2011年6月新月

* 新月情報
6月2日午前6時4分、双児宮11度2分の新月、しかも日蝕です。
さらにこの新月は、天秤宮土星としっかりとしたトラインを作っています。ここで新しく始まることは、一月や二月ではその全貌を見ることはできないような、大きな変化になるかもしれません。それは、これから長い時間をかけてゆっくりと熟成していくのではないかと思われます。特に人間関係。特に身近で、面と向かって会話をするような関係、あるいは隣に並んで同じ方向を向いている関係にスポットの当たる新月です。
夫婦、恋人、家族。大切なはずなのに、そこにいることが慣れっこになってしまっている相手との、新しく深い関係を結びなおすときではないかと思います。
いつもうまくコミュニケーションを取れないという方、白羊宮の木星金牛宮の水星が30度です。家族なら、恋人なら、黙っていても伝わる何かがきっとあるはず。
これは、「何も言わなくてもわかってくれる。」という意味ではありません。「言葉を上手に使えなくても、伝えようという強い気持を向ければ伝わる。」と解釈してください。
ね、全然違うでしょ?(^_-)-
この日の水星と木星は、そんな行動を応援してくれそうです。
また、木星海王星が60度。木星が白羊宮の29度、海王星双魚宮の0度と、位置するサインのズレがあるため隔靴掻痒の感がありますが、それでも、この二つの惑星のアスペクトは頼もしいものです。何か夢や希望が広がるような、遠いと思っていたことが現実に目の前に見えてくるような、そんな感じが強くなるアスペクトです。この木星は6月4日22時57分に金牛宮に入り、このアスペクトの力も目に見えて強く感じられるようになるでしょう。60度丁度になるのは9日11時42分です。
とてもいいことがありそうな気配です。
水星もまた金牛宮の28度で、海王星とはサインのズレのある90度。やはり言葉ではなく別の方法で気持を伝えるのに適した新月のようですね。水星は3日午前5時4分に双児宮に入ります。言葉に愛を乗せるのは、新月の次の日からがよさそうですね。
ただし、大言壮語にはご注意を。
この新月のころから、磨羯宮の冥王星と白羊宮の天王星が90度の圏内に入ります。
この関係は今年の9月ごろまで続き、ピークを迎えるのが7月から8月で、そのときには、他の星も巻き込んで、大きな影響力を持つ形になります。
この期間に、大きな変化を得る方もいらっしゃると思います。
たいへん楽しみな夏になりそうです。しかし天王星冥王星の90度は、2016年の2月ごろまで離れたり形成したりしながら続きます。つまりこの5年ほどは、何か一つの大きな変化の時代になりそうだということです。
今回の新月は、その大きな変化の入り口に立つような、そんな状態になりそうです。
 
* 魔法のマントラ…人間関係を幸せにするために
今回の新月ホロスコープを見て、大まかなことについては上に記しました。
その中で気になることについて、ここで少し詳しく書いてみたいと思います。
今回の新月双児宮で起こります。さらにこの新月天秤宮土星としっかりしたトラインを作っていると書きました。
今回の新月ホロスコープで、太陽と月のコンジャンクション(この状態が新月)以外に最もはっきりとしたアスペクトがこのトラインです。
新月、満月のホロスコープを書くときに、わたくしはソーラーサインというハウスタイプを用います。太陽があるサインを第1室として、サインの順に部屋割りをしていくタイプです。
個人の鑑定をするときは、その人の生年月日によってこの部屋割りが決まり、それによってその人の状態を知るのですが、わたくしが毎月書いているような新月情報などの場合は、全体の持つ雰囲気として、わたくしたち全員のおかれているこの世界全体の現在の性質、状態を探るために、太陽のある部屋を第1室としてホロスコープを書きます。
すると今回の場合、太陽と月が双児宮で第1室、土星天秤宮で第5室になります。
部屋の役割についてはたびたび書いていますので、ここではポイントだけ。第1室が自我、自己同一性の状態を表わすと考え、第5室が娯楽、子ども、恋愛の状態を表わすと考えます。
わたくしが、新月情報の中で「夫婦、恋人、家族」と取り上げて書いたのは、まずここに由来します。また、双児宮の状態はコミュニケーションの性質を表わし、天秤宮の状態は1対1の対人関係、結婚やライバル関係の状態を表わします。そのため、ここらへんをひっくるめて、家族や恋人とのコミュニケーションの大切さに触れたのです。
今回の新月は、人と触れ合う喜びがキーワードになると思います。
どのような形で触れ合うのかは人それぞれ違うのですが、大切なのは一つ、真心を持って誠心誠意向き合うということです。天秤宮土星は、1対1の人間関係を時間をかけて育み、辛抱強く育てるという力を持ちます。ですから、一人の人に向き合う喜びは、相手に対して本当に一所懸命になったときに生まれます。その気持そのものを大切にすれば、言葉がうまく使えなくても必ず互いの存在に喜びを見出せるでしょう。
時間をかけて、大切に関係を育んでいきたいものですね。
これは、うまくいっていない恋人や、自分から連絡を取ることが難しいような片思いのお相手に対しても同じなのです。
どんな相手にも誠心誠意向き合う、それしかありません。
ところで、誠心誠意向き合うといっても、具体的にどのようにすればよいのでしょうか。
もちろん、人によって状況は違いますし、ましてや相手の連絡先もわからないなんてことも往々にしてあることです。
しかし、どんな場合にも絶対にうまくいく方法が一つだけあります。
それは、向き合う相手にあるマントラ(呪文、言霊)を唱えるのです。
というと怪しげですが、実は日常的によく使う言葉です。
それは「ありがとう」です。
そう、ありがとうという感謝の言葉です。
口に出しても出さなくても、本人を前にしてもイメージするだけでもそんなことはどうでもいいです。
ただ、心から相手に向かって「ありがとう」という言葉を発してみる。
たとえば、ジャージ姿のさえない格好でゴロゴロしながら野球放送を見ているご主人に、勉強もしないでイヤホンで音楽ばっかり聞いている息子さんに、登校前にびっしりマスカラを塗っている娘さんに。
口に出さなくてもいいです。心から「ありがとう」という言葉を発しながら向き合ってみてください。たとえ別の部屋にいても、心で向き合ってみてください。
連絡をくれなくなった恋人にも、思いを告げても返事すらくれない片思いの人にも、「ありがとう」という言葉とともに、イメージの中でその姿に向き合ってみてください。
毎日続けてみてください。といっても、本当に心からこのマントラを唱えることができれば、たった一回でも絶大な効果が出ます。
その結果…、結果はどうなるかわかりません。
大切なのはその行いです。
行いだけをただ一所懸命やることによって、具体的な結果はどうあれ、必ず最終的にはご自身の魂の最も大切な人間関係を育むことができるのです。
本当に簡単な言葉です。
「ありがとう」
この言葉を心から、向き合っている人、向き合いたい人に向けて発するだけです。
それだけで、その関係は必ず愛に満ちたものになります。
たとえ離れ離れになっても、たとえ恋人でなく友達としてのお付き合いしかできなくても、あなたの魂が本当に喜ぶ状態、愛に満たされた状態になるのです。
そうして愛に満たされていれば、あなたの周りには、やはり愛に満たされた素晴らしい人が集まってきます。老若男女かかわらず、素晴らしい人間関係の中で、素晴らしい愛を育んでいくことで、生涯を共にする人、大切な家族となっていく人との関係もまた、築き上げられるのです。
人によっては簡単なこの行為も、また別の人によっては困難かもしれません。
簡単な人にとってはこの幸せが持続するように、困難な人にとってはいつか容易にできるように、この新月の星周りは、長い時間の宿題を出してくれています。
どうか、皆さんの人間関係が、全て愛に満ちた豊かなものであり続けますことを。
皆さんの大切にされている人々が、愛に満たされ幸せである状態が続きますことを。
この新月に感謝したいと思います。