とスクエアです。現在は土星とインコンジャクトで金星と33度。いい位置ですね。
時間をかけて愛を注げば、何かが起こる。
そんな形です。長い時間をかけてきたことが、この満月のときに実るのでしょうか。
あるいは、これから長い時間をかけて実らせることを始めるのでしょうか。
成就は次のステップへの始まりでもありますから、本来ならば両方のことが用意されていることと思われます。
もちろん、その結果自分だけが満足するようなものは、実ることも始めることもできません。
満月ですし、これまであたためてきたこと、豊かな実りにつながること、自分だけではない多くの人に幸せをもたらすこと、そんな事柄を願えば、今、厳しい局面に立たされているあなたも、きっとよりよい在りかたに気づかれることと思います。
どうか、よい満月を。