2011年9月満月

このたびの台風、豪雨で被災された皆様に心からお見舞い申しあげます。
行方のわからない方々が一刻も早くご家族の元へ帰られますように。
そして、天に召された皆様のご冥福をお祈り申しあげます。
* 満月情報
9月12日18時28分、双魚宮19度17分の満月です。
この満月、ものすごくきれいにドラゴンヘッドとTスクエアを組んでいますね。
冥王星と水星の120度とか、金星と火星の60度とか、見た目にやさしいものがあるんですが、ホロスコープを見てみると、このTスクエアが一番最初に目に飛び込んできました。
このTスクエアは、処女宮の太陽と双魚宮の月の180度に人馬宮ドラゴンヘッドが90度という角度で作られています。月が絡んでいるので瞬間的です。今宵限りの、何かきらめくような心の動きが起こるのかもしれません。
見えないけれど、自分のつながれている何か。自分の力ではないけれど、そこにあって自分を幸せに導いてくれる大きな力の存在に、心を揺さぶられるひと時があるような気がします。
この日、処女宮の金星と巨蟹宮の火星が60度、磨羯宮の冥王星処女宮の水星が120度というやさしい角度を作っています。
これら四つの星はみんな女性宮にあります。特に水星は自分のホームグラウンドで力を発揮しやすい状態です。
したがって、コミュニケーションの活発化、しかも受け取る力が活性化するような気がします。何かを伝えようという気持より、何かが伝わってくる感じのほうが強くなりそうです。
海王星双魚宮に入っていたらもっと強いエネルギーを受けて、テレパシーなんかが使えそうな気分になるんですが、ちょうど逆行中で、宝瓶宮です。リモコンで隣の部屋のテレビを操作する感じですね。ですから能動的に動いても、少しもどかしくなるかもしれません。
静かに受けとめる、受け入れる姿勢が、星の動きに適うような満月の夜です。
感受性が極めて豊かになるこの満月の宵、愛と感謝にたっぷりと浸りたいものです。
 
* 時代を動かす力…天王星冥王星 
さて、満月情報では触れませんでしたが、現在注目すべきアスペクトとして磨羯宮の冥王星と白羊宮の天王星の90度があります。この角度は6月からずっとあり、ゆるくなったりぴったり重なったりしながら2016年の春ごろまで続きます。
長い期間ですが、この期間に起こることは、わたくしたちの人生の中でも特に大きな経験となるでしょうし、社会への影響も大きいと思います。
こういうふうに書くと、「何が起こるんですか?」と訊かれそうな気がしますが、それはわたくしにはわかりません。
一つだけ言えることがあるとすれば、それは、新しい時代を迎えるための準備のようなものだということです。
冥王星天王星も、とても長い時間をかけて動く星です。
これらの星の動きを考えようとするときは、個人のレベルで何かが起こるというようなことにとどまらず、社会全体の動きにも注目しなければなりません。したがって近代史の年表と首っ引きで調べなければならず、歴史の苦手なわたくしにとっては厳しい作業です。でも、調べなきゃならないときもあります。
先日も、あるクライアントさんのご質問で「世界恐慌のときの星の配置ってどうだったの?」なんていうのがありました。
もちろんかつて調べたことがありましたし、このブログでも書こうとしました。
暗黒の木曜日」1929年10月24日。
実はこのときの天王星は、現在ととても近い白羊宮の8度でした。
さらに、冥王星は現在とほぼ真向かいの巨蟹宮。サイン同士では天王星と90度になります。
さらにこの巨蟹宮冥王星と白羊宮の天王星は、満州事変のあった1932年には、かなりタイトな90度を形成しています。
って、占星術やってる人は誰でも調べると思うから、そんなすごい情報じゃないんですよね。みんな知ってる。
天王星冥王星が90度になると、時代を動かす大きなことが起こるということも、前回天王星が白羊宮にあった時代には世界が二度目の大きな戦争へとなだれ込む時代でもあったということも、占星術をやっている人なら、やはり誰でも知っています。
さらにこれから書くことは他の方も書いておられると思うので、いろんな文献をお読みの方には周知のことで恐縮なんですが、他のは読んでないよという方もいらっしゃると思いますので、一応書いておこうと思います。
 
