2010年3月満月 その2

*   満月情報
3月30日午前11時27分、天秤座9度17分の満月です。
今月2回目の満月です。
天秤座というのは、バランス、対人関係、結婚などを象徴します。したがってここで起こる満月が表わすものは、何らかの関係の完結であったり、進歩であったりすると考えられます。
この満月の直前、29日夜9時半ごろ、満月直前の月と天秤座0度の土星が重なります。
ここまで頑張ってきた方に、「お疲れさま!」と声をかけたいような感じです。
そう、重なる相手は土星ですから、前回の新月にかけた願い事よりも、去年の春分から願っているとか、ここ数年頑張っているとか、そういうのが強いのではないかと思います。
ところで、この満月と同じころに、牡羊座の金星が水瓶座海王星と60度の角度を取ります。このとき、この金星と海王星のちょうど真ん中くらいに天王星があり、両隣の金星と海王星からちょうど30度ずつの角度になります。これはセミヨードといいます。海王星天王星は動きが遅いのですが、金星は動きが早いので、この形は2日ほどでなくなります。ところが金星のセミヨードが解消されようかという4月1日未明には、金星のあとを追うように水星が海王星天王星セミヨードを作ります。
わたくしは、セミヨードはヨードの小さいのというくらいに解釈しています。
セミヨードは三つの星が30度ずつの間隔で並ぶ形になりますが、ヨードというのは、三つの星のうち2つが60度、もうひとつが二つの星のま反対で、それぞれの星と150度の角度をとる形です。
本来60度という角度は物事を動かす角度になります。
前に進もうと思えば進める角度という感じです。しかし、150度というと、緊張度の高い角度になります。60度という物事を動かしやすい角度に150度という緊張の高い角度で星が絡むことで、「動かそうとしても動かない」という状況ができあがります。そうしますと、本当なら「連絡」ですむことが「交渉」になったりします。
「交渉」は「議論」になるかもしれませんし、「議論」は「水掛け論」になったりします。
30度というのは決して緊張の高い角度ではありませんが、セミヨードという形になると、少しもたつきを感じます。
動きが見えてはくるけれど、ちょっと休憩しながら行きましょうとか、様子を見てから進みましょうとか、そんな感じで、これが、30日金星、1日水星にまつわって現れてきそうな気配です。
そんなわけでこの満月、「完成したからちょっと休憩」とか、「クリアしたけど次のステージに上がるところはどこ?」という感じになるかもしれません。そうは言っても数日のことですので、「休憩しながら様子見をして、月が替わって金星水星ともに牡牛座に入ってから次の地盤固めをする」というのがおすすめのスタンスです。
なんにせよ、「一つ終わって一休み」という感じの強い満月で、ここであわてて次の段階に進むよりは、次の満月あたりまで、足元を固めておかれることをおすすめします。
 
* 気持を知るということ
天秤座はバランスの星座で、人間関係、特に一対一の関係を快適にすることを得意とします。
ですから今回の満月は、結婚相手、パートナー、ライバル、敵、そういう何らかの「相手」との関係にスポットが当たります。
 
ここで、皆さんは「相手」と聞いて誰を思い浮かべますか?
ちょっとどなたか一人の顔を思い浮かべてみてください。
それが、今最も気になる人であることはいうまでもありませんよね。
では、今日はその方の本当の気持を知る方法について書きましょう。
思い浮かべたのは「恋人」でしょうか、「職場の上司」でしょうか、「配偶者」でしょうか。
占いでしたらそういう「関係性」をある程度特定したほうがお話しやすいわけです。しかし今日は、「人様」に向かうときのことについて書こうとしておりますので、そのお相手は、老若男女どのような立場の方でも「使える」方法です。
 
