2012年5月満月 「心を浄化するために」

* 満月情報
5月6日
12時36分、天蝎宮16度1分の満月です。
「片付ける」という言葉の浮かんでくるようなこの日の星回りです。
片付けるというと、おうちの整理整頓とか掃除とか、ちょっと前に流行った「断捨離」とかを思い出します。でも今回の星回りは、そういうのとはちょっと違います。
今まで自分自身の目にすら触れないように隠していたことを、もう一度目の前に出してきて、本当にあるべき場所に置きなおすという作業が必要になりそうです。
捨てさえすればいいのではないということです。
満月は物事が成就するときです。長く願っていたものが成就したなら、そこに至るまでに使いつぶしたものや、もう必要のない資料などは捨ててしまってもいいのかもしれません。しかし、わたくしたちの人生はいろいろな物事が錯綜しているため、そう簡単に何もかも捨てて片付けるということはできません。むしろ、片付かないまま、成就しないまま見えないところに押し込めているもののほうが多いような気がします。
この満月時には、そんな片付けようのないものが次々に目に触れて、捨てることもかなわないまま、それでもきちんとあるべき場所に戻される、または場所を与えられるということになりそうです。
まず、この満月が起こる蠍座の主星である冥王星は磨羯宮にいて、白羊宮の天王星とスクエア、処女宮の火星とトラインです。思ってもみなかった自分の可能性や欲求が、まだまだ出てきそうな雰囲気です。また、この天王星処女宮にある火星とインコンジャクトのため、出てきたものを若干力ずくで押し込めたり並べ替えたりするような気配もあります。さらに火星は双魚宮海王星オポジション人馬宮ドラゴンヘッドとスクエアの、T-スクエアになっています。今までもやもやとしていた「夢」や、そういえば子どものころにあこがれた記憶のあるものが、ふと何らかの形を成して見えてくるのではないでしょうか。同時にこのドラゴンヘッド天王星とトラインです。出てきた何かは、今までと同じあなたのままではおさまりのつかないようなことかもしれません。またこのとき、白羊宮にいる水星と、天秤宮にいる土星オポジションとなり、今まであたためてきた考えを言葉や文章にしたり、逆にこれから長期的に目標にしなければならないことを、目に見える形で心の奥から引き出してくるということも考えられます。
またこの土星双児宮の金星とトライン、金星は金牛宮木星セミセクスタイル、同じく金牛宮の太陽とセミクインタイルと、安定したやさしい角度を持っています。
愛とお金に関しては、大きな変動はなさそうですが、じっくりと時間をかけて育てる気持ちは、いつもよりも必要かもしれません。大切にしたいですね。
 
* 心を浄化するために
満月が天蝎宮で起きます。成就するというより、なにやら次から次へと出てくるような満月になりそうで、とても楽しみですね。
ただ、なんだか自分の隠しておきたいことや、見ないふりをしてきた物事の側面などが見えて、少し驚いてしまうようなことがあるのではないかという気配もあります。
たぶん、そうですね、そこで目にするもの自体は、見えないように隠してきたもの、しかも隠していることさえ忘れてしまうほど巧妙に隠してきたものが、むくむくと姿を現してくるかのようです。
これをお読みの方はそれが良いことなのか悪いことなのかをあらかじめお知りになりたいかもしれません。しかし、起こる事柄自体は良いことでも悪いことでもありません。というより、事柄というものに善悪はないのです。事柄の善悪というのは、それを体験したり見聞したりした人が、自分の中に起こる感情を、自分で判断して決めることです。
ですから、そう簡単にそれは良いことか悪いことかとは言えないわけです。
さて、わたくしたちは生まれてからずっと、いろいろな事柄に出会ってきています。
その間に、悲しみや怒りといった感情を感じていくことがあります。わたくしたちはそういう感情を少しずつ片付けていくわけですが、でも、そんなに上手に片付けられるものではありません。そして、片付け切れなかった感情が、少しずつ体や心の奥にたまっていきます。生まれ変わりというものがあるとすれば、過去の人生からのそういう感情の澱もまた、背負った状態で生まれてくることになりますし、今生で片付け切れなかったものもまた、来世に持ち越すことになります。
さて、こうして人生の始まりから、あるいは生まれる前から溜め込んできた感情の澱は、解消されることなくたまっていくばかりなのでしょうか。
いいえ、そうではありません。
これらは時が来れば、何らかの形で表面化します。小さな事柄や短い期間のものは軽く小さな形で、大きな事柄や長い期間のものは重大な形で現出してきます。
具体的には病気や怪我、事故という形をとることもありますし、人間関係や生活の変化という形で現れることもあります。
見えないものが見えてくるとき、そしてそれを本当の意味で片付けなければならないとき、わたくしたちの日常の感覚では痛みや恐怖が伴うものです。なぜなら、現れてきたそれが心の底にたまったときの感情が、悲しみや怒りなどの痛みを伴うものだったために、直視するのを恐れ、片付けてしまうことができなかったからです。そのような形で心の底に隠していたものですから、取り出して見つめるのは、怖くて辛いものです。痛みを伴って当然です。しかし、どんなに痛みを伴っても、いつかは片付けなければならないのです。
病気、怪我、事故など、思わぬことが起こるというのは、古くから溜め込んできた心の底の澱が表面化してきたのかもしれません。だとすれば、それらに向き合い、きちんと解決していくことで、心の底に溜まった澱を綺麗にすることができるのではないでしょうか。
生活や人間関係の変化も、大きな痛みを伴うものは心の澱の解消なのかもしれません。
これらは病気や怪我と違って、顔を背け、逃げることもできます。しかしそんなことをしては、結局また新しい心の澱を作ることになります。やはり、きちんと向き合うことが大切だと思います。
膿を出してしまわなければ、傷が治ることはありません。その膿を出すために、傷をメスで切り開かなくてはならないこともあるでしょう。
天蝎宮で起こる満月は、「出血」という意味を持つともいわれます。
あなたの心の傷を天蝎宮の満月が切り開き、底に溜まった膿を、出してしまってくれるのかもしれません。
もちろん、すべての膿を出し切ることはできないでしょう。それでも、いくつかの大きな傷は、この痛みを経て、完治するに違いありません。