天王星冥王星は速度が違います。
天王星のほうが早く動きますから、この世界恐慌や戦争の時代に90度が作られたら、次は、120度、0度になる時代が来ます。
120度になるのは1943年ですので、第2次世界大戦の、まさに真っ只中でした。
B-25による初めての日本本土への空襲、イタリアでのムッソリーニの失脚、そういった事柄が続々出てきます。この年の7月1日に東京都制が施行されていますが、これは戦時下における作戦の一つと見ていいかもしれません。(この東京都制は1947年の地方自治法の施行に伴って廃止されています。)
やはり120度という角度は、新しいものが始まるよりも、その時点ですでにあるものが継続するという性格を持つようです。
そして気になる90度ですが、一番タイトなところで、1965年の秋から1966年の秋ごろ、天王星冥王星処女宮で重なっています。
このあたりの出来事を調べてみると、もちろんいろいろなことがあるのですが、現在注目すべき事柄の一つとして、日本で始めての商業用原子力発電が始まったというものがあります。
このとき、冥王星天王星処女宮18度でほぼ重なっています。(冥王星18度1分、天王星18度42分)
ちょうど天王星冥王星を追い抜いたあたりです。重なった瞬間を完全に0とするなら、そこから何かが始まったところと見られます。
さて、これも皆さんよくご存知のことですが、天王星はウラヌス。冥王星はプルートという名前でも呼ばれます。
これらは原子力発電の燃料に使われている物質のウラン、プルサーマル発電の燃料であるプルトニウムと、それぞれ語源が同じです。
占星術では、特に冥王星原子力を象徴するのですが、同時に天王星もその科学的側面で関連しているのではないでしょうか。
天王星は科学技術や革命を表わしますから、1965年の原子力発電の開始は、まさに日本における原子力による科学の革命だったのでしょう。
そしてその後、タイトな90度を作るのが2011年の現在です。
 
現在わたくしたちは、原子力の利用という点で、一つの転換期にいます。電力、経済、そして一部の人々の権益という面での原子力への依存の時代は今が一つの転換期です。
原子力発電を見直そうという気運は、必ずここで大きく育ちます。
この後、天王星冥王星が120度を作るのが2025年の夏ごろになります。(2024年にもかなり近い位置になり、金牛宮天王星、磨羯宮冥王星でかなり120度に近づきます。しかしこのときは、新しい動きと古い動きのせめぎあいのような状態になると思われます。)
2025年の夏は、天王星双児宮冥王星宝瓶宮に入った直後です。天王星についてはこの後逆行してまた金牛宮に戻りますので、2026年の秋に、もう一度同様の角度をとります。このときには、現在始まっている新しい動きがかなり順調に進んでいくように思います。
そしてその後、2045年の終わりごろには処女宮に入ったばかりの天王星と、双魚宮に入ったばかりの冥王星が180度を作ります。
その後また天王星が逆行して、再び180度を作るのが2046年の秋です。
このころには、現在の原子力発電所の多くが閉鎖され、その後片付けのような状態に入っているのではないでしょうか。
さらに2074年ごろには白羊宮の冥王星と磨羯宮の天王星が90度を作ります。星とサインが現在の配置と入れ替わっていますので、今とは何か異なる大きなことが起こると考えられます。そして次に冥王星天王星が重なるのは2103年ごろ、金牛宮でのことになります。このころにはすでに、自然に寄り添い、快適で、より使いやすいエネルギーが創出されているのか、エネルギーそのものの使う量が減ってわたくしたちの生活自体が変わっているのか、それはわかりません。その両方だと素敵ですが、どちらにしても新しくて快適な生活が、わたくしたちの子孫に用意されているのだと思います。
 
今日は、冥王星天王星のメジャーアスペクトに限って、原子力発電に着目して、大きな流れを考えてみました。実際は、もっとたくさんの星がかかわり、それ以外の出来事も起こっています。これに個人の生活を重ね合わせると本当に複雑なことになります。
あくまでもかいつまんだ大きな流れとして見ていただければいいかと思います。
そして、どんなことも決して未来永劫続くのではなく、始まっては続き、それが終わるのだということ、そしてその上にまた新しいことが始まっていくという繰り返しが螺旋のように続くのだということを感じることで、「次の時代」への希望につなげていただければうれしいと思います。