2011年10月満月

* 満月情報
10月12日午前11時07分、白羊宮18度24分の満月です。
太陽と土星が0度、したがって月はこの土星と180度という、見るからに我慢強そうな、そしてガッツのある満月です。
さらにこの満月は、たいへんゆるくはありますが、獅子宮の火星、人馬宮ドラゴンヘッドとグランドトラインを作っています。
強い意欲に支えられながら、時間をかけて練りに練ったこと、じっくりと向き合って築きあげた関係、そういったものに答えが出たり、これからの長い道のりの準備が整ったりという、とても発展的な感じのする満月です。
また、この太陽と土星のある天秤宮には水星もいて、この水星が宝瓶宮海王星と120度をつくっています。
未来を思い、理想を追求する心を、知性とひらめきが助けてくれるような感じがします。金牛宮木星と、磨羯宮の冥王星の120度、さらにこの冥王星天蝎宮の金星の60度が、それらを後押ししてくれます。
もちろん先を読む柔軟さもあり、明るいしたたかさを匂わせます。
こんな日にこそ、これまで時間をかけて作り上げてきたことを振り返り、これから本当に向かい合うべきことは何かを見極めたいものです。
本当にほしいもの、本当にしたいこと、自分の心の奥底から湧き出る力を信じてみましょう。
なかには、やるべきことをやり終え、山を一つ越えたという感じの方もいらっしゃると思います。
しかし一つの山を越えたら、次にはもっと高い山に挑戦したくなることでしょう。
この満月は、その目指すべき山を見極めるチャンスです。
じっくりと思いを深めてみましょう。
 
* 競争なんかいらない
さて、今回の満月は白羊宮にあります。
白羊宮は、12のサインの最初のサインです。先駆者であり、開拓者、そして、躍動する生命力、欲望そのものの星座です。
ここで起きる満月ですから、大変力が強く、しかも単純です。
欲しいものを手に入れる、したいことをする、たったそれだけのことです。
もちろんそこに他の星が絡むわけですからそれなりに複雑にはなりますが、気持としてはきわめて単純。「~が欲しい」「~がしたい」というだけです。
この単純な欲望がわたくしたちの力になることもありますし、逆に妨げになることもあります。
 
いつも書いていることですが、わたくしたちの望むものは、みなすでに与えられています。
与えられているとわかっているものを感謝して受け取るだけでいいわけで、このとき単純に手を伸ばすことができれば、それは自分の手中に納まります。
しかしわたくしたちは自分の目に見えないものは与えられていてもなかなかわからないものです。ですから、手の中に入っていない状態にのみ目を向けて、単純に手を伸ばすことができず、あちらこちらと探し回ったとき、かえってそれを見つけることができません。あせればあせるほど、それは見つからなくなります。
「欲しい」という気持に振り回されたとき、既に手に入っていることにすら気づかなくなるのです。
さらにいえば、白羊宮に月があると、競争意識が高まる可能性を感じます。
誰よりも先に欲しい。一番にできるようになりたい。
そういう気持が強くなるかもしれません。
しかし、これこそが本当に欲しいものを手に入れる、したいことをする、ということの妨げになるのです。
なぜなら、「誰よりも」とか「一番に」というような気持が出てきたとき、その人の願い自体がこの「誰よりも」「一番に」になってしまい、欲しいものやしたいことからはずれてしまうのです。そしてさらに、その「誰よりも」とか「一番に」ということはその人の本当の願いではないため、もともと与えられていないわけです。
結局本来願うべきことを願わずに、その願いの的がずれていく結果、すでにかなっている願いさえも見落としてしまうのです。
 
人と競うのは、ある意味何らかの効果をもたらしますが、それは一時何かの力がつくための触媒のようなもの、きっかけ作りのようなものに過ぎません。
わたくしたちは何かの力をつけるとき、人と競うのではなく、ただひたすらに自分を磨くという方法でしかそれをすることはできません。そのとき自分自身と競うことはあるかもしれません。昨日できなかったことが今日はできたとか、さぼりたい気持ちに負けないようにしたいとか。しかし、ある地点を越えると、それすらもいらなくなるはずだとわたくしは思います。
自分と競うとき、わたくしたちは必ず時の流れを感じます。成長ということがあるからです。時間をかけて頑張ってきたことは必ず何かの力になります。それは当たり前のことです。だからこそ、昨日の自分と今日の自分を比べて「頑張った」とか「成長した」といって「自分をほめる」のはナンセンスなのです。
頑張れば、必ず成長します。
ひたすら打ち込めば、必ず力がつきます。
そんなことはわかっているのです。
成長した自分の今の姿を見て、その成長そのものを血肉として、また今日も頑張る。
わたくしたちにできることはそういうことだと思うのです。
で、なぜこんなことを書こうと思ったかというと、実はわたくし自身、ものすごく競争意識の強い人間で、負けず嫌いなのです。
「人に負けたくない」その一心で頑張っていることもありますし、「自分に負けたくない」という思いでがむしゃらになることもあります。
そして、そういう思いに溺れそうになりながら、毎日を生きているのです。
特に現在動いている火星が獅子宮に入った近頃は、その意識が強く、自分でもそういう自分の「欲」に振り回され、情けない気持でいっぱいになってしまったのです。
もし、これを読んでくださる方の中に「負けたくない」「頑張らないと」という思いでいっぱいになっている方がいらっしゃったら、「『勝ち負け』なんて意味のないことだよ、自分の願いだけを見つめて、まっすぐいこうね。」と声をかけたいと思います。
もちろん、自分にもまた。
わたくしたち人間は、自分が楽しく頑張ることで、必ず他の人にも益を及ぼします。
本当に自分のしたいことをし、楽しみながら日々の努力を重ねる。それだけで世界中の人のお役に立てるのだと思うのです。
なぜなら、喜びはいつも共有できるし、分かち合えるし、拡げられるからです。
そのためにも競争心なんか捨てて、ただ楽しみ、静かに笑顔で努力していこうではありませんか。
幸せはいつも自分の手の中にあり、努力はきっと実るように、世の中はできているのですから。