2011年4月新月

* 新月情報
4月3日23時33分、白羊宮13度56分の新月です。
それにしてもすごい新月です。新月は始まりを意味します。しかも起こる場所が白羊宮です。白羊宮は12のサインの一番初め。そしてそこに、太陽と月以外に、火星、天王星木星、水星の4つの星、合計6つもの星が集まっているのです。さらに、太陽と月(新月)と木星は0度圏内、この密の星が真向かいの天秤宮にいる土星と180度です。矢を番え、弓を引き絞り、今にも射ようとするかのようなテンションを感じます。また、火星と天王星はこの白羊宮のはじめのほうで重なっています。ロケットの秒読みが終わって、お尻から煙が吹き上がり、機体が地面を離れようとする瞬間に似ています。この新月に一足遅れて、4日22時37分、海王星がそのホームであるサイン、双魚宮に入ります。また別の新しい物語が始まろうとしています。
ここで何が始まるのかは、今ここではわかりません。それは、一人ひとりの人が、それぞれに紡ぎ出す物語だからです。
この日の新月は、地球からたいへん遠い距離になるということです。
前回の満月は、地球にたいへん近い場所でした。軌道の関係でこのようになるのですね。このような月の動きは、わたくしたちの住む地球に物理的に大きな影響を与えます。しかし、前回も書いたように、占星術において月が司るのは人間の感情です。月の動きだけで全てを読み取ることはできません。むしろ、心の動きについてだけなら、つぶさに読み取れるでしょう。
月は天王星と火星に重なった後、逆行中の土星と向き合いながら太陽に重なり、木星に向かってあゆみをすすめています。これらの星のエネルギーを全て取り込んで、月はわたくしたちの心に届けてくれます。
これらの星の歩みは、ひたすら前に向かってわたくしたちを引っ張っていきます。
ブレーキをかけるはずの土星でさえ、その逆行という動きによって、制限を取り払い、進歩と拡大を示します。月の前方で逆行している水星だけが、唯一、振り返ることの大切さを語ります。しかし、それはわたくしたちの歩みを妨げるような大きな力を持つものではありません。
逆に、大きなことをなすための、小さなことの積み重ねの大切さを物語っているのです。
前進しましょう。
今は、一見どんなに困難な状況に見えても、前進していこうという気持を持ちさえすれば、星はわたくしたちに微笑みかけ、この状況の示す本当の意味を探る力を与えてくれます。
はるか前方を見てみましょう。
星が示す道には、まだ何もありません。なぜなら、そこに何かを作っていくのは、わたくしたち自身だからです。
そして、そこに何かを作るには、前進するより他ないのです。
 
* 海王星のこと
海王星のことってまとめて書いたかなあと思って、今ブログを探してみました。
しかし見当たらないので、書いたことはなかったということで、書くことにします。
もし前に何か書いていて、今回それと矛盾したことや違うことを書いていたら、進歩したと思ってくださいね。
さて、海王星というのは、双魚宮の支配星です。
それが、この新月の翌日の4日、長い旅を終えて、自分の家に帰ってきます。
帰ってきて、もう一回宝瓶宮に戻るんですけどね。つまり、2011年4月4日22時37分に双魚宮入りして、2011年6月3日に逆行を開始して、2011年8月5日12時12分に宝瓶宮に戻ります。その後2011年11月10日に順行に戻って、2012年2月4日午前3時53分に双魚宮に完全に入ります。そして、2025年の3月30日に次の白羊宮に移り、また逆行をして、同じ年の10月に双魚宮に戻り、そして2026年1月27日に完全に白羊宮に移ります。出たり入ったりしながら、移動するだけでも一年ぐらいかかるんですが、この移動期間を抜いても、海王星が今回双魚宮に滞在するのは、およそ13年間です。(長っ)
単純に考えて、海王星が行動を一回りするのに、約160~170年ぐらいかかることになります。
この海王星という名は、ギリシャ神話のポセイドン、ローマ神話ネプチューンに由来します。
海の底に沈む、目に見えないもの、または海そのものを表わします。
そこから、目に見えないもの、固体としての形を持たないものを司るといわれています。
具体的には、音楽、芸術全般、痲(酔)薬、薬草、酒、液体、ガスなどです。
目には見えないけれど、適切に使えばたいへん役に立つもの、それでいて、使い方を誤ると危険なものにもなりうるという、少し厄介なものをあらわす星です。しかし、わたくしたちが常日頃から大切にしている、夢や理想といったものも、海王星の守備範囲です。なかなか、一筋縄ではいかない感じですね。
この星の支配するのが双魚宮、愛と慈しみのサインです。このサインは見境が無くなるほどに、全てのものを愛します。全てを自分と同一視するほど、あるいは逆に、自分というものを一切失うほどの深く強い愛を表わします。
これはあくまでサインの性質で、双魚宮生まれの人がすべてそうだというわけではありません。(そんな人もいますけど)
この双魚宮に、家主の海王星が戻ってきます。
これまで海王星がいたのは宝瓶宮でした。
革命、公平、すべての人にいきわたる新しい考え。そこに働いた夢や理想の力。
これからは、慈愛と自己犠牲の精神に、夢や理想の力が働きます。
新しい時代の幕開けであることは言うまでもありません。
現在わたくしたちは、人生を賛美するにはあまりにも厳しい現実を目の当たりにしています。
しかし、そこから生まれるものこそが、次の時代を作るのです。
今この地球には、愛が満ちています。
となりにいる人を思いやる心、離れた場所にいる見知らぬ人の気持に共感する魂。そして、人々の安全を守るために働く人々。
みんなみんな、愛の顕われです。全てがわたくしたち一人ひとりの愛から出たものです。そして、愛は目に見えません。海王星は、その愛の働きをつかさどるのです。金星のように目に見える愛ではなく、火星のように激しい情熱ではなく、誰もが心の奥深く、魂というものの本質として持っている、その愛を、海王星は象徴します。
これからの時代、深い深い愛がわたくしたちを一つのものとして包むことになります。来年2月、本格的に海王星双魚宮に入ってからの時代の予告編が、今年の4月から8月の初めまでの間に展開されます。もうすでに、その気配が感じられます。そこここに、姿の見えない愛が生まれ、満ちてゆきます。
そして、それは消えることなく、隣の人、隣の人へと広がります。みんなが自分の胸の底から湧き出る愛を広げてゆくのです。それは誰彼の区別なく、わたくしたちを、地球を、宇宙を包みます。
そんな時代が、今、始まろうとしているのです。