2012年8月満月 勘働きということについて

* 満月情報
8月31日22時59分、双魚宮8度34分の満月です。
ブルームーンですね。占星術的には別に言及する必要はないのですが、珍しいので、つい書いてみたくなります。
さてこの満月、月と太陽オポジションを磨羯宮の冥王星天蝎宮の火星が調停し、さらにこの冥王星は相変わらず白羊宮の天王星とスクエア、そしてこの天王星処女宮の太陽とインコンジャクトです。
波乗りですか?と聞きたくなるような、不安定な足元の上にしっかりと腰を落としてバランスをとるような感じです。
わたくしたちは地球のうえにいます。どんなにバランスが悪くても、わたくしたちには重力が効いています。走っても、跳んでも、片足で立っても、さらに波乗りをしていても、重力の支配から逃れることはできません。
真っ直ぐでも、斜めでも、重力に逆らわない状態であれば、それは安定しています。
この満月のホロスコープを見ていてとても安定しているように見えるのは、冥王星が月を、天蝎宮の火星が太陽を、それぞれトラインで引っ張っているからです。
綱引きでもブランコでも、引っ張る力と重力がかみ合ったとき、そこに安定が生まれます。この安定を、冥王星と火星が作り出していると、わたくしは思います。
この火星はまた、双魚宮海王星とトライン圏内でもあります。火星はもともと天蝎宮の支配星でもありますので、ここで強い力を発揮してくれます。火星は意欲と情熱の星。男性的な力の星でもあります。白羊宮での力の使い方とは違い、ここでは見えないところから強くひきつけてくる力を発揮するでしょう。抗いがたい力です。また、天蝎宮の一番の支配星は冥王星とされています。これが火星と手を結んで、地下からの重み、決して逆らえない強い力を感じる満月となるでしょう。
さて、双魚宮天蝎宮も、エレメントは水です。すべてを潤し、豊かな恵みを与えれくれると同時に、何もかも飲み込んでしまう恐ろしい力をも持っています。さらに9月に入ってすぐに水星が処女宮に入ると、双魚宮海王星オポジションを作り、この満月水と土の力を引き継ぎます。
この力を敵にするか味方にするかは、あなたの気持しだいでしょう。
重力や流れを利用して動くのか、無理やり逆らって厳しい状況を選ぶのか、どちらが吉とか凶とかいうことではありません。あなたが納得して選べばいのです。
折りしも空に満月が輝くこのとき、東の地平線からは、今しも木星が昇ろうとしています。どの星とも強いアスペクトを組まず、自分の力を思う存分好き勝手に発揮しようとしています。
手を拡げたくなるかもしれません。大きな望みを抱くかもしれません。しかしその時に、体にかかる力を忘れずに。どんなに高く跳んでも、地面に着かないときはありません。力のバランスを体に備えて進みましょう。
さて、今日出てきていないのが金星と土星です。金星は巨蟹宮にいて、天秤宮土星とスクエアです。ここは、何か目に見える感じで動くものがありそうです。
特に人と人との関係では、長く続いた確執や、報われない思いなど、手放すことができるものがあれば、思い切って手放す機会に恵まれるでしょう。金星が獅子宮に動く、6日ごろまでがチャンスです。しっかりと向き合いましょう。
わたくしたちの生活は星に支配されているわけではありませんが、星の力が強くかかっていると考えることはできます。
うまく利用して、日々の生活を楽しくしていただけたらと思います。
 
* 勘働きということについて
さっき木星のことを書いていて、ここでは「勘働き」が必要になると思いました。
大きく進めたい、手を拡げたい、それをどこまでやっていいのか、それともここは我慢のしどころか、それを見極めるには、予知能力というほどではありませんが、経験の積み重ねや微細な体の反応から得られる勘の力が、意外に必要なのです。
私事で恐縮ですが、わたくしはこの夏、一つの決断を下しました。
この決断を下すにあたって、この勘働きを使っていることを、決断を下してしまうまで気づかなかったということに、われながらあきれています。
最初から勘に従っていれば、迷うこともなかったし、エネルギーを使い果たすこともなかったし、生理も止まらずにすんだのにと思うと、いやはや、まだまだ未熟だと思わずにいられません。
この決断とは何だったかというと、書道に関することです。
わたくしの所属する書道会では、一定の条件をクリアーすれば、希望者は会を運営する理事になることができます。
