2011年5月満月

* 満月情報
5月17日20時10分、天蝎宮26度13分の満月です。
わりに端っこの方の満月で、太陽が金牛宮、月が天蝎宮ですから、満ちて満ちてこぼれそうなほど、たっぷりした感じの満月というイメージです。この前日の16日には7時13分に金星が、8時19分に水星が、それぞれ金牛宮に移動しています。
これまではその姿かたちもはっきりしないのに闇雲に進めてきたことが、この満月あたりからは少し落ち着きを見せて、その形、手触りなどの感覚的なものが見えてきそうな感じではないでしょうか。
さらに、今週末には金牛宮の火星が磨羯宮の冥王星と120度をとるということもあり、何か地に足のついた安定的なものを得られるイメージです。
ここしばらく、本当に休みなく働いてきた人たちには、やっと訪れるゆったりした時間となるかもしれません。とはいっても全くの休みになるということではなく、仕事のスピードが少し落ち、自分が何をやっているのかがやっと見えてくるという状態になるということです。
どんなに忙しくても、自分の仕事の成果を目で確認しながら進めるのと、自分のやっていることが一体どのようなことになっているかすらわからないで進めるのとでは、安心感も違いますし、この先のビジョンの見え方も違います。
この満月から次の新月にかけては、一つの事柄がきちんと着地し、成果を確認したうえで、次の新しいステップに向かう時期になるでしょう。
次の新月双児宮、しかも日蝕です。
新しい幸運の足音が聞こえてくるような気がしませんか?
 
* 占いの効く悩みと効かない悩み
先日ふと気づいたのですが、毎日をつつがなく暮らし、幸せを感じているときには、わたくしたちは世界全体との一体感を感じることができます。
空の青さに心ときめかし、花の美しさを愛で、風の爽やかさに心をほぐします。
また、挨拶も元気よくなりますし、自然に笑顔も出ます。
ところが、何か悩み事ができたり、あるいはそれほどではないとしても、ちょっとイライラしていたりすると、気にかけている当の事柄以外は目に留まらず、挨拶もいい加減になったり、始終むっとして、眉間にしわが寄ってしまいます。
それだけではありません。自分以外の人はみな楽しそうに見え、自分ひとりが何か損害を被っているかのように思えます。誰かに相談してもなかなかわかってもらえない気がしたりして、強い孤独感に陥ってしまいます。
こんな状態で、「世界は一つ、愛を分かち合いましょう」なんて言われても、全然意味が通じませんよね。
 
わたくしはよく、悩み事の相談にみえた方に、「とにかく今自分の目の前にあることだけに一所懸命になってください」とよく言います。
例えば、仕事なら仕事、さらにそれが伝票の山であればその伝票の山、書類の束であればその書類の束、パソコン画面であればパソコン画面、さらにその伝票や書類やパソコン画面の文字や数字の一つ一つ、動かすボールペンの先やカーソルの行方など、本当にこの一瞬に目の前にあるそのことにのみ一所懸命注意を払い、ほかの事を一切考えないようにということです。
たいていの場合、わたくしたちは慣れた仕事をするときにほかの事を考えながら行ないます。そして、たまにうっかり書き間違ったりします。
日常のそういったことは、それほど大きな問題には繋がらないかもしれませんが、本当はミスはないほうがいいですし、もし悩み事に気をとられてしまっていたら、些細な失敗ではすまないかもしれません。そうなってしまったら、悩み事の上に悩み事を抱えるようなものです。
しかし、ほかのことを考えながら物事をするというのをやめれば、少なくとも小さな間違いも大きな失敗も避けることができます。それどころか、ひたすら目の前の物事に注意することで、わたくしたちは雑念を消し、集中力を高め、仕事の効率を上げます。そして何より、何かの悩み事を抱えているときには、その悩み事を考えなくてすむのです。
 
悩み事には二種類あります。
一つ目は、考えることで解決法を探り出している場合。これは悩み事というより、考えるべき課題といったものです。
二つ目は、自分が考えても結果は変わらないもの。あるいは自分で結果を左右できないものであるにもかかわらず、自分の思い通りにことを動かしたいと考えている事柄です。
まず一つ目の課題は、時間を作ってゆっくり考えるべきもので、何か他のことをしながら考えるものではありません。仕事に関するものでもそれ以外でも、適切な時間をとって、きちんと資料を集めて、解決していきましょう。
占いが功を奏するのはこういった悩みです。右か左か、進むか退くか。いつどこまで攻めるのかなど、とても答えが出やすいです。
占いで出た答えが自分の意に副わなくても、それはそれで参考になりますし、違うパターンの選択肢として記憶しておくこともできます。
二つ目の課題は、そもそも解決することはできません。
唯一解決できる方法があるとすれば、それはその問題について考えるのをやめることです。もう一切考えるのをやめて、忘れてしまうのです。そのためには、前述したように、目の前の仕事に没頭するのが一番よい方法です。
占いはあまり意味がありません。むしろヒーリングをおすすめします。
この悩みは、考えても仕方ないのに、考えて答えが出るものと勘違いしている場合があります。そして、そういう時には、占いで解決することは難しいのです。
 
では、占いで答えが出ない場合についてもう少し書いてみます。
占いで答えが出ないのは、ご本人が占いをすることで現状が自分の思うようになると期待している場合と、ご本人の考えがはっきりまとまっていない場合とです。
そしてこの二つは同じものです。
なぜなら、現状を変えたいと思うのは、自分が本当に求めるべきものと、実際に求めているものとがずれていることが判らないからなのです。
つまり、自分の願いが自分できちんと把握できていないのです。
このように、占いで答えが出ない悩み、つまり自分で自分の考えがはっきりとらえられていない場合は、自分がそのことを考えるその最初の過程でずれが起こっているわけですから、考えても答えが出ないのは当たり前なのです。
ですから、このようなものは本当は考える必要がないのです。自分の考えがまとまっていない、あるいは自分の考えが把握できていない場合、いくら悩んでもそこには何の意味も見出せません。
そういったものからは早く解放されて、本当に自分が向かうべき物事に全力で向かっていくほうが得策だと思うのです。
そのためにもっとも効率的でお金も時間もかからないのが、ただひたすら眼の前の物事だけに集中するということです。
これができれば、悩んでも仕方がない悩みから解放されるのに、そう時間はかかりません。
できない方は、ヒーリングを受けたりヨガを習ったりしてご自分の心身を整え、集中力を養うようにしてみるといいと思います。
そうすることで、眼の前のことにのみ集中する力が持てます。
 
こうして、悩んでも仕方がないことから気持をそらし、別の一点に気持ちを集中させることができれば、その一点集中の意識を、風のそよぎや葉ずれの音や雲の白さに向けることもできます。自分を取り巻く自然やさまざまの美しい事柄にのみ意識を向けることができるのです。そうすれば、この美しい世界との一体感を、いつでも味わうことができるのです。悩みのない人と同じ状態になりますよね。
そのうえでまたもういちど、自分がどうすべきかを静かに考えれば、おのずと答えは出ます。
この時点で、悩みというのは実は実態のないものであり、それ自体、創り出したのは自分自身だということがわかるはずです。
 
「何かの返事を待っている。」「提示された内容を受け入れるしか道はないが納得できない。」
特にこういうときに悩みを感じる方はおすすめです。
こういった悩みは、すでに問題が自分の手を離れているため、自分が悩んでも何の意味もありません。それでも、相手先からの返事、相手先が決める仕事や試験の日程などは、自分がいくら頑張っても、変えることも逃げることもできません。
そんなことで頑張るよりも、出てきた答えを如何に受け入れるか、その中で自分の最大の能力を如何に発揮するかを考えた方がずっと建設的です。
そのために、仕方のないことをいつまでも悩んでいないで、「眼の前のすべきこと」のみに心を集中させてみてください。しばらくすると、必ずもっといいこと、自分が本来立ち向かうべきことが見えてきますよ。