2009年 4月満月

* 満月情報
4月9日23時57分天秤座19度53分の満月です。
すっかり春になりました。
我が家では今イチゴが花盛りです。
さちのかとワイルドストロベリーです。
これらの実がみのる頃には願いがかなうように、食養生がんばっております。
(願いは一つ、体重の減少(涙)
真夜中の満月ですから、「満月の夜に…」という種類のおまじないは時間設定しやすいですね。
お財布ふりふりが楽しみです。

* バガヴァッド・ギーター
最近インド占星術の勉強をしはじめたわたくしは、当然のことながらインドの聖典も読まねばなるまいと思い、まずは「バガヴァッド・ギーター」から取り掛かることにに決めました。
数ある聖典の中から、なぜ「バガヴァッド・ギーター」なのか。
それは、とてもやさしく読みやすい入門書が出ているからです(爆)

「バガヴァッド・ギーター」はヒンドゥー教聖典である叙事詩マハーバーラタ」の中の一編です。
登場人物の一人である勇士アルジュナが、同族同士の争いに心を痛めて戦意を喪失しているときに、彼の御者であり親友である賢者クリシュナ(実は最高神の化身)が、アルジュナを励まし戦いを遂行するように説いた教えが、この「バガヴァッド・ギーター」なのです。

アルジュナは戦士です。しかし、心優しくまじめな青年です。
お家騒動が戦争に発展し、その渦中にいるアルジュナは、敵軍に自分の親族や大切にしている人々がいるのを見て、「大切な人々の命を奪ってまで王権を争うなんて、自分にはできない」と、悩みます。
普通の青年です。いい人です。娘のお婿さんに考えたい人です。
しかし、賢者クリシュナはアルジュナに「心の弱さを捨てて立ち上がれ!」と励まします。
このひと、神様の化身なんですが、神様の化身のくせに「アルジュナ、立ち上がれ!戦う決意をして!」とか言うんです。
「あんた、そんなこと言うてええんかいな。」
と、言いたくなります。
しかし、実はクリシュナはアルジュナに、単に「戦うこと」を勧めているといるのではなく、「本分を全うしなさい」と説いているのです。

わたくしたちは、ともすればここに登場するアルジュナのように、さまざまな事柄に縛られて、本来なすべき行為を見失ってしまうことが多々あります。
この仕事を続けて家族に迷惑がかからないか、自分の行動は周りの人にどう思われているのか、そんなことを考えると、本来しなくてはいけないとわかっていても、戸惑ってしまうことは往々にしてあるものです。

こんなとき、わたくしたちはどうすればよいのでしょうか。
「バガヴァッド・ギーター」には、次のように書かれています。
「あなたの職務は行為そのものにある。決してその結果にはない。行為の結果を動機としてはいけない。また無為に執着してはならぬ。」

結果を心配するのではなく、行為を行うことそのものがわたくしたち人間の職務であるというのです。
すると、わたくしたちのすべきことは、「ただひたすらするべきことをする」ということになります。

じつはもうひとつのブログの題名が「スピリチュアルより三度のメシ!」になっているのはここからきています。
わたくしたちはこの地球上での使命を全うするためにこの世に生まれています。
それは、この世でなければできないことです。
それは、この体、この心、今生きている社会、はぐくんでくれた家族、守っていかなければならない人々、その中で生きている自分のすべきことをただひたすらに行うことだと思います。
それは、働くことであったり、子どもと遊ぶことであったり、家族が仲良くすることであったり、(場合によっては離れ離れになることであったり)とても日常的なことです。
そしてその日常的な暮らしを一所懸命行うことでこそ、わたくしたちはこの地球での使命を全うできるのではないかということです。

その「日常的な暮らし」の象徴としての言葉が「三度のメシ」なのです。
そしてそれは、天界のものとの接触を試みたり、過去世を知ることで癒しを求めたりということの前に行わなければならない行為のはずです。
まず、自分の生活を大切にする。そうすれば、地球上での使命を全うし、本当の天とのつながりを得られるのではないかと思うのです。

参考:「バガヴァッド・ギーターの世界」上村勝彦 ちくま学芸文庫