2009年11月満月

* 満月情報
11月3日午前4時15分牡牛座10度30分の満月です。
この日の星空はまたえらく派手な星空です。
太陽が蠍座の10度、水星が同じく蠍座の8度、これらが牡牛座の月と180度の角度を形成します。そこへ獅子座の火星が8度付近にいますので、太陽・水星と、月に対してそれぞれ90度を作り、「Tスクエア」という形になります。
「いつか言うたんねん!」
と、思っている方、何を「言うたんねん!」かはわかりませんが、「いつか」は、どうもこの日になりそうです。
でもどうかお気をつけになってくださいね。
蠍座、牡牛座、獅子座、これらはあともうひとつの水瓶座とともに、「不動宮」または「固着宮」といわれるグループに属します。
基本的にTスクエアやグランドクロスなど、90度と180度の組み合わせができたときというのは、大きな変化を生じることが多いものです。
たいていは激しいぶつかり合いによる変化が想像されますが、それが「雨降って地固まる」となるわけです。しかも不動宮でのTスクエアですから、変化のあとの固まり具合がかなり強力そうです。
当然、ケンカになったら尾をひきますし、理解し合えばすばらしい関係が続くと思われます。
これまでずっと思ってきた「いつか言うたんねん!」の、何をどのように言うのかで、後々に禍根を残すか、恒久的な平和を得られるかが、大きく分かれるわけです。
どうか素晴らしい変化が訪れ、互いに理解を深める良い結果に導かれますように。

* 仏様を拝む……お地蔵様の巻
今回満月の起こるのは牡牛座ですが、牡牛座というと、実に現実的な感じのする星座です。ホロスコープで牡牛座の定位置とされる2番目のお部屋は、生活の中で使われるお金や給与所得、五感で楽しむ事柄などについて担当します。
というわけで、ここで金運アップのための簡単なおまじないをひとつ。
満月に向かって、空のお財布をヒラヒラ振ります。
これだけです。
有名なおまじないですし、こちらでも何度か書かせていただいたので、おなじみの方も多いですよね。ぜひ、明日は早起きしてお試しくださいね。
早起きと言えば、近頃わたくしは朝少しだけ早起きして、近くを散歩しています。
いつもなら自転車で走り抜ける道を朝の空気を吸いながら気持ちよく歩いていますと、今まで素通りしていたお地蔵様に手を合わせる気持ちになったりします。
そこに祀られていると知っていたお地蔵様もありますが、今まで通っていたはずなのに気づかなかったお地蔵様もあり、ちかごろは朝の30分ほどの散歩で4つのお地蔵様にご挨拶します。
もともとは氏神様にご挨拶しようとして歩き始めたルートですが、氏神様だけでなく、お地蔵様やお不動様にも手を合わせることのできる、とても素敵な散歩道になりました。
そんなわけで、お地蔵様のことをもう少し知りたくなり、少し調べてみました。

お地蔵様とお呼びするこの仏様は、観音菩薩と同じく「菩薩」というグループにいらっしゃって、「地蔵菩薩」というのが本当です。
お釈迦様の入滅後56億7000万年後に弥勒菩薩が出現するまでの間、現世に仏が不在になってしまうため、地蔵菩薩はその間、六道を輪廻する衆生を救うとされています。
六道とは、仏教の考え方で、地獄道・餓鬼道・畜生道修羅道・人道・天道の6つの世界で、わたくしたちの魂はこの6つの世界を何度も生まれ変わり輪廻しているとされています。
悟りを開くことによってこの輪廻から解放されるということですが、わたくしたちの魂はなかなかそのような境地には達することができず、何度も何度も生まれ変わりをして、この世の修行をするのだそうです。お地蔵様は菩薩でありながら高いところから降りて、この六道に迷うわたくしたちの魂を救ってくださるのだそうです。
日本では六地蔵といって、この6つの世界をそれぞれ救ってくださるお地蔵様を、墓地の入り口などにお祀りすることがあります。また、道祖神信仰と結びついて、町の結界にお地蔵様をお祀りすることも多いようです。
今回調べていて、わたくしが一番心を動かされたのは、賽の河原のお話です。
これはご存知の方も多いかと思いますが、親より先に世を去った子どもたちは、親孝行の功徳を積んでいないことから三途の川を渡れず、賽の河原で石を積み重ねて塔婆を作らなくてはならないという言い伝えがあります。しかも、その積み重ねた石はことごとく鬼に壊されてしまい、積んでは壊され、積んでは壊され、子どもたちは永遠に成仏することができないというのです。
子どもたちがこの世に残してきた親を思いながら石を積み重ねるというお話は、わたくしも子どものころに祖母に何度も聞かされ、胸をいためたものです。
そして、積んでも積んでも壊される石の塔を作り続ける子どもたちを鬼から守り、仏法や経文を聞かせて徳を与え、成仏への道を開いてくださるのが、われらがお地蔵様なのです。
「全ての衆生を救わなければ、菩薩界にはもどりません。」
お地蔵様はそんな決意を胸に、賽の河原はもちろんのこと、迷える魂のあるところ、どんなところへでも足を運んでくださるのです。
その名のとおりお地蔵さまは、大地が全てのものを慈しみ、守り育てるように、最も弱い立場の人々を救うために、わたくしたちの身近で活躍してくださる菩薩です。
さまざまな民間信仰と結びつき、子どもの守り神としても大切にされ、町のあちこちに祀られています。
毎年夏休みの終わりごろに楽しく催される盆踊りは、お地蔵様をお祭りする「地蔵盆」の行事です。
わたくしも子どものころ、この日は夜遅くまでお友達と一緒に踊り、お土産のお菓子やアイスをいただいて、楽しく過ごしたものです。
今は宗教から離れて地域のイベント的な催しになっているかもしれません。しかし、子どもたちにとって大きな楽しみであることに変わりはなく、同時に大人にとっても、地域での親交を深める大切な催しになっているようです。
きっとお地蔵様も、みんなが笑顔で集うイベントをやさしく見守っていてくださるでしょう。

さて、これから冬に向かおうというのに、夏のお話になってしまいました。
これから早起きは厳しくなりそうで、朝の散歩はいつまで続くかわかりませんが、路傍のお地蔵様には、通ったときにはご挨拶をしたいなと思っています。
皆様のお近くにもお地蔵様はたくさん祀られていると思います。
お散歩がてら、探してみるのも楽しいかもしれませんよ。