2009年10月満月

* 満月情報
10月4日15時11分、牡羊座11度10分の満月です。
満月というのはたいてい成就のタイミングなのですが、場所が牡羊座なので、どちらかというと始まりのタイミングのような気がします。
成就が始まりというのは、物事の流れではごく自然なことですよね。
ひとつの物事が成し遂げられたら、その瞬間は、次の目標に向かう出発点になるのです。
明日の満月は牡羊座。ちょうど蟹座の火星とはミューチャルレセプションです。
そしてこの火星は魚座天王星と120度の角度。
また他の星を見ると、乙女座金星と水瓶座木星、乙女座水星と水瓶座天王星、さらにこの天王星と蟹座火星が、それぞれみんな150度の角度です。150度は緊張と摩擦の角度といわれます。調和しているわけでもなく対立しているわけでもない、実に微妙な位置関係です。つまり、「一応体裁は整っているけれど、あともう一歩近づいたらおさまりがいいのに。」という角度です。
何か計画中の方、焦らずじっくり空気を読みつつ進めてくださいね。
一通りの準備は整ったはずです。あとは周りを固めながら少しずつ完成させていきましょう。

* 霊感を身に付ける
こんなふうに星の位置を見ながらいろんなことを書いていますが、これらはいくつかの約束事にしたがって、そこからどんなことが思い浮かべられるかという感じで書いています。
つまり、この星がここにいると「こんな感じ」とか、この星とこの星のこの位置関係は「こんなふうに見える」とか、自然界のものを素材にしながら、およそ科学的とはいえない手法でお話を進めていくわけです。もちろん以前にも書きましたとおり、占星術は科学ではありません。
むしろ哲学であり、芸術であり、文学です。
ましてや、自然界の法則など全く取り入れないタロットカードなどは、さらに科学からは遠のきます。
当然、鋭い感受性と想像力、それらを相手に伝える表現力が必要になります。
しかも、見えないもの、まだやってこない未来について語るわけですから、そこには一種の霊感のようなものが必要になっています。
実はわたくしは、自分にはこの「霊感」というものはないと思い込んでいました。
占うときにはクライアントさんのお話をよく聞き、そのお話しぶりを観察し、内容を吟味し、カードの意味や並び方を分析し、その結果「判断したもの」をお伝えしていると、自分ではそう思っていました。つまり、占う対象であるクライアントさんを「読む」という行為をしているのだと思っていたのです。
しかし最近になって、どうも自分は、クライアントさんのことを読んでいるのとは少し違うと思うようになってきました。
もちろん、クライアントさんのお話はよくうかがいます。ただお話されるだけでもお気持ちが晴れて軽くなっていただけるのです。これはとても大切なことです。
しかし、今までクライアントさんのお話から分析していると思っていたことの多くが、実は「勘」に頼っていることもあるということに気づきました。
「勘」に分析や理論はありません。ただそう思うというだけのことです。
何の理由も根拠もなく「そう思う」というのは、占う上で大変重要な事柄であることが多いのです。
分析や理論など、何らかの「根拠」を必要とするものは、その「根拠」が変化すれば一気に意味を成さなくなります。
コンピューター占いなどで、入力する情報(例えば、未婚か既婚かなど、大勢に影響のなさそうなもの)を少し変えると、全く当たらなくなったりするのはこのためです。
しかし、うまく勘に頼ると、情報が少し違ったら微妙なおさまりの悪さを感じることがあります。
その結果、表現は少し違っても、最終的にクライアントさんの真実に近づくことができます。

そして、このように占いで使う勘、霊感のようなものは、磨き方しだいで誰にでも使える、とても身近なものだということも、ようやく最近わかってきました。
今までわたくしは、占いというものは、カードをめくったり星の位置を分析したりすることによって、「相手を読む」のだと思っていました。しかし、実はそうではなかったのです。
占いという行為は、実は「相手を読む」のではなく、「相手の発するメッセージを受け取って言葉にする」ということなのです。
「相手を読む」または「探る」という行為はしていないのです。
あらゆる感情を手放して、ホロスコープを眺め、並んだタロットカードを眺めているうちに、クライアントさんの魂が語りかけてくるのです。わたくしはその内容をクライアントさんに返すだけです。
もちろん、星やカードの意味を無視しているわけではありません。星やカードを通じて語りかけてくるのです。そしてこのようにクライアントさんの魂の語りかけてきた内容が、「ただそう思う」という勘の部分だったのです。
そうなると、占いというのが俄然楽になってきます。
うまくクライアントさんの魂とつながることができたら、わたくしは何も考えなくても、ただ伝わってきた内容を言葉にしてクライアントさんにお伝えするだけなのです。
占いの結果は、クライアントさんご自身が全部ご存知なのです。
そして、わたくしはそれを受け取って返すだけなのです。

