2012年8月新月 お盆のこと

* 新月情報
8月18日午前0時56分獅子宮25度08分の新月です。
17日から18日に、日付が変わってすぐですね。
願い事を書く方、おまじないをする方、どうかお間違いなく。
さて、今夜獅子宮新月の起こるとき、天秤宮では火星と土星が合となって、この新月セクスタイルになります。なんだか根性のいりそうなことが始まる予感がします。おりしも磨羯宮の冥王星巨蟹宮の金星がオポジションで、そこへ白羊宮の天王星が絡んで、T-スクエアができております。このT-スクエア、新月直前の17日ぐらいがピークのようです。
さらにこの一角をなす金星が新月セミスクエアとなっていますので、今回の新月、若干テンションが強くかかる運気になりそうです。
これから何か一歩を踏み出そうとしている方は、かなり強い緊張感や責任感を持ってことに臨もうとしていらっしゃるでしょう。また、今しもドアを開けて新しい世界に出ていこうとされている方は、この先には見たこともない世界が広がっていそうな不安と希望の入り混じった複雑な思いで手をノブにかけていらっしゃるのではないでしょうか。
これからあなたの前に展開される世界は、これまでとは全く違ったものになるかもしれませんし、おおよそは見たことのある世界かもしれません。いずれにせよ、そこに踏み込むには、それなりの勇気と覚悟が要りそうです。とはいえ、そこから逃げるということも考えづらいことですから、もう、腹を括るより仕方ないでしょう。どうかご覚悟を。
さて、このT-スクエアの頂点である天王星は、新月と同じ獅子宮にある水星とトライン、双魚宮にある海王星セクスタイル双児宮にある木星セミクインタイルとなっており、さらに、水星は冥王星とインコンジャクト、海王星人馬宮ドラゴンヘッドとスクエアというふうに絡んでおります。
どこから何がやってきてもおかしくない、びっくりとドキドキの形のようです。
自分がどこへ進むのか、どちらへ向かっていけばいいのか、これまで悩み考えていた人には、何らかの答えが出るでしょう。
いえ、すでにもう答えは出ているのかもしれません。
後は、その足を前に一歩出すだけなのかもしれません。
この新月には、誰かが背中を押してくれそうですよ。
 
* お盆のこと
さて、お盆休みもそろそろ終わる頃ですね。皆さんはまだ休暇中でしょうか、あるいはすでにお仕事に戻られているでしょうか。
それにしてもこの暑さでは、たとえお仕事が始まっていても、今週いっぱいはリハビリ状態かもしれませんね。
わたくしが日常仕事をしている運送会社では、厳密に言うとお盆休みというのはなく、荷主様からのオーダーしだいで、交代で休むという仕組みです。それでも世間がお休みですから、13日から15日は、ほとんど仕事はありません。そんなわけでドライバーの皆さんも、田舎へ帰ってお墓参りをしたり、経木をお寺に持っていったり、それぞれの家庭で何かしらお盆の行事をしているようです。
お盆はご先祖様の霊が帰って来られる期間だといわれています。
お寺関係の行事になることが多いので仏教の大切なお祭りのように思いますが、必ずしもそれだけではないそうです。
「お盆」という言葉は仏教の「盂蘭盆(ウランバナ)」から来ているようですが、さらにさかのぼれば、古代イランの言葉で「霊魂」を意味する「ウルヴァン」が語源といわれています。古代イランのゾロアスター教の宗教行事に祖先の霊の「フラワシ」を祀るというものがあったそうです。この「フラワシ」というのはゾロアスター教の下級の神様、精霊で、森羅万象に宿り、あらゆる自然現象を起こすとされています。これは人間にも宿っており、人間の魂の最も神聖な部分が「フラワシ」なのだそうです。これが祖霊信仰と結びつき、祖先の霊を祀る宗教行事が生まれたといわれています。
これがインドに伝わり、盂蘭盆の起源になったのではないかという説もあるようです。
しかし、これが中国や日本に伝わる段階では、純粋に仏教の行事としてではなく、仏教以外の思想も習合していったようです。そしてその結果、それぞれの「お盆」が成立しているようです。
日本では8世紀ごろから、夏に先祖供養をするという風習が確立されたということです。
もともとは春と秋の最初の満月の日にご先祖様の霊が子孫のもとを訪れるという考えがありました。そして、春の最初の満月は年神様を迎える正月の行事として小正月に、秋の最初の満月はご先祖様の霊が帰ってくるとしてお盆に、それぞれ定着したようです。
そして、現代の日本の社会人の夏休みは、だいたいそこにあわせて設定されているようです。
しかし、たっぷりお休みが取れるというようにはなっていないと思います。
長くても1週間程度のお休みが取れれば上々でしょうか。
3日とか1日というところもあるでしょうし、お休みそのものがないので、時期を見て有給休暇を取るしかないという方や、最初から休まないという方もいらっしゃるでしょう。
そして、お休みが取れたら、混雑する鉄道や高速道路に苦しみながらも故郷へ帰り、家族で顔を合わせ、ご先祖様の霊に感謝をするというふうになっていると思います。
考えたら本当に大変なことです。
欧米の習慣のように、長い夏休みを自分や家族だけのために使うのではなく、休みともいえない短い夏休みを、さまざまな苦労をして実家に帰り、ご先祖様を迎えることにつかうのです。
本当にたいへんです。しかし、これは本当に大切なことだと思います。
日本の夏休みは、まさにこのためにあるわけで、社会人の夏休みが「盆休み」という呼称から変化しないのも、このように目的がお盆行事に絞られているからかもしれません。
めったに休めないから、海外旅行くらいしたいという方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、それはそれで有意義なお休みの使い方だと思うのです。毎日一所懸命働いているのですもの、心身ともに気分を変えて、次の仕事に向かいたいですよね。
ですから、そういうふうに夏のお休みを使うときは、お盆の期間中やその前後にご実家に電話などをして、ご家族の皆さんの声を聞き、心の中でそっとご先祖様に感謝する時間を持つのはいかがでしょうか。
「仕事が休めなくて、このお盆は帰れなかった」という方も、この週末のちょっとした空き時間を利用して、おうちに電話したり、ご先祖様に思いを馳せて手を合わせてみるのはいかがでしょうか。
その際、ご先祖様に何かお供えしたいと思われるかもしれません。
もしそのお気持があれば、新しい紙コップに沸かしたてのお湯をたっぷり注いで、お供えしましょう。もちろん、お仏壇などの祭壇を設けていらっしゃる方は、普通にお線香を上げればいいことです。しかし、親元を離れて一人暮らしをされている若い方や、仏壇をお持ちでないご家庭なら、この方法で十分です。
ご先祖様は、お線香の煙やお白湯の湯気を召し上がります。
こういったものをお供えし、感謝をすることで、ご先祖様の供養になります。
わたくしたちがこうしてこの世に生を受け、生きさせていただいているのはご先祖様あってのことです。心をこめて手を合わせたいものですね。
これは、お盆に限らずいつしてもよいことですが、なかなか毎日の生活の中に取り入れるのは難しいことです。
ですからせめて、思い出したとき、あるいは年に一度のお盆の時期だけでも、こうしてご先祖様に感謝する時間を持ちたいものです。
ご先祖様は、いつでもわたくしたちを見守ってくださっています。
安心して、毎日の生活を送りたいものです。
さて、こういうお話をしますと、先祖供養をしないと悪いことが起こるのだろうかという疑問をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、決してそんなことはありません。
とはいえ、世の中には生活の差障りはご先祖様の供養が足りないからだなどという売り文句で、物を売ったり祈祷したりして、何十万円もの謝礼を要求する人もいるようです。
そういう人のお話が本当かうそかはわたくしにはわかりません。しかし、普通に考えてみて、ご先祖様が可愛い子孫に祟ったりするでしょうか。そんなこと、考えられないでしょう?
供養しなくても、見守ってくださるのは同じことです。しかし、供養すればやはり喜んでくださいます。自分が大切に思っている相手から大切にされれば、誰でもうれしいのと同じです。
いつでも、どこでも、どんな状態でも、ご先祖様は、自分の子孫がいつも幸せであるように常に見守ってくださっています。
そのことをしっかり心に留めて、「ありがとうございます」と手を合わせさえすれば、ご先祖様と心が通います。
お願い事もする必要などありません。ただただ感謝の気持を伝えること、それがご先祖様の何よりの供養になり、あなた自身の平安につながるのです。
もし、このお盆にお墓参りに行けなかった、実家に帰れなかった、そういうかたは、今からでも大丈夫。旧暦のお盆(旧暦7月15日)は、今年でいうと、カレンダーの9月1日になります。次の満月(8月31日)の翌日です。
お部屋の好きな場所にお白湯を供えて手を合わせれば、お盆の供養ができるというものです。
もちろんいつでも思いついたときにできるのですから、日にちがずれるくらいは気にしないでおきましょう。今日すぐにしたってかまわないのです。
作法も日にちも、決して難しく考えることはないのです。大切なのは心を込めるということ、それだけです。
ご先祖様のお見守りを感じて、素晴らしい時間をお過ごしください。