2009年5月満月

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* 満月情報
5月9日13時3分蠍座18度41分の満月です。
さそり座の女」などという歌もあり、どうも蠍座は執念深いイメージがあります。
確かに蠍座は、人間が自力で動かすことのできないような深く激しい性質を表わしますが、それはあくまで「蠍座」という「星座」の持つ性質で、蠍座生まれの人がこの性質であるというわけではありません。
むしろ、蠍座生まれの方の性格としては、「真面目に物事と向き合う」とか「自他の内面を大切にする姿勢を持つ」なんていうほうが納得していただけるのではないかと思います。
さて、満月はその星座生まれの方以外にも、素晴らしい恩恵を与えてくれます。
今日か明日の夜、満月に願いをかけるとしたら、「秘密にしていることが大切に守られるように」とか、「心のそこから何かに思いを傾けることができるように」とか、そんな種類の願い事はいかがでしょうか。
(※「星座」:正確には実際の空の星の形作る星座ではないので、「星座」ではなく「サイン」というべきですが、なじみのない方もおられると思いますので、ここでは「星座」という言葉を使います。)

* 向かい合わせのこと
蠍座生まれの方の性格は別として、蠍座という星座自体は、秘密めいたイメージのある星座です。実は蠍座の定位置である第8宮は、遺産や配偶者の財産など、自分の手では勝手に動かせない富を管理する部屋です。またここは結婚後の生活や、性に関することも管理します。
遺産にしろ性にしろ、どちらも外からは見えづらく、またあまり白日のもとにさらす種類のものではないという点で、共通しているように思います。
さてこの蠍座は、先月新月の起こった牡牛座の真向かいの星座です。
上の図をご覧ください。
文章と少しはなれますのでご覧になりにくいかと思いますが、これが占いの元になるホロスコープの土台です。
1番から順番に12番までケーキを12等分に分けたようになっています。
その一つ一つをハウスと言います。(わたくしは「部屋」という言葉が説明しやすいので、よく部屋といいます。ここでも部屋という言葉を使いますが、「部屋」は占星術用語ではありません。占星術用語は「ハウス」です。念のため。)
1番から12番まで、それぞれの部屋はそこで行なわれる仕事の内容が決まっています。
おうちなら、台所とか、子ども部屋とか、書斎とかいう具合です。
その一番外側に書かれた記号が星座の記号で、ここではもともとの部屋のスタイルを表していると思ってください。(個人鑑定をするときは、生まれた人の太陽の位置で、割り当ての星座の部屋番号が変わります。)
これもおうちなら、台所は洋風で書斎は和風でといった感じです。それが人によって、台所がエスニックで書斎が洋風でという感じだったりするわけです。

その12の部屋割りの基本の性質になる星座を一覧にしました。
文章では図と同じ記号が出ませんので、名称のほうをごらんいただいたほうがいいかと思います。
牡羊座    ♈         7天秤座  ♎
2牡牛座    ♉         8蠍座   ♏
3双子座    ♊         9射手座  ♐
4蟹座     ♋        10山羊座  ♑
5獅子座    ♌        11水瓶座  ♒
6乙女座    ♍        12魚座   ♓

図と合わせてご覧いただけば、上の各行の二つの星座がそれぞれ向かい合わせの星座を二つ並べたものであるのがおわかりいただけると思います。
今回の満月の蠍座は8番目、先月の新月の牡牛座は2番目の部屋です。
先月の「月よ月よのお話」を思い出していただくといいのですが、2番目も8番目も、ともにお金に関する部屋です。
そして、2番目は自分で動かせるお金。8番目は自分では動かせない(隠された)お金。

ちなみにここで、そのほかの部屋割りを「向かい合わせ」という観点から見てみます。
1番目は自分自身を表わす部屋で、7番目はライバルやパートナーを表わす部屋。
3番目は初等教育、情報、9番目は高等教育、哲学。
4番目は母、家庭、10番目は父、社会(的地位)
5番目は子ども、恋愛など、個人的なかかわり、11番目は友人、社交的楽しみなど、自己と一定の距離感があるかかわり。
6番目は(関係が目に見える)労働、奉仕、12番目は隠されたもの、表面化しないもの、コンプレックス。

このように向かい合わせの部屋は、共通のテーマを持ちながらも、陰と陽であったり上下であったり左右であったりというような「対になる」性質を持ちます。
この「向かい合わせ」が相性の面でも重要である話は、前に書いたかと思います。

これを意識してみると、新月と満月も向かい合わせがひとつずつ進んでゆくのですから、一ヶ月の間に、ひとつのテーマの裏表のようなものが順次見えてくるのではないかとも思えます。
先月の新月で「お小遣いが増えますように」なんて願った方が、今回の満月で配偶者のへそくりを見つけたりとか、そんな感じだったりするわけです。(一番わかりやすい例やな)

「向かい合わせ」という観点から見てみると、12個の部屋の性質の関連性のひとつのパターンを見つけることができます。
また星座に関して言えば、三区分とか四区分とかのさまざまなグループ分けがあります。
これらがさまざまな要素となって、性格、相性、運勢を読み解く鍵になります。

そんなわけで、星占いは、見れば見るほど複雑になってゆくものだということがわかります。
しかし、どんなに複雑な法則を使っても読み解ききることなどできないくらい、人間の営みは複雑で魅力的です。
ですから星占いも、複雑になればなるほど、そこで展開されている人間のドラマに、少しずつ近づいてゆけるという魅力をもっています。
これからもその面白さを、少しずつご紹介していきたいと思います。