静かに自分の魂を研ぎ澄ましてクライアントさんの魂に近づいてゆけば、そのメッセージをきちんと受け取ることができますし、さらにわたくしたち人間の魂よりももっと高い存在と触れ合って、より豊かなメッセージを得ることもできます。そして、毎日の自分の生活にそれを生かしてゆけば、自分自身の人生をよりよく生きるヒントを得ることもできます。
それが、わたくしたちに与えられた「勘」すなわち霊感なのです。

霊感は、程度の差こそあれ、磨いてゆけば誰でも使えるものです。
誰もが有効に、明るく楽しく使いこなせる便利な能力なのです。
そして、誰もが使える便利で大きな力だからこそ、その磨き方、使い方が大切になってきます。

霊感を磨くための具体的な方法はいろいろあります。
ここではひとつだけ簡単な方法をご紹介しましょう。
それは、「力を抜く」ということです。
あらゆる局面において、ただ、「力を抜く」のです。
これは、「手を抜く」というのとは違います。
気負いや力みを取り去るのです。

わたくしは時々、詠春拳という中国武術のクラスを受けています。
先生はいつも、「もっと力を抜いて」「もっと抜いて」とおっしゃいます。
「きちんと力を抜いたら大きな破壊力につながる」のだそうです。
実はこのクラスの時間帯は仕事とぶつかることが多く、このところ2ヶ月に一度くらいしか通えないという、とても習っているとはいえないペースになってきました。
それでも「力の抜き方」を身につけるうえで、このクラスはとても大切です。
たとえたまにしか行けなくても、弾き飛ばされたり蹴り倒されたりしても、あちこち痣だらけになっても、わたくしの霊感を磨くための、大切なトレーニングになっています。
どんな状況にあっても、相手の力の強さや方向を「感じて」動きます。考えたり分析するような種類のものではなく、ひたすらに自分の余分な力を抜いて「感じる力」を身につけます。

わたくしたちは、日々さまざまなことを考えながら生活をしています。その中には、考えても意味のないことや、かえって行動の妨げになるものがいくつもあります。
きれいに力を抜くことで、そういった考えから解放され、本来人間が持っている勘、(霊感、第六感)が目を覚まし、発揮されるのではないでしょうか。
それは新しく身につけるものではなく、現代人がめまぐるしい生活の中で、もともと持っていながら忘れてしまっていた、とても大切な力なのです。

さてここで、ひとつだけ知っておいていただきたいことがあります。
それは、これらの力を使うときは、常に「楽しむこと」そして、「楽しませること」を心がけていただきたいということです。
占いの結果は、時にクライアントさんが悲しんだり苦しんだりする内容になることがあります。それでも、後にそれを乗り越えて、最後には必ず安心して未来に向かっていただけるような占いをしたいとわたくしは思います。
皆様が、占いではなく日々のご自分の思いを叶えようとして霊感をお使いになるときも同様に、必ず周囲の方々とともに笑い合って未来に向かえるような使い方をしていただきたいと思うのです。
これらの力が、怒りや悲しみを伴って使われてしまうと、それは周りの人々を不幸にするだけでなく、使った本人に最も大きく跳ね返ってきます。
使った本人に跳ね返ってくるその力は、最初に使った力の何倍もの大きさに増幅されています。
喜びや愛をもって使った場合と、怒りや悲しみをもって使った場合のその違いを想像してみてください。
得るものがどれほど違うかは、容易にご想像がつくことと思います。

どうか、皆様が毎日の生活の中で、ご自身の素晴らしい力を磨いていかれますように。
そしてその力を使って、ご自分や周りの方々への、たくさんの愛と幸せの運び手となられますように。