わたくしはこの夏の初めにその資格を得たのですが、後は申込書を書くだけという段になって、身近に不幸が起こったり、勤めている会社の人員の入れ代わりがあったり、体調を崩したりということが続いて起こりました。
わたくしは資格を得たらこのメンバーに入るつもりでいましたから、申込書を書かなきゃ書かなきゃと思いつつも、忙しさにかまけてついつい先延ばしにしていました。
そして先の新月の直後、今こそ書かなくてはと思い、申込書と送り状を調え、後は発送するばかりになって、ふと思い直したのです。
そして、毎月の書道会の発行する雑誌を隅から隅まで見直しました。
そしてその結果、理事になるのはやめようと思ったのです。
理事になれば、まさに今プロとして活躍されている先生方に直接お会いすることもできますし、今よりもっとたくさん勉強できますし、展覧会へもどんどん出品していくことになります。自分にとってはまたとない進歩のチャンスです。
さらに、毎月の子ども用の雑誌に載るお手本も回り持ちで書きますので、自分の書道塾の子どもたちには、本に載っている先生に習っているということで、誇りを持ってもらえるかもしれません。しかしこれは、つまらない虚栄心です。にもかかわらずわたくしは、そういったことが、本当に自分にとって必要なのかということを露ほども疑いませんでした。
自分にも欲はあり、これでプロの書道家として前に進めるかもしれないという考えを持っていました。もちろんその考え自体が間違っているわけではありません。その考えは間違ってはいませんが、今このときこのわたくしに必要かどうかということについては、厳しく検めてみないといけないわけです。
それをせずに申込書を先延ばしにしていたのは、わたくし自身の不覚でした。さっさと自分にしっかりと問いかけて結論を出していれば、一ヶ月も心を重くして生活しなくてもよかったのにと思いました。途中で、満月のころに来るはずの生理がこなかったときも、年齢的なものだと気にしなかったのですが、「やめよう」と決断したら、その日の夜に来たのです。まるで今まで溜めこんでいたものを吐き出そうとするかのようでした。
翌日先生に電話をして、申し込みをやめることに決めた旨をお話し、生理が来たといいましたら、「悩んでたんやねぇ」と、笑いながら言ってくださいました。
「そのうち力をつけて、本部からお呼びがかかったら行ったらいいねん。今は自分のペースで勉強したほうがいいよ。」と、励ましてくださいました。
なぜ、先延ばしにするのか、なぜ、何かと不都合が起こる(ように見える)のか、その時に欲に目がくらんでなければ簡単に答えが出たはずです。
もし本当に望んでいることで、そのときに必要なことなら、何があっても申込書をさっさと書いて提出したはずです。だって、名前と住所と電話番号を書くだけの申込書です。送り状だって、「よろしくお願いします」と便箋に書けばいいだけです。(添えない人もいでしょうし)それほどたいした労力は要りません。10分あればできる仕事です。
それを先延ばしにしているということは、やはりどこかでやりたくないという気持が働いていたか、やるべきではないというストップがかかっていたかです。
少し欲を手放して自分に問いかければ済むことなのですが、人間というのは不思議なもので、さまざまな事柄を自分の欲の都合のいいように彩るものですから、なかなかくらんだ目をクリアーにすることはできないのです。
今回は、その決断を新月の直後にしました。まさに新月の時には前に進むつもりだったのを、急転直下、方向転換して今の場所にとどまることに決めたのです。
星の位置から考えても、前に進むべき象意はたくさん出ていましたが、いくつか自分のためにならない部分があることも、後になってから確認しました。
勘というのは、実に繊細です。欲に目がくらめば、必ずそれは乱れ、鈍くなります。そうなると、目の前に見えていることですら、見えなくなるときがあるのです。
わたくしたちは常から自分の体や環境に注意を払い、何か違う道に進んでいればすぐに修正できる力を持っています。それが「勘」です。もちろん注意を払っていなければわかりませんし、一点に注意しすぎてその周辺が見えなくなることもあります。
その繊細な勘の働きは、仕事にも恋愛にも役立ちます。
どうかみなさん、次の一歩を進めるときに、その勘を働かせてくださいませ。
そうすれば、必ずよい結果に導かれることと思います。