2011年11月 満月情報と「火星のこと」

* 満月情報
11月11日午前5時17分金牛宮18度05分の満月です。
ギュウッとかたまったような満月ですね。
芽吹く直前の種のような。
今しもどこかがパカッと割れて、緑の芽がのぞきそうな。
天蝎宮の太陽と金牛宮の月でできた満月(180度)に、獅子宮の火星と宝瓶宮海王星が180度で、サインの関係で言えば(角度ではかなり離れていますが)十字に横切るグランドクロスを作っています。しかもこの火星は、満月の約8時間後には処女宮に移ります。この満月の時には海王星との180度から離れていってますから、正確にはもうボイドなんですね。
ボイドというのはお留守の時間。この場合は、火星が象徴する、意欲、積極性、衝動、性的なエネルギー、そういったものを管理する担当者が不在のような状態になるのです。火星が処女宮に入るのが13時16分ですから、この日の午後には、ここ2~3日少しイライラしていた人も、すっかり落ち着くのではないでしょうか。
木星は逆行中で、相変わらず冥王星と120度です。動き出す前にもう一度、ご自分の深いところに立ち戻って、静かに内面を観察する時間をとってみるのもいいかもしれません。さらに、金星と水星が人馬宮で寄り添いながら歩を進めています。やさしい気持の表現は明るく元気に。道端に深く根を張る草の咲かせる可憐な美しさ。そんな感じです。
ギュウギュウにかたまって見える種は、もうほんの数時間で芽が出るほど中身が詰まっているのです。
この種が育ってどのような花になるのかはあなた次第。
美しく育ててくださいね。
 
* 火星のこと
満月の日、火星が処女宮に入ります。
火星は太陽系で、地球のすぐ外側の軌道を回っている星です。英語名では「Mars」。戦いの神です。
占星術では、社会とのかかわり、意欲、積極性などをあらわします。
また、攻撃性、闘争心などもあらわし、自他を成長させるだけでなく傷つけるような事柄を支配することもあります。
上手にコントロールすれば、勝負にも強くなりますし、毎日の生活を積極的に送ることができるでしょう。
しかしもしコントロールを誤れば、気持が苛立ったり、焦って動くことによって空回りしたり。最悪の場合は事故に繋がったりと非常に厳しいものをもたらすこともあります。
もともと火星は戦いの神ですし、災いや疫病をもたらす星とされましたから、そういう性格のものだと考えればよいのだと思います。
このような激しい星が、2011年11月11日の午後から2012年7月3日の夜9時33分まで約8ヶ月の間、処女宮に滞在します。
火星は通常一つのサインを1ヵ月半くらいで通過します。
それが大体2年に一度くらい、大きな逆行をすることで、一つのサインに長くとどまったり、前のサインに戻ってまた同じサインを通過したりということが起こります。
(逆行というのは実際に逆に向いて回っているのではなく、太陽を中心として回っている天体を、同じように回っている地球から、その地球を中心として見ているために起こる見かけ上の現象です。)
で、こんなことを書いていると、初めてお読みいただいてる方で、乙女座さんがいらしたら、「えっ?わたしの星座にそんなに怖い星がくるの?それも8ヵ月も?」なんて怖がられたりするかもしれませんが、ご安心を。
火星が処女宮に入るということは、処女宮に関連している事柄で火星が活躍すると考えてください。個人的には、処女宮がその人のどのハウスにあたるかなどで、詳しいことが変わってきます。人生のどんな出来事に火星的な影響(積極性、男性エネルギー、勝利への意欲など)があるかということは、ハウスを見ればくわしくわかります。
例えばある人は処女宮が恋愛を表すハウスに相当するかもしれませんし、結婚を表すハウスに相当するかもしれません。そこに、意欲の星、ガッツのある男性的なエネルギー満載の火星がやってくるわけです。ちょっと楽しみになりませんか?
ですから、乙女座さんも、他の星座生まれの方も、等しく火星の恩恵は受けることができます。せっかくですから火星の素敵なエネルギーを満タンにいただいて、今年年末から来年の夏までをより意欲的に過ごしていきましょう。
さて、ではハウスは別として、性質としてこの火星はどんな形で活躍するのでしょうか。
それは、処女宮の管理する事柄によってわかります。
処女宮は、知性的で秩序だって物事を考える力を持つサインです。どんな事柄も、現実的に、しかも丁寧に緻密に、整理、分析します。
奉仕すること、労働することをいとわず、懸命に働く状態を作り出します。
ここに火星が入ることで、処女宮の表す事柄に、火星の力が発揮されます。
つまりわたくしたちは、細やかに丁寧に労働したり、現実に即した分析を行ったりということについて、とても意欲的になれるということです。
さらに個人的には、特にハウスの表す事柄について、この繊細な労働意欲が発揮されることになります。
火星のよい面があらわれれば、実に意欲的でポジティブな力を得られるというのがわかります。
では、もしコントロールを誤ればどうなるのでしょうか?
誤りたくはないですが、もしそうなれば、前述のように、苛立ったり焦ったりして、事柄が空回りしたり、事故が起きたりということになるわけです。
それはいやですよね。
もちろん、回避する方法はあります。
一番大切なのは、火星そのものの力の持って行き場を正しくするということです。
これは今に限らずいつでもいえることです。(火星は常に皆さんのホロスコープ上に存在します。)
どこへ持っていけば正しくて、どこへ持っていけば正しくないのか。
それは簡単です。良いものを作り上げるということに対して意欲を注ぎ、人様のことを攻撃することには一切意欲を向けないということです。
この「意欲」が火星のエネルギーなのです。
「攻撃」は、火星の最も得意とする仕事です。それを人に向けると、災いが起こり、戦いが繰り広げられます。
そもそも「攻撃は最大の防御なり。」と、昔の人が言ったように、攻撃をするということは、自分を守るということなのです。
自分が何か守らなければならないものを持っているから、「責められる」と思っている事柄があるから、前もって攻撃するのです。
いつも書いているのですが、わたくしたちは、誰からも責められませんし、誰からも生活を脅かされません。世界中の人間がそれを悟ったら、戦争などたちどころに終わるでしょう。にもかかわらず、あちこちで紛争が起きるのは、わたくしたちが誰からも責められることはないし、自分たちの安全な生活を脅かされることも、本当はないのだということを、知らない人がいるからです。
世の中の災いは、自分が責められるかもしれない、安全で豊かな生活が脅かされるかもしれないという不安がもとになって起こります。このような不安を抱けば、火星の力はすぐにそこに加わり、人様への攻撃を展開するのです。
そんなところにせっかくの力を使うのはもったいなくありませんか?
せっかくですから、美しいものを作ったり、人様に奉仕したりというようなことに力を注ぎたいですよね。
そして、よりよく楽しい生活を送りたいものです。
皆様もどうか火星の力を思う存分生かして、意欲的でエネルギーに満ちた生活をお送りくださいませ。