2013年4月新月

4月10日18時36分、白羊宮20度41分の新月です。
ガッツのあるパワフルな新月です。
白羊宮は黄道十二宮の最初のサインです。
このサインの0度が春分点で、太陽がここを通過するとき、占星術では一年の始まりになります。
今回の新月は、その春分後の最初の新月です。新しい一年、新しいサイクルが始まりますが、いつもの春よりも、今年は凝縮して強い力を持つ春となるでしょう。
ご存知のとおり、新月は太陽と月のコンジャンクションです。今回そのそばには金星と火星があります。これらもコンジャンクションの圏内です。これらの集団と同じ白羊宮の初めのほうには天王星がいます。したがって、白羊宮に5星集まっています。この天王星天蝎宮土星とインコンジャクトで、双児宮木星とのセクスタイルとの組み合わせで緩めのヨード。また、天蝎宮土星は磨羯宮の冥王星セクスタイルで、双児宮木星との組み合わせで、これもヨード。木星土星天王星冥王星の、動きの遅い星たちで出来上がった台形の対角線を結んでできたようなヨードですから、長い間この形を保ってきました。ここしばらくの間、この二つのヨードの組み合わせが、馬車馬のようにあなたを働かせてきたのではないかと思います。とにかく自分が動かなければ何も片付かないように見えるので、動き、働き、物事を動かそうとするのですが、動いても動いてもどこに効いているのかわからないといった具合です。前回の満月情報では「ギュウギュウ詰め」と書きました。本当にギュウギュウ詰めの日々が続いていたことと思います。
しかし現在土星が逆行しており、次第にこの形が崩れてきています。そろそろ、これまでこなしてきた大量の仕事が、後残り少なになってきていることが見て取れるでしょう。そろそろ目鼻がついて、「息抜きしても大丈夫」になってきた方もいらっしゃるかと思います。お疲れ様でした。
しかし、週末からは冥王星が逆行することで、土星冥王星セクスタイルが保持され、7月中旬には天王星が逆行することで、天王星冥王星のスクエアが保持されます。当然、土星天王星のインコンジャクトも保持されます。順行、逆行を繰り返し、これらは緩んだりタイトになったりしながらしばらく続きます。土星冥王星セクスタイル土星天王星のインコンジャクトは今年の秋ごろまで、天王星冥王星のスクエアは2016年の前半ごろまでが目安です。
なお、土星天王星のインコンジャクトは2014年の6月ごろにまた現れます。これが「ぶり返した」となるのか、「モデルチェンジで新しいのが来た」となるのかは、何を中心に見るかで変わります。個人的な問題にしても、その人の動き方で変わりますから、あまり先の話をするよりは、日々最善の努力をしたほうがよい結果をもたらすことは間違いありません。
また、天王星冥王星はあまりにも長い話なので、長期的なプロジェクトやライフワークに関わってくるほか、世代的な問題、時代背景としての力が大きいと思います。
天王星とか冥王星という星の名前、スクエアというアスペクトの名前で、「何か悪いことが起きるのだろうか」というような単純な発想をしても当てはまりません。
どうしても悪い想像をしたければ、世界的な金融不安や、戦争の拡大などがそれに当てはまると思っていただければいいかと思います。
なんにせよ、この馬車馬のような働きは、木星土星のインコンジャクトが崩れることで一旦収束し始め、次の新しい段階に入ります。
新しいステージに上がろうとする人も多いと思います。
それは、単純な春の人事異動や入学入社などの、毎年起こるものではありません。それなら、春は当たり前のことでしょう?
もっと大きな「人生の脱皮」のようなものだととらえていただければ思い当たる方も多いと思います。「何もないわ」という方は、5年か10年ぐらいしてから、この2013年の春のことを思い出していただければ、「あ、あれか」と思い当たられるかもしれません。
さて、もっと近くて気持や体調に関係しそうな話をしましょう。
現在、太陽、月、金星、火星が、たいへん近い位置になっています。
これはとても特徴的です。
ここはたとえ話でご説明しましょう。
軍を統括する将軍である火星の屋敷に、王様とお妃様とお姫様がお客様でいらしています。
もちろん一番偉そうなのは王様である太陽ですが、寄り添うお妃様の新月も、王様に負けず劣らずパワフルです。(後ろでこっそり王様を操っているという噂も!
お姫様はにこやかに、しかし彼女は財務大臣も兼ねていますし、かつては軍を率いたこともある
ため、なかなかの実力者。
将軍は自分の家にいますから、いざとなれば荒々しい行動に出ることも可能です。
この4者の誰が国家と人民(あなた自身です!)の主導権を握るのでしょう。
どうか、あなたは王様よりもさらに強い立場でありますように。国王が人民を軽んじるような国家はろくでもない国になります。(つまらないプライドに振り回されて、本当のあなた自身を見失っては大変です。)
そして、お妃様とお姫様が妙な動き(感情の揺れ、無駄遣いなど)をしないよう、しっかり見張ってください。
将軍はあなたの味方ですが、時に暴走する恐れもあります。(怒りにまかせて動くことがないよう)十分にご注意を。
国家の本当の主である人民が幸せになるために、これらの星は働きます。
これらの星の力がきちんとまとまって、あなたという国を上手に治められるよう、どうか、ご自分の行動や心の動きにあてはめて、最善の努力ができますように、ご参考になさってください。
さてさてたとえ話はここまでです。
この4つの星のグループは、双魚宮海王星セミスクエア、同じく双魚宮の水星と、セミセクスタイルという関係になっています。
新月の起こる瞬間、東の地平線上に位置するのは天秤宮で、今これらの星が集まり、大きな新月のエネルギーの湧き上がっているのはそこから数えて6番目の部屋、人々への奉仕と自己管理の部屋です。そしてそれを間近で応援している水星と海王星のあるのは5番目の部屋です。
ここでわたくしたちは、「勤勉」ということ「労働」ということを少し考えなくてはなりません。
額に汗し、文句一つ言わずにこつこつ働く。それは良いことです。しかしそれが、やりたいことを我慢して、いやなことを強いられているのだとしたら、やはり何か間違っているでしょう。
誰に認められなくても、感謝されなくても、働き、人様のために尽くすことはとても素晴らしいことです。そしてそれは行なう人自身が喜びを持って行うものでなければならないとわたくしは思います。
そこに目的は必要ありません。
働くという行為そのものに意義を見出し、楽しむことで、他人から感謝されることなど忘れ、自分自身が感謝をしながら仕事を続けられるのです。
なお、このとき金星は一足先に7番目の部屋に移動しています。
自分自身の喜びと感謝をもって奉仕をしたその相手との心の交流が、豊かに行われようとしています。
身近な人との交流、若い人や次の世代への技術や宝物の継承、そして、それらを支える一人ひとりの人の力。そしてなにより、目の前にいる大切な人への真摯な態度があなたの今月のテーマになるでしょう。「大切な人」とは、恋人とか配偶者とかに限りません。両親、兄弟、先生、友達、同僚、上司、お得意様、(もちろん怖い近所のおばちゃんも!)ありとあらゆる場面で自分が向き合わなくてはならない大切な人のことです。
どうか、目の前の人を大切に、そのために、何よりご自身を大切に。
わたくしたち人間は、自分がしんどい状況でも人様のために笑顔を絶やさず、どんなに苦しくても身を犠牲にして働くというのはなかなかできないのです。
一見そのようなことをしているように見える人は、そういう自己犠牲的な状況の中でも、ご自分の喜びを見つけ、幸せに生きるすべを知っている人です。
安易にSとかMとかなどの言葉を使って「あたしSだからそういうのムリ!」とか、「あのひとMだから、しんどいのが好きなのよ」などというふうに言う風潮があるようですが、ここで、「喜びを見つける」というのはそういう行動の「嗜好」の問題ではありません。
自分がどのように生きるか、何をもって喜びとするのか、幸せとするのか、そういうことを理解し、それにのっとって生きることが大切です。そうすれば、努力も苦労も、やりがいのある「日々の行い」になるわけです。
まずは、ご自分自身がどのようにすれば幸せであり続け、好きなことをし続けられるのか、そして目の前の人をはじめ、周りの人々にも幸せを拡げられるのか、そこのところを考え、実行していけば、今回の新月、より強いパワーをあなたのものにできるはずです。
いつもはこのような言葉を使わないのですが、今回は白羊宮爆発の新月ですから特別に…。
「ご健闘をお祈りいたします!」