「スピリチュアル」っていうけれど

便利な言葉だから使っているが、実はわたくしは「スピリチュアル」という言葉があまり好きではない。
「スピリチュアル」に対しては「霊的」とか、「スピリチュアリティ」に対しては「霊性」とかいう日本語があるので、そっちをつかうほうがわたくしは自分の思っていることに合っている気がすると、最近思い始めた。
単に日本人だから日本語が使いやすいということかもしれないけれど。でも「霊的」とか「霊性」とかいう語はあまりみんな使ってないみたいなので、やっぱりとおりのいいほうを使うことになる。
何しろ、このブログをはじめたときは、「霊性」なんて言葉知らなかったし(笑)
 
わたくしがこの言葉を知ったのは、去年か、今年の初めごろに、「スピリチュアリティの興隆」(島薗進著 岩波書店)という本を読んだときだ。
副題に、「新霊性文化とその周辺」とある。
ご興味のある方は読んでみてください。
オーラとかパワーストーンとか、開運とか、全然出てきませんから(笑)
現代の日本の霊性文化というものの経緯、現代日本人の生き方の霊的側面、グノーシス主義霊性文化のかかわりなど(このへんで「チャネリング」については出てきます。)が書かれていて、とっても興味深いです。
 
あ、そうだ。この本について書こうと思ったんじゃなかった。
今日、ある筋からお誘いが来て、「癒し」に関するイベントに出展しませんかということだった。
レイキマスターになってすぐのころだったら、飛びついたかもしれない。
「癒し」も「スピリチュアル」も大好きだったし。
 
でも、よく考えると、わたくしは「セラピー」というものをきちんと受けた記憶がない。(イベントで「体験」というくらいならいくつかある。)
レイキだって、自分がマスターを取得してからは交流会ですらほとんど行ってない。
理由はひとつ。
興味がないのだ。
必要なときに必要なところへ行っているはずなので、「何とかヒーリング」とか、「何とかセラピー」とか、たぶんわたくしには必要ないのかもしれない。(経済的でいい。)
 
で、件のイベント。
お誘いのメッセージを数行読んだ時点で、頭の中で「却下!」という言葉が響き渡った。
他の人のことは知らないけれど、わたくしの場合、全く面識のない方からのメッセージは、ある程度以上のレベルの日本語で書かれたメッセージでなければ、ほとんど読まない。(外国語はもともと読めないが、幸いにしてどこからも頂くことはないので、これは考えに入れない。)
これは、文章が上手か下手かとか、文法的に正しいか否かとかいうことになるけれど、それが一般的に大切かどうかを言っているのではない。
わたくしは、全く面識のない方からのメッセージは、基本を踏まえた普通の文章で書かれたものが好きなのだ。
そもそも個人宛のメッセージというのは、相手に「読め」ということで出すものだ。相手の好みも何もわからないのに、いきなり自分のスタイル爆発で書いてくるなどもってのほかだと、わたくしは思っている。
(あくまでもわたくしが思っているだけで、「自分独自のスタイルで相手の心をつかむ」というのがお好きな方もおられると思う。ここは好みの問題だということをご理解いただきたい。)
今回も、まずその時点でお断りすることに決めたのだが、実は理由はそれ以外にもある。
先ほども書いたが、以前は「癒し」とか「スピリチュアル」とかいう言葉でくくられるものが大好きだった。
しかし、最近はこの手のイベントに出かけるとものすごく気分が悪くなるというのがわかってきた。
せっかく皆さんが一所懸命頑張っておられるのに、はなはだ申し訳ないが、実際にだめなのだから仕方がない。
たぶん、その場所や人々から何かしんどいものを受け取ってしまうからなのだと思う。
そのしんどいものの正体は、わたくしは人間の「欲」だと思っている。
わたくしに欲がないといっているのではない。人様の欲を感じたらしんどくなるといっているだけだ。だから、わたくしの欲をどなたかが感じられたら、その方はしんどくなると思う。
普通のことだと思う。
さて、「癒し」「スピリチュアル」に関するイベントの場合、お客様も出展者も、そういう欲をたっぷり携えてこられる。
そもそもこういう場所には、パワーストーンとか、占いとか、そういうものの目的が「現世利益」になっている人が多く集まるのだから仕方がない。
「お金持ちになりたい」とか「素敵なパートナーに出会いたい」とか、そういう目的を持つことそのものはいいことかもしれないが、やたら願いを強くしてズレている人がスピリチュアルに走るというパターンをよく見かける。
的を得た欲は人生の目的を達する上で必須だけれども、ズレた欲は人を目的から遠ざける。
そしてますますズレていく。
当然そういう人が多く集まれば、場の空気は乱れる。
みんな乱れた空気をそうとは知らずにまとわりつかせて帰ってゆく。
わたくしもセッションをおこなうと、知らず知らずにいろんなものを頂いて、頭や肩にいろいろ乗っけて歩いているようだ。気をつけなくてはならない。
そんなわけで、「癒し」「スピリチュアル」に関するイベントは怖いのだ。
だからお断りしたのだけれども、それからいろいろ思ったことがあって、それを書こうと思ったのだけれど、時間もないし、前置きが長くなったので、今日はこの辺でやめよう。
「月よ月よのお話」で書くにはちょこっとしんどい内容なので、次もこっちに書きます。
今日は文句ばっかりでごめんなさい。
読んでくださった方々、ありがとうございます。