2011年2月新月

* 新月情報
2月3日午前11時32分、水瓶座13度54分の新月です。
新月ですから太陽と月が重なった状態なんですが、そこへ火星も参加して、三惑星がひと塊です。これらの星に射手座の金星が45度、魚座天王星が同じく45度。さらにそこに少しゆるめに土星が120度。
これだけ見ても相当に気合の入った新月ですが、さらにそれらを取り巻くほかの星たちもなかなかにぎやかです。
まず金星が、海王星と60度、水星と30度、天王星と90度。この天王星は水星と60度、海王星と30度。
次いで木星ドラゴンヘッドと90度。
メジャーと、マイナーの計算しやすいのだけでもこのとおりです。
ぎゅっと、力の詰まった新月です。
ここからみんな動いて次のそれぞれの持ち場に移ろうという、そんな感じ。
緞帳が上がる前の舞台袖で円陣を組んで、「ファイト!」とか言ってる感じ。
水星と金星はこの翌日、4日にイングレスがあります。
水星が朝7時20分に水瓶座へ、金星が午後2時59分に山羊座へ。次の満月が18日なんですが、その後太陽と、水星が再び、そして火星が次の星座に移ります。
どんどん、展開してゆき、新しい局面を迎えます。
希望が叶うとか、難問解決の取っ掛かりができるとか、そういった「次の段階」へ移るために、さあ頑張ろうと走り出す、そんな新月です。
ぜひ、力をためて、大きな夢を掴む一歩を踏み出してください。
 
* 空の星座と占いの星座
さて上の文章で、新月の翌日に水星と金星のイングレスがあると書きました。
イングレスとは、星占いで、惑星の星座移動のことを言います。
そうです。星占いで、です。
改めてここで書きますが、空の星座と占いの星座は一致していません。
スマートフォンや、タブレット型のコンピューターのアプリケーションで、星座や星の動きを見ることのできるものをインストールされている方はすでにご存知だと思うのですが、現在は月も火星も、実際の星座では山羊座付近にあります。月はまだ射手座と山羊座の間くらいでしょうか。(2月2日午前10時ごろ)
ですから、最近になってわたくしの毎日のつぶやきをお読みいただくようになった方の中には、おかしいな、変だなとかんじられた方も多いのではないかと思うのです。
そうなんです。空の星座と占いの星座はズレてるんです。
もっとはっきりいうと、占いの星座は現在の空の星座とは関係ありません。
空の星座は、地球から見える星々をつないで考えられたものです。地球からは遠い恒星をつないでいますから、地球から見ている限り、それ自体が形を変えることはありません。
空の惑星は、太陽系の惑星です。わたくしたちに親しみ深い月は地球の衛星、先ごろ冥王星は惑星の仲間からはずれました。これらの星々は太陽の周りを地球とともにぐるぐる回っています。それぞれの惑星の衛星(地球にとっては月)はそれぞれの惑星の周りを回りながら、惑星とともに太陽の周りを回るということになります。
大雑把に言って、これが太陽系です。
小学生でも知っている当たり前のことです。
ところが、占星術は根本から違います。
まず、平面(紙、またはコンピューターのディスプレイ)上の真ん中に地球をおきます。
これが占星術で言う宇宙の中心です。
伝統的な占星術は、全て天動説です。
地球の周りに円を書きます。これが宇宙です。
ここからが大切です。
この宇宙を、「まず」、「一番最初に」放射状に「12等分」します。
なぜいちいちカギ括弧をつけているのかはおわかりですね。
そうです。実際の空の星座は、見かけ上太陽の通る道黄道上にいろいろな幅で並んでいますし、星座と星座の境目には空白があります。さらに、それぞれの星座の境目には別の星座も入り込んでいます。なにしろ、地球の周りは全部宇宙ですから。
それに対して、占星術では地球を中心に黄道を設定し、それをまず12のエリアに分けます。その12のエリアにそれぞれ宇宙の星座からもらった名前をつけているのです。
この原型ができたのはギリシャ時代です。
それから地球の歳差運動のために春分点がだんだんズレていき、ギリシャ時代には牡羊座にあった春分点が、いまでは空の魚座水瓶座のあたりにあるということです。そうです、年月の流れと逆順ですね。
それで西洋占星術では、12のエリアに分けた最初の部分、つまり春分点牡羊座の0度に決めて、それからずっとそれを基準にしています。
インド占星術は、空の星座の動きとともに春分点を移動させていますので、こちらの方が実際の星の動きと似たような位置になるかもしれません。
ただし、これらは占いをする「基地」が違うだけです。
基地が違えばその基地ごとの結果が出ます。
大阪を基地にしていれば、大阪のお天気を見ます。
また、基地が大阪から東京へ少しずつ移動すれば、順に移動する場所のお天気が必要になります。それと同じです。
 
ですから本来ならば混同を避けるために、占いの星座も実際の空の星座とは違う呼び名で呼んだほうがいいですよね。
だって、そもそも違うものを指しているんですから当然です。
空の星座は本当にある星をつないで作った空の地図。
星占いの星座は占いの基準となる基地の部屋割り。
そう考えていただければいいかと思います。
ですから、これからはわたくしも星座という言葉をつかうのをやめてみようかと思います。
「星座」と呼ぶかわりに「サイン」と呼ぶことにするのです。
そして各サインの名前ですが、これもまた覚えておいていただければ便利だと思いますので次に列挙します。ひらがなで書いてあるほうが一般的で、漢字で書いてあるほうもよく使われますので、この際ですから見ておいていただければと思います。
 
おひつじ(白羊宮)、おうし(金牛宮)、ふたご(双児宮)、かに(巨蟹宮)、しし(獅子宮)、おとめ(処女宮)、てんびん(天秤宮)、さそり(天蝎宮)、いて(人馬宮)、やぎ(磨羯宮)、みずがめ(宝瓶宮)、うお(双魚宮
 
以上です。
ついでといっては何ですが、覚えておかれましたら、何かのときにお役に…立たないかもしれませんが、ネタにぐらいはなると思います。
また、星占いで使う「惑星」も、実際の惑星とは考え方が異なります。
これはまた別の機会にお伝えしますので、お楽しみに。
 
そんなわけでみなさま、星占いは天文学のもとにはなりましたが、いまはこれらは完全に分かれています。天文学は科学、星占いは哲学、または文学と分けて考えていただいたほうが、すっきり落ち着くのではないかと思うしだいです。
ぜひこれからも、12のサインと星たちの織り成す物語をお楽しみください。