2010年1月満月

* 満月情報
2010年1月1日午前4時14分蟹座10度15分の満月です。
この日は天秤座の土星山羊座冥王星が90度、またこの土星は、山羊座にある金星とミューチャルレセプション、さらにこの金星は太陽と0度、したがって、蟹座の月とは180度、海王星木星水瓶座でコンジャクション、獅子座の逆行中の火星と山羊座の逆行中の水星が150度、さらに同じく山羊座にあるドラゴンヘッドと、魚座天王星が60度。
お正月ですし満月ですから、何か新しいことをはじめようと思っていらっしゃる方もたくさんおられると思います。
ただ、真新しい何かを始めるというよりは、何かを始めるについてここまで来たことへの感謝を持って、次の一歩を踏み出す先を探り出すという感じです。
ややこしいですね。
といいますのも、金星と土星の絡みというと、豊饒とか収穫とかいう感じがしますし、この金星が太陽や月と絡むことで、さらにパワーアップした感じがします。しかも蟹座山羊座がらみなので、足元を固めたり、ホームを守ったりという感じです。しかも、獅子座の火星は逆行しながら、同じく逆行中のこれも山羊座にある水星と絡んでいますから、新しいことへの取り組みは一筋縄ではいかないぞという感じです。むしろ、今まで打ってきた手に間違いがないか、やり残しはないか、きちんと調べるのには最適な時期になります。
そこに加えて山羊座ドラゴンヘッド魚座天王星の絡みです。
思いもよらないところに深い縁を発見する好機となるかもしれません。
お年賀状はつぶさに調べて、大切な人脈を繋いでいきたいところですね。
このお正月は、あせらず、飛び出さず、今まで育ててきたものをもう一度あたためなおしながら、足元を確かめつつ前に進んでみられてはいかがでしょうか。

* 年神様
今回、蟹座の満月です。蟹座は月の支配する星座。つまりこの満月は月のホームでの満月なんですね。蟹座というのは、家庭や家族や母親を象徴します。月は女性、妻、母親を表わす惑星であるため、蟹座に月がいるというのは、お母さん、またはお母さん的な存在が家にいて、元気に活躍しているという感じなのです。
このブログをお読みの方の中には、まさにその「お母さん」がいらっしゃると思います。大掃除やおせち料理の準備などで、今まさに大活躍の真っ最中でいらっしゃいますね。
また、お正月にはご実家に帰られて、久しぶりにお母様に甘えることができるという方もいらっしゃるでしょう。日ごろなかなかできない親孝行のチャンスですよね。
どうか皆様、ご家族で楽しいお正月を迎えられますように。
さて、本当はこのあたりからおせち料理のことを書く予定でしたが、それは「スピリチュアルより三度のメシ!」のほうに書いてしまいました。どうか、そちらのほうもお読みくださいませ。
そんなわけでこちらはもう少しスピリチュアルに、お正月にお迎えする神様のことについて書きたいと思います。

さてさて今回は満月と元日が重なります。現代の暦のシステムからは本当に珍しい感じなのですよね。しかしもともと古い習慣では、正月の満月の日は年神様を迎えて旧年の豊作と平穏を感謝し、あわせて今年の豊作と平和を記念する日とされていました。
現在でも一月十五日は小正月として、地域によってさまざまな行事がおこなわれていますよね。細かく言えば、「一日(ついたち)」は「月立ち」の音便形で、「朔日」とも書きます。籠もっていた月が出てくるという意味で、細く細く夜空に出現した月の見える日からさかのぼった新月の日が、この「月立ち」にあたります。ですから、ちょうど十五日あたりが満月なんですね。
後に唐の暦法を採用するようになってからは、年の初めの日の朝を元旦というようになりました。
つまり正月の満月に年神を迎えるという考えは、唐から暦を取り入れる以前の話ということになりますから、ずいぶん昔の話ですね。

さて、今回はカレンダーの上での一月一日と、かつて年神様をお迎えした正月の満月が重なる、大変素敵な日となります。
素晴らしい年の幕開けの予感がしますね。
では、お正月にお迎えする年神様とは、どのような神様なのでしょう。
もともと年神様は「作神様」としての性格がつよく、五穀をつかさどる神と考えられていました。そもそも「年(とし・ねん)」という言葉も「稔(みのる・ねん)」という字に通じ、稲穂が実り熟して一巡する期間を「年」というのだそうです。
この年神様、元旦に恵方から来るといわれています。
恵方はその年の十干から定められていて、2010年は庚寅の年なので、恵方は庚、つまり申酉の間になりますから、西南西ということになるでしょうか。(間違ってたらごめんなさい)
古くはお正月というのは外に楽しくお出かけしたりしないで、家の中に恵方棚という神棚を設け、一家そろって厳かに年神様を迎え、その年の豊作を祈ったのだそうです。
また、その年の恵方にあたる神仏に参詣して新しい年の豊穣と家内安全を祈願する恵方参りという習慣があり、それが今の初詣のもとになったのだといわれています。ちなみに初詣が盛んになったのは、鉄道ができてからです。電鉄会社のコマーシャリズムによるものなんですよね。
交通の便が良くなってお元日からいろんなところに行けるため、、古くからの習慣とはずいぶん変わってきていますね。

ではまた、昔の習慣に話を戻しましょう。
年神様をお迎えするためには、鏡餅を飾ります。年神様のご神体が鏡餅なのだそうです。
この鏡餅、古くは垂仁天皇の御世に、大国主命大田田根子命(大物主神の娘)に、元旦に紅白の餅を荒魂たる大神に祭れば幸が来ると教えたのが始まりであるといいます。
もちというのはハレの日の食物です。もちには稲の霊が宿り、これを食するものには力が与えられると信じられてきました。
また、餅は「望月(もちづき)」の「望」に通じ、その丸い形から、円満に通じるといわれています。
このように、恵方棚を設け、鏡餅を飾り、すっかり年神様をお迎えする準備ができたところで、今度はお供え物をします。
そのお供え物が、おせち料理です。おせち料理については「スピリチュアルより三度のメシ!」のほうに詳しく書かせていただきましたので、そちらをご参照くださいませ。
こうしてお供え物をし、神様をお迎えしたら、今度は神様のほうから魂を分け与えてくださいます。神様からその家に授けられた魂がかたどられたのが鏡餅で、それを受け取った家長が、親から子へ、主人から使用人へと分け与えられるようになったのが「お年玉」の始まりなのです。
家長から家のものみなに分け与えられた年神様の魂は、現代では金品の形をとって、お正月に年長のものから子どもたちへのプレゼントとしてその形を変えてきました。
年末には銀行でも「新券でお願い!」「両替機で新券出るの?」など、せっかくのお年玉を新しいお札でプレゼントしようとする人々の声が聞かれますよね。
また、お金よりも何か子どもの喜ぶものをと、おもちゃや本などをプレゼントされる方もいらっしゃると思います。

このように、もともとは一家を上げて厳かにその年の神様をお迎えしたお正月ですが、今では新しい時代に即した形でさまざまに変化してきています。
しかしどのように変化しても、「年があらたまる」ということに意義を見出し、新しく迎えた年の幸いを祈る心に変わりはないと思います。
みなさまも明日の満月とともに迎える新しい年を、素晴らしい一年にしていかれますように、心からお祈り申し上げます。
またこの一年、拙文にお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。
来年もまたよろしくお願い申し上げます。
幸多い、よいお年をお迎えくださいませ。

参考資料:『年中行事を「科学」する 暦の中の文化と知恵』
永田久著 日本経済新聞社 1989年

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