2012年7月満月 小さな成長、大きな喜び

* 満月情報
7月4日午前3時53分、磨羯宮12度14分の満月です。
ホロスコープをご覧になれる環境にある方はおわかりだと思いますが、ずいぶん派手な満月の星回りです。
ひとつずつ書いていたら何を書いているのかわからないほど、重要なアスペクトがごちゃ混ぜになっていますので、全部羅列するのはやめて、目立つアスペクトからこの満月の日の気配を感じ取っていきましょう。
まず満月のとき、大阪では、巨蟹宮にある太陽が東の地平線の下方に。かたや磨羯宮の月は、西の地平線近くに。この月のそばには冥王星があり、この冥王星が根となって、双児宮の金星、獅子宮の水星がタイトなヨードを作ります。微妙なバランスの上に成り立つ何かが、あなたを支えてくれているようです。あるいはあなたがその微妙なバランスを支えているのかもしれません。このヨードの角の一つになっているのは、言葉と動きの星の水星で、獅子宮にいます。もう一方の角の金星は豊かさの星。双児宮にいて、その隣には、拡大と保護の星、木星が輝いています。今、あなたの目には見えないけれど、大きな大きな何かの力が、あなたを助けようとしてくれています。あなたの感じる微妙なバランスは、その豊かな力がこっそりと支えてくれているのではないでしょうか。耳を澄ませば、その大きな力のメッセージが聞こえるかもしれません。
さて、このヨードの根になっている冥王星は、相も変わらず白羊宮の天王星とタイトなスクエアです。今まで当たり前だと思っていたことに大きな変化の出てくる形ですが、それは何年もかけて仕上がることなので、今簡単に目に見えることではありません。5年10年経った後に、「ああ、なるほど天王星冥王星のスクエアは、こんな働きをしたのだなと思い出すことができるでしょう。さらにこの天王星は金星・木星セクスタイル、水星とトラインで、人馬宮にあるドラゴンヘッドともトラインになっています。これによって、金星・木星ドラゴンヘッドオポジションを軸としたカイトの形を作っています。今は、感謝のときです。大きな変化に見舞われて、慌てたりおろおろしたりする必要はありません。現状がどんなふうに見えても、必要なものは既に手に入っているのです。言い換えれば、手持ちのカードで勝負をするしかないのです。そしてどんなに平凡なカードでも、使い方によっては場の空気を一変させることができるはずです。それは、あなたの意志にかかってきます。小細工を弄するのではなく、大きく変化させる一手を出してみましょう。
またさらにこの木星ドラゴンヘッドとのオポジション双魚宮海王星がスクエアを作って、ここにタイトなT-スクエアが出来上がります。大きな力があなたの精神の奥深く、魂のそこから生まれてきます。それはきっとあなたの心を強く揺り動かすでしょう。あなたの学びたいものは何ですか? 自分を本当に高めるものとの出会いがあるかもしれません。ただ面白いとか楽しいとかいうものではなく、そのことに出会って、これまでなかったような大きな魂の喜びを感じるのではないかと思われます。
そしてこの木星ドラゴンヘッドオポジションを、天秤宮に入ったばかりの火星が調停します。
どこからともなく表れる大きな力を使うのは、あなたの体、あなた自身です。
どんない大きな力を持っていても、わたくしたちはこの世に生きる「人間」です。力を実現できるのはこの体でしかありません。頭でいくら考えても、考えるだけでは何の効果もないのです。
今年上半期、いろんな形で酷使した体にエネルギーを与え、かかりすぎたテンションから解放してあげましょう。珍しいことを考える必要はありません。あなたの知っている方法で、やさしくケアしてあげさえすれば、今年後半戦、必ず頑張ってくれるでしょう。
さて、こんなにもたくさんの重要なアスペクトが絡まるようにして構成されていながら、今日まだ一度も取り上げていないのが土星です。土星は、今回満月が起こる磨羯宮の支配星として、注目すべき星のひとつです。今回は木星とのセスキコードレイトなどのマイナーアスペクトを作って登場です。メジャーアスペクトがありませんから、ノーアスペクトとして扱われますが、決して力がないわけではありません。むしろ、頑張るみんなを静かに見つめる長老のような役割をしてくれているのだと思います。
長老ですから、だめなことはだめといいます。性急に物事を進めることもありません。
ただ静かに見守るだけでなく、きちんとストッパーの役割もしてくれるのです。そして、インスタントではない、時間をかけた丁寧な仕事を応援してくれるのです。
今回の満月は、とてもインパクトの強いものになりそうです。たぶん、今まで経験したことのないことに出会う人も大いに違いありません。
どうか、驚かず、慌てず、きちんと自分自身に戻って対処するようにしてください。
 
* 小さな成長、大きな喜び
磨羯宮の満月ですね。
時間をかけてじっくり取り組んできたことが成就したり、逆に、せっかく頑張ってきたことに終止符を打つことになったり、何かとてもはっきりした答えが出そうです。
これを読んでくださっている方の中にも、すでに大きな達成感を味わっていらっしゃる方や、「こけてもただでは起きへん!」と奮起していらっしゃる方など、いろいろだと思うのです。
わたくし自身にもすでにいろいろなことがあり、じたばたしている今日この頃です。
まだそこまで行っていないという方も、これから一月くらいの間に、何らかの変化が訪れることになると思われます。
それにしても、満月や新月のタイミングには、いつも「変化」とか「成就」とか言っていますが、皆さんは実際にその変化を経験されているのでしょうか。
わたくしはこうして書いているからかもしれませんが、大なり小なり満月や新月のタイミングで何らかの変化が起こっています。もちろん毎月のことですから、大きなことはほとんどなく、たいていは小さいことです。人によっては「それって『変化』っていうの?」というふうに言いたくなるような小さなことも含んでいます。
現実には日々の変化というのはそう大きいことでもないのです。
驚くような素晴らしい恋をしたり、突然のチャンスに恵まれて仕事で大抜擢されたり、そういうことはそうそうあることではありません。
そして実際に起こるのは、それほどでもない小さなこと、例えば時給が10円上がったとか、以前から通勤途上で見かけているあこがれの人と挨拶を交わすようになったとかです。
いや、こういうのはそれほど小さなことでもないな。でも、毎月のようにある新月や満月のタイミングなら、このくらいのことは起こってもいいような気がします。
具体的にはこういうことじゃなくてもいいのです。その人の興味の方向というのがありますから。
で、場合によってはその人本人では見つけられないけれど、周りの人が見つける場合だってあります。
お習字の教室に通ってきている子どもたちを見ていると、本当にそういうことに出会います。
子どもたちは毎回「書かれへん。」「おれ、へたくそや。」などといいながら、一所懸命お稽古をします。子どもたち自身は気づいていないのですが、ほんの2~3年習うだけでも、その上達は驚くほどです。
「上手になったね。」と声をかけると、「あかんわ。こんなん。」と答えて本当にそう思っているようなのですが、指導する側から見れば、目覚しい成長を遂げているのです。
お稽古事をしている人はだいたいおわかりだと思うのですが、本人はそれほど成長しているとは思わなくても、始めた頃と1年後、5年後、10年後では、もうまるきり違いますよね。しかしそれは、1年後に急にうまくなるとか、5年後に急に成長するとかいうものではなくて、一日一日の見えないほどの小さな進歩が積み重なってそうなるのです。
そして、その変化に自分で気づくのが、新月や満月のタイミングだと、わたくしは思います。
誰でもみんな、毎日小さな努力をしています。
しかし、それが及ばない日もあります。
「子どもを怒ってしもた。」とか、「授業中に寝てしもた。」とか。
でも毎日、「今日は怒らずにやさしく言い聞かせよう。」とか「今日こそしっかり聞くぞ。」と小さな決断をし、そうしようと向かうことで、いつかは子どもを怒らず言い聞かせることもできるようになりますし、授業の大切なところを聞きもらすこともなくなるでしょう。
自分で自覚できるのは、たいていかなり成長してからです。その前に周りの人が気づきます。
「がんばってるね」とか、「笑顔が素敵」とか、自分で気づかないようなところをほめてくれる人が現れたら、次はあなた自身が気づく番です。
しかし、もしどうしても自分の変化に気づけず、いつまでも自分はだめだと思っていらっしゃるのなら、今取り組んでいることの最初の頃を思い出してみてください。
もちろん長い時間がたっているものほど有効です。
どうしたって、その頃と比べれば成長しているはずなのです。
もし、それでも「あかん」と思われるなら、「成長」、「成功」ということの意味を考え直してみるのもいいかもしれません。あなたが思い描いている成長とか成功とかは、単なる固定化したイメージかもしれません。別な視点で見れば、驚くほどの成長を遂げている自分に出会えるかもしれません。
今夜、満月は磨羯宮です。もし、静かに据わって目を閉じる時間があれば、ご自分がこれまでいかに成長してきたかということに思いをはせてみるのもいいかもしれません。
そうすれば、支えてくれた周りの人々に感謝し、明日からの新しい日々への希望を新たにすることができるのではないでしょうか。