最近わたくしは、リズ・ブルボーという人の書いた「五つの傷」という本を読みました。
この本によると、人間が母親の胎内に宿って、生まれて、成長していく途中で、人様に対する振舞い方に影響する傷が大きく分けて五つのパターンに分けられるというのです。その五つの傷にそれぞれ一つずつ対応する「仮面」(振舞い方)があり、それが周りとの軋轢を生んだり、生きにくくさせる原因を作ったりしているということです。
そしてまたわたくしたちは、その傷を癒すことを目的として、やはり同じ傷を持つ親のもとに生まれ、傷に目覚め、人生を通じて傷を癒す努力をしていくというのです。
もちろん、その傷を癒すことは可能ですし、できることなら今、こうして生きているこの生涯の中で少しでも癒していかなければ、また次の人生で同じような経験をするというふうにも書かれています。
もちろん、人間が全部で五つのパターンに分けられるというようなことを書いているのではありません。多くの人がそれらを一つ以上、多ければ五つ全部、複合的に持っていて、それによって使う「仮面」も現れ方の程度がさまざまであると書かれているのです。
お読みになった方も多いと思いますし、これから読みたいと思われる方のお楽しみのために、五つのパターンの詳しい内容はここでは割愛します。
さて、実はわたくしはこの本を読んで、自分自身の「傷」や「仮面」だけでなく周りの人のそれにも少なからず気づくことができました。
もちろん本を読んでいくと、人様のこともより深く見ることができるように書かれてあるわけですが、それはもちろんビジネス書や恋愛指南書に書かれてあるように自分の利益を得ることを目的に書かれているわけではありません。
周りの人々の「傷」に気づいたら、それを受け入れ、思いやりをもって接することが大切で、そういうことができるようになると、自分の傷も癒えつつあるというふうに書かれているのです。
そして傷を癒して、わたくしたち自身が自分の中の神に気づくことが大切なのだということが書かれてあります。
自分自身のあり方、人との向き合い方、そういったことについて大変多くの気づきを与えてくれる本で、まだお読みでない方には、ぜひおすすめしたい本です。
 
さてここで、「本を読むのはめんどくさくて」とか、「かいつまんで教えて!」とおっしゃる方のために、今あなたの一番気になっている人、何を考えているかわからない人、どうしても気持がつかめなくてどう対応していけばよいのかわからない人の気持を知るための簡単なエクササイズをお教えしましょう。
これは本に載っているのではありません。(ひょっとしたらどこかの本に載っているかもしれませんが、わかりません)わたくしが、こうすると簡単だと思うだけのことですので、お気軽にお試しください。
気持を知りたいお相手(上司でも恋人でも先生でも、もちろんお舅さんお姑さん、お子たち、どなたでも)とご自分が一緒にいるとき(または一緒にいるときを想像して)、二人の間に意識を持っていってください。そして、そこから1メートルばかり上に上がってください。
肉体があがるわけではありませんから、1メートルでも5メートルでも可能です。お相手とご自分、二人の顔や表情がよく見える位置にご自分の意識を持っていってください。
真上でなくても結構です。そこから見ると、「二人の関係」がとてもよく見えると思います。
自分のことだと欲目に振り回されてよく見えていないということがあるため、他の人の目になってみてはじめて気づくことも多々あるものです。
このエクササイズでは、他の人の目になることによって、今まで見えていなかったものが見えてきます。
そうしてまたご自分の中に意識を戻していただき、またお相手と向き合った時には、今までより少し、お相手のことがわかるという感覚を持てるでしょう。
これが最初のエクササイズです。
 
これでなるほどと思えたら、次にすすみましょう。
また、同じように意識を外に出してみます。二人の間から、1メートル上に上がって、そこからお相手の後ろ側にいってください。
すると、お相手から見たご自分のお顔が見えますね。
どんな表情でしょう。何をしながら話しているでしょう。
お姑さんの側から見たご自分は「可愛い嫁」ですか?それとも「鬼嫁」ですか?(笑)
恋人の側から見たご自分はどんなでしょう。それが、「彼の気持」です。
心行くまでご自分を観察したら、また上に上がってから、ご自分の体に戻りましょう。
これって、場合によってはちょっときついエクササイズですので、最初は当たり障りのない方、またはお互いに素敵な気持でいるとわかっている方と向き合っているときに練習されるのがおすすめです。
最初から、改善の必要な関係の方と向き合っているときになさると、ちょっとへこんでしまいそうです。でも、やってみる価値はあると思いますので、準備ができたらどうぞ。
それから、込み入った話をしているときだと、お話の内容そのものがそっちのけになる恐れがありますので注意してくださいね。一緒にテレビを見ているとか、おやつを食べているとか、それも難しければ、二人でいるときを想像しておこなうほうがいいかもしれません。
そしてご自分の中から抜け出して上に上がるときに、「欲目」は体のほうに残していって、ご自分の中の天使だけをお連れになってくださいね。
そして、ご自分の体に戻られる前に、一緒にいる二人をきらきらの光のベールでしっかり包んでください。そうすれば、二人の関係はより楽しく素敵なものになります。
 
明日の天秤座の満月が、皆さんと周りの方々に素敵な交流をもたらしてくれますように。
 
 
参考「五つの傷―心の痛みをとりのぞき本当の自分になるために」 
リズ・ブルボー著 ハート出版